ページ番号1006648 更新日 平成30年3月5日

ペルー/ボリビア:北米西海岸向け天然ガスプロジェクトの動向について

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レポートID 1006648
作成日 2004-09-15 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 セミナー・報告会資料
分野 天然ガス・LNG探鉱開発
著者
著者直接入力 齊藤 晃  
年度 2004
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 01ペルー/ボリビア:北米西海岸向け天然ガスプロジェクトの動向について2004年9月15日石油・天然ガス調査G齊藤 晃報告の構成■はじめに■ペルー:Camiseaプロジェクトの経緯・概要■ペルー:Peru LNGプロジェクトの動向■ボリビア:ガス輸出をめぐる国民投票の結果■ボリビア:Pacific LNGプロジェクトの動向■まとめ、今後の展望ヘじめに<南米で、アジア太平洋LNG市場をめぐる動きあり>①ペルー:8月上旬、Camiseaガス田から、リマまでのガス供給開始 太平洋岸に至るパイプライン完成②ボリビア:7月18日、天然ガス輸出政策の是非を問う国民投票実施  (昨年10月、天然ガス輸出問題を契機に、前Sanchez大統領辞任に追い込まれる)(参考)3%3%2%3%9%10%11%59%①ベネズエラ②ボリビア③トリニダードドバゴ④アルゼンチン⑤ブラジル⑥ペルー⑦コロンビアその他中南米[メキシコ除く]における確認埋蔵量シェア (出所)BP統計データより筆者作成ペルー:Camiseaプロジェクトの背景2334%3%4%天然ガスの割合:4% ⇔ 石油の割合:59%石油天然ガス石炭水力59%2003年天然ガス消費量:5億m3年間7億ドルの石油純輸入一次エネルギー消費量に占める割合(出所)BP統計データより筆者作成<Camiseaプロジェクト>ペルー最大のガスプロジェクト:Camiseaガス田の開発埋蔵量:天然ガス13TCF、コンデンセート6億バレル太平洋岸に至るパイプラインを通して北米西海岸向けLNG輸出が可能にアジア太平洋LNG市場に影響?エネルギー純輸出国へ2005年:GDP0.6%上昇LNG輸出後:GDP1.5%上昇可能yルー:Camiseaプロジェクトの経緯<Camiseaプロジェクトの主な経緯>1980年代半ば1988年1999年2000年2002年2003年9月2004年7月2004年8月ガス田発見Shell:ガス田を放棄(政府との合意至らず)ガス田開発、パイプライン、ガス供給事業の国際入札実施ガス田開発、パイプラインの事業参加者が決定され、ライセンス供与Tractebelがリマでのガス供給事業者に選ばれるLNGのFEED(基本設計業務)完了Hunt OilとTractebel、LNG供給に関するMOU締結Camiseaの生産開始。試験輸送開始Camiseaから、首都リマまでのガス本格的輸送開始紆余曲折環境問題による資金調達難→(例)2003年8月、米国輸出入銀行、214百万ドルの融資拒否環境破壊による罰金の支払いセンデロルミノソによる、パイプライン工事会社作業キャンプ襲撃アマゾンジャングル地帯多種多様な生物が生息する熱帯雨林多くの原住民の居住地域 ⇒「Friends of earth」等の国際環境団体が非難8月上旬 首都リマまでのガス供給開始ペルー:Camiseaプロジェクト概略図45yルー:Camiseaプロジェクト内容6①Block88内にある、Malvinasのプラントで天然ガス/NGL(天然ガス液)に分離②首都リマまで、パイプラインで天然ガスを供給(714km) ⇒家庭用・商業用・産業用の他、発電用も⇒初期輸送能力は、2億8500万立方フィート/日(7億2900万立方フィート/日まで増強可能)③分離後のNGL(天然ガス液)を、専用のパイプライン(540km)で太平洋岸Piscoまで輸送⇒Pisco近郊Paracasの分留プラントで、LPG等に加工⇒初期輸送能力5万バレル/日④余剰分をLNG化して輸出<計画>(隣のBlock56も対象)ペルー:CamiseaLNGプロジェクトの動向7■Pampa MelchoritaにLNG液化基地を建設予定⇒首都リマから南約170km。能力440万t/年。総費用20億ドル■Hunt Oil(米国)とSKグループ(韓国)⇒今後、他社参加の可能性も■2003年9月:メキシコ中部太平洋岸LazaroCardenas受入基地向けLNG供給のMOU締結(Hunt OilとTractebel)⇒供給量270万t/年、供給期間18年間のMOU締結■2004年2月:メキシコ政府、Lazaro Cardenasの土地使用許可をRepsol YPFへ付与。流動的に。■しかし、Manzanillo受入基地?CFE(メキシコ連邦電力委員会)と合意間近?■太平洋岸までのパイプラインを完成させている点で、ボリビアに比べ有利yルー:Camiseaプロジェクト概略図ボリビア:国民投票の背景89■ガス埋蔵量:南米2位■最貧国の一つ(人口約9百万人の70%poverty line以下)。