ページ番号1006663 更新日 平成30年2月16日

中国:政府援助や消費大国の強みを活かし、国外上流権益を獲得

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レポートID 1006663
作成日 2004-11-17 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 セミナー・報告会資料
分野 企業探鉱開発
著者 竹原 美佳
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年度 2004
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 中国:政府援助や消費大国の強みを活かし、国外上流権益を獲得2004/11/17竹原 美佳要点1(cid:57)最近、中国国有石油会社(NOC)は政府借款に伴う契約締結や、大口の消費国である強みをいかし、国外で石油契約を獲得するケースが目立つ(cid:57)中国NOCの国外進出は、国策(=エネルギー安全保障政策)だけではなく、企業戦略という要素もあるのではないか?3目次1.中国NOC、積極的に国外に進出2.中国NOC、上流権益獲得の手法3.国外進出に企業の事情4.まとめ1.中国NOC、積極的に国外に進出(1)中国NOC国外進出のトレンド~2000年2002年2003年~“政府援助”に伴う契約や割高な出費を伴う鉱区獲得三大NOC、米国、香港でIPO大規模な資産買収実行消費国の強みを生かした上流権益取得IPO契機に国外進出の規模拡大、多様化.中国NOC、積極的に国外に進出(2)NOC、国外に向かう理由4石油消費量の増大国内油ガス田の成熟化原油価格高騰NOCの業績向上欧米石油企業に比べ、想定油価高め?欧米石油企業に比べ、ローコストでリターンの低さ補う?投資対象として、国外探鉱開発案件は国内より魅力的?2.中国NOC、国外進出の手法5(1)一般的な国外鉱区取得・国際入札への参加・ファームイン(既存鉱区への途中参加)・資産・企業買収(2)政府援助に伴う契約例:スーダン(1996)、アンゴラ(2004)(3)消費大国の強みを活かした上流権益取得例:インドネシア(2002)、イラン(2004)消費大国の強みを活かした契約締結は2002年以降見られるように.中国NOC、国外進出の手法6(cid:132)政府援助に伴う石油契約スーダン:Block6(CNPC)・1996年に中国とスーダン政府の援助協定にもとづいて締結・CNPCのスーダンにおける国外権益分原油生産量は約10万バレル/日(CNPC国外権益の三分の一)アンゴラ:Block18(中国企業)・2004年10月、アンゴラは中国NOCにShellがファームアウトしたBlock18権益(50%)を付与することを決定・ShellとインドONGCは権益譲渡で合意していたが、中国が2004年にインフラ整備で20億ドルの“ソフトローン”を供与したことを受け、アンゴラ政府は国営Sonangolに鉱区の先買権を行使させ、ONGCから中国へ乗りかえた模様2.中国NOC、国外進出の手法7(cid:132)消費大国の強みを生かした上流権益取得インドネシア・タングー(ガス田)・2002年、CNOOCはBPからタングープロジェクト権益の12.5%を275百万ドルで購入・中国では、石油開発企業であるCNOOCなどのNOCがLNG輸入プロジェクトの事業者を兼ねている。特にCNOOCは計画中のものも含め、ほぼ独占的にLNG受入プロジェクトを手がけているCNOOCはLNGの大口の買い手(300万トン/年規模)であることを活かし、比較的安価で生ガス(上流権益)を獲得し、LNGを割安で購入し、安定供給源を確保した。.中国NOC、国外進出の手法(cid:132)LNG購入と上流権益のパッケージディールガス田開発側の視点買い手がつかない場合...プラントが稼動できず、投資回収遅れ、損失が生じるLNGを安値で買い叩かれる...開発事業の採算性若干悪化大口のLNG購入事業の安定稼動3.国外進出に企業の事情CNPC、Sinopecは最近アフリカに積極的に進出89国内製油所は、中東原油処理能力不足政府借款に伴うアンゴラ石油鉱区取得軽質・低硫黄原油確保姿を変えた原油長期購入契約アフリカ原油は、スポット取引主流.国外進出に企業の事情10・石油消費量増大、不安定な中東情勢、油価の高騰などにより、政府の石油の安定供給に対する懸念強まる⇒国策として企業の国外進出奨励・政府上層部に石油業界出身者が多く、企業の視点・戦略による国外進出を強力にサポート(cid:132)主な石油業界出身閣僚温家宝首相(元地質鉱産部次官)呉儀副首相(石油学院精製化卒)周永康共産党政治局員(閣僚級:元CNPC総経理)4.まとめ11(cid:190)中国NOCにとって、国外における探鉱開発投資は、国内事業より投資対象として魅力的(cid:190)欧米企業に比べ、国外進出後発の中国NOCは、契約獲得のため様々な手段を使う(cid:190)国外進出は概ねNOCの視点、戦略に基づいて決まり、石油業界出身者である政府上層部はこれを強力にサポート\1:中国NOCの主な進出地域(2003年以降) アジア・太平洋 ロシア・中央アジア 中東 アフリカ 中南米 オーストラリア アゼルバイジャン シリア アルジェリア エクアドル (フィリピン) カザフスタン サウジアラビア ナイジェリア ペルー ミャンマー (ロシア) オマーン (イラン) (ブラジル) アンゴラ スーダン ガボン モーリタニア マリ モロッコ チャド ():入札参加あるいは交渉中 図1:西アフリカ原油の輸出先(2003年) 日本3%中国9%豪州0.1%アフリカ3%その他アジア・太平洋20%米国39%カナダ1%欧州20%中南米5% Source:BP統計をもとに作成 図2:中国地域別原油輸入シェア推移 80%70%60%50%40%30%20%10%0%1991年1993年1995年1997年1999年2001年2003年Source:China OGPをもとに作成 中近東アフリカアジア・太平洋圏ロシア・中央アジア欧米 \2:NOCが行った主な国外資産買収(2002年) 取得時期 国名 NOC 備考 2002年 アゼルバイジャCNPC EBRD(欧州復興開発銀行)から操業会社Salyan 3月 ン Oil権益30%を52百万ドルで買収。 2002年11月,Delta Hessから同権益20%を14.5百万ドルで買収。 2002年 オマーン CNPC Mazoon Petroleum子会社Petrogas 株式の100%7月 を50百万USドルで取得(CNPC香港,CNODC各50%)。 2002年 インドネシア PetroChina Devon Energyの権益を216百万USドルで買収。4月 2003年4月,Amerada HessのJabung鉱区権益30%のうち15%を82百万USドルで取得。Jabung鉱区の権益比率は30から45%へ。 2002年 インドネシア CNOOC Repsol-YPFから現地操業会社及び権益を585Ltd. 百万USドルで買収。 2002年 インドネシア CNOOC TangguhプロジェクトPS権益の12.5%を275百万 Ltd. USドルでBPから買収 2002年 オーストラリア CNOOC NWSプロジェクトCLNGのJV権益25%(NWS全Ltd. 体の5.56%)を320百万USドルで取得 2002年 チュニジア,オマSinochem Atlantis社を ーン,UAE 105百万USドルで買収 合計 17億4千8百万ドル 各種資料にもとづきJOGMEC作成
地域1 アジア
国1 中国
地域2
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地域6
国6
地域7
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国8
地域9
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国10
国・地域 アジア,中国
2004/11/17 竹原 美佳
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