ガス国内消費見込めず。■昨年10月、天然ガス資源の輸出問題が発端となり、前Sanchez大統領が失脚(背景)・外資を優遇するだけ(国民に還元されず)・チリとの確執:1879-83年チリとの紛争で、北部太平洋岸を奪われ、内陸国になった経緯。通行料がチリに入ることの不満も。■国民投票の主な争点①太平洋へ至る天然ガスパイプライン建設の政府による主導権確保②外資優遇を規定する炭化水素法の廃止⇒市場主導型経済への移行の一環。96年に制定。外資の導入が進む。埋蔵量UP③国家の関与(炭化水素資源の国家所有権の帰属、エネルギー会社YPFBが炭化水素資源の全工程に関与)④税金とロイヤリティを50%にUP。収入を教育や雇用創出に充てる⇒賛成票が反対票を上回る(平和裏に行われる、ごく小規模の暴動のみ)i参考)ボリビア:ガスをめぐる国民投票の背景102003年 9月中旬・Pacific LNG計画に対し、先住民が反発 デモ行進、道路封鎖等の抗議行動を開始10月初旬 ・抗議行動は、Sanchez大統領の辞任要求へと発展 全国規模に拡大10月中旬 ・Sanchez大統領、Pacific LNG計画の一時棚上げを発表・Sanchez大統領、Pacific LNG計画等(炭化水素法の改定他) に関する国民投票実施を発表・野党政治家のリーダーEvo Morales(02年の大統領選でSanchez 大統領に敗北)、強固に大統領辞任を要求・Carlos Mesa副大統領他数名の閣僚も政権からの離脱を決定・Sanchez大統領辞任。米国へ逃亡。10月下旬 ・Carlos Mesa新大統領就任・Carlos Mesa新大統領、Pacific LNG計画の実施を問う 国民投票の実施を発表国民投票以降の主な動向11■昨年10月からの混乱は、一応の決着。ただし、「経済性」と「国民感情」との板挟みで、紆余曲折が予想される・外資優遇を規定した炭化水素法の廃止・税金ロイヤリティ:50%へ。多くのプロジェクトの採算性減じる。生産性減少も(再投資されず)■7月下旬、アルゼンチン向けガス輸出合意・7月下旬、ボリビア政府とアルゼンチン政府、パイプライン建設で合意・06年までに20百万m3/d(73億m3/年)へ。[現在4百万m3/d(14.6億m3/年) ]・Northeastern Pipeline:約1000km、10億ドルのp/L:10月公開入札(参考)輸出国(単位:bcm)アルゼンチンボリビア輸入国ブラジルチリウルグアイ0.685.750.034.9--中南米[メキシコ除く]における天然ガス貿易 (出所)BP統計データより筆者作成{リビア:Pacific LNGの動向12■パイプラインルートの問題:①ペルールート、②チリルート(ただし、チリルートの場合に比べ、450km・754百万ドル追加の見込み)■8月上旬、ペルー政府とボリビア政府、LNG輸出のための経済特区の設置で合意(ペルー南部Ilo港に、LNG液化基地設置)⇒LNG輸出の場合、ペルールートにほぼ確定?⇒LNGプロジェクト瀕死の状態?南米市場に活路?(参考)SempraとメキシコBaja California州(Costa Azul受入基地向け)への供給については契約が失効(供給元インドネシアのTangguhへ)(参考:Pacific LNGの概要)供給元LNG液化基地総費用参加企業ボリビア南部Margarita鉱区(埋蔵量:13TCF)330万t×2トレイン約60億ドルRepsol YPF(37.5%)、BG(37.5%)、Pan-American(25%)**BP/Bridas(アルゼンチン)の合弁企業(参考)Pacific LNG パイプラインルート予定図13ワとめ、今後の展望14■アジア太平洋LNG市場をめぐり、南米の供給予定国で新たな動きが見られた。①ペルー:太平洋岸に至るパイプラインの完成。8月上旬、リマまでのガス供給開始②ボリビア:7月18日、天然ガス輸出政策の是非を問う国民投票実施■アジア太平洋LNG市場において、南米のLNG輸出の実現性は疑問視されていたが、ペルーの場合、太平洋岸までのパイプラインが敷設されたことで、一定の前進が見られた。メキシコ等受入基地確保の問題があるが、輸送距離が短いこともあり、インドネシア・豪州などに脅威を与える可能性がある。■ボリビアは、国民投票に一定の目処がつき、昨年10月からの混乱に終止符が打たれたが、炭化水素資源の国家の関与、税金ロイヤリティのUPなど、今後の動向に不透明さも残る。LNGについても、ペルー政府とペルー南部Ilo港でのLNG液化基地の建設、経済特区の合意がなされているが、太平洋岸までのパイプラインの敷設等、実現までには紆余曲折が予想される。今後、ボリビアは、アルゼンチンなど、南米の市場に注力していく可能性がある。
地域1 中南米
国1 ペルー
地域2 中南米
国2 ボリビア
地域3 北米
国3 米国
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中南米,ペルー中南米,ボリビア北米,米国
2004/09/15 齊藤 晃  
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