ページ番号1006672 更新日 平成30年2月16日

鋼材費の値上がりによる建設費増加に苦しむ GTL プロジェクト及び GTL に関する新たな動きについて

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レポートID 1006672
作成日 2005-01-12 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 セミナー・報告会資料
分野 技術非在来型
著者
著者直接入力 鈴木 信市
年度 2004
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 0鋼材費の値上がりによる建設費増加に苦しむGTLプロジェクト及びGTLに関する新たな動きについて石油・天然ガス調査グループ:鈴木 信市平成17年1月12日要旨1? 鋼材費の値上がり等により、現在計画されているGTLプロジェクトの建設費が増加し、スケジュール遅延が起こっている。? 一方、ExxonMobilは、2004年12月、自社が持つGTL特許の使用ライセンスをSyntroleumに供与する契約を締結した。GTLのビジネスチャンスを拡大する新たな動きとして注目される。? また、アルジェリアのSonatrachは、2004年12月、上流開発と統合したGTLプロジェクトの計画を発表した。2005年初めにテンダーにかける予定という。嵩燉e21.GTLプロジェクトのCAPEX上昇・スケジュール遅延2.ExxonMobilのSyntroleumへのGTL特許使用権許諾3.アルジェリアのGTLプロジェクト計画・カタールのSasolのOryxプロジェクトの生産時期は、当初の2005年末から2006年に公式に変更・ナイジェリアのSasolChevronのGTLプロジェクトの生産時期は、EPC契約の遅延から計画の2007年は不可能。生産時期の推定は困難・カタールのShellのPearlプロジェクトが2009年生産時期となるためには、2005年に最終投資判断が必要状況 現在 計画数量 (単位:千B/D)当初 時期最終時期(年) (年) 南アSasol 南アPetroSA マレーシアShell カタールSasol 生産中 生産中 生産中 建設中 ナイジェリアSasolChevron FEED終了 カタールShell EPCビット計画FEED実施中 カタールExxonMobil プレFS終了 FEED計画中 カタールConocoPhillips 意向表明 カタールSasolChevron 意向表明 カタールMarathon 意向表明 (イラン)Shell 構想 1503015 34347015480130602006200720092011200920102008 100 34 140 154 160 130 120 (70)N.A.(140) 2009 2007 2009 2011 N.A. 2010 N.A. N.A. 195632 978 既存 新規・可能性 合計 1. GTLプロジェクトのCAPEX上昇・スケジュール遅延(1/6)主要プロジェクトからのGTL供給計画3P. GTLプロジェクトのCAPEX上昇・スケジュール遅延(2/6)現在のGTLの中心地であるカタール4・カタールには、現在6つのGTLプロジェクト計画があり、GTLの中心地・もし、現在のカタールのGTL計画がスケジュールどおり全て実現すると2015年頃のGTL生産量は80万B/D。・全てのGTLプロジェクトは、推定可採埋蔵量900TCFというNorth Fieldのガスを利用・GTLプラントの建設場所は、RasLaffan工業地帯・North Fieldと同一のガス田であるイラン側のSouth Pars Fieldを利用したGTLプロジェクト構想も生起しつつあり・RasLaffan工業地帯に対応するイラン側の工業地帯はAssaluyeh1. GTLプロジェクトのCAPEX上昇・スケジュール遅延(3/6)カタールの主要なGTLプロジェクト概要5プロジェクト名 QP/Sasol Oryxプロジェクト Shell Pearlプロジェクト ExxonMobil GTLプロジェクト ガス田オペレータ ExxonMobil GTLプラントへのプラント渡し ガス供給方式 Shell ExxonMobil Shellは、上流開発から入る ExxonMobilは、上流開発から入る GTLプラントへの330MMCFD 1,600MMCFD(第1~2期合計の生産量) 1,800MMCFD ガス供給量 プラント場所 Ras Laffanコンビナート ← ← GTL事業者 QP51%/Sasol49% Shell ExxonMobil GTL プロセス構合成ガス:ATR(Topsoe) 合成ガス:無触媒部分酸化(Shell) 合成ガス:ATR(ExxonMobil) 成 FT合成:Co系触媒スラリー床反応器(Sasol)FT合成:Co系触媒固定床反応器(Shell) FT 合成:Co 系触媒スラリー床反応器水素化分解(Chevron) 水素化分解(Shell) (ExxonMobil) 水素化分解(ExxonMobil) 生産規模 34,000b/d 140,000 b/d(第1~2期合計の生産量) 154,000b/d 稼動時期 2006年 現在のプロジェクEPC トの段階 第1期:2009、第2期:2011 2011 2003年末:プレFS終了 2004年中旬:プレFS終了 2004年初めよりFEED実施中 GTL投資金額 898-932百万ドル(一説には950百万ドル) 5,000-6,000百万ドルの一部 7,000百万ドルの一部 製品 ディーゼル:24,000 b/d ナフサ:9,000 b/d LPG:1,000 b/d 輸送用燃料:40% ナフサ:40% 軽油:50% 潤滑油基油:20% その他(潤滑油基材、界面活性剤原料):20% ナフサその他:30% 上流事業 GTL事業 (Shell社パンフレットPearl GTL Projectより転載)P. GTLプロジェクトのCAPEX上昇・スケジュール遅延(4/6)ShellのPearl GTLプロジェクトのスケジュール6Shellの今後のスケジュール-FEED2004年3月-2005年5月-EPC契約テンダー 2005年5月-2006年初め-EPC3年程度-生産開始2009年(Shell社パンフレットPearl GTL Projectより転載)Shellの最終投資判断が、鋼材費高騰の動向予測が困難な2005年に可能かが、プロジェクトをon scheduleで実施できるかのポイント1. GTLプロジェクトのCAPEX上昇・スケジュール遅延(6/6)まとめ及び分析7? 鋼材費の値上がり等から、計画されているGTLプロジェクトのCAPEX上昇・スケジュール遅延が起こっている。? スケジュール???Sasol カタールOryxプロジェクト:生産開始 2005末→2006年(公式アナウンス)Shell カタールPearlプロジェクト:2009年に生産開始となるための最終投資判断が2005年にできるか、微妙な情勢SasolChevron ナイジェリアGTLプロジェクト:2007年生産開始という予定は大幅に遅延?CAPEX?Shell カタールPearlプロジェクトのCAPEXは、FEED途中の段階で、Pre-FEED段階の50億ドルという数字を、50-60億ドルに修正2.ExxonMobilのSyntroleumへのGTL特許使用権許諾(1/6)内容?2004年12月、 ExxonMobilは、ExxonMobilのGTL特許の全世界での使用権をSyntroleumに供与する契約を締結した。?本契約の中には、Syntroleumのライセンス授与者(Marathon等)がSyntroleumと同条件でExxonMobilのGTL特許を使用する権利も許諾されている。?以上によって、Syntroleum及びSyntroleumのライセンス授与者は、ExxonMobilの技術を用いてGTLプラントを建設したり・製品を販売したりする権利を持つこととなる。2.ExxonMobilのSyntroleumへのGTL特許使用権許諾(2/6)ExxonMobilの技術9??GTL研究開発の歴史?ExxonMobil(前身のExxon)は、過去20年に渡りGTLプロセスの研究開発を推進? 研究に要した費用:6億ドル? 取得した特許:3,500件以上? 特許は、触媒・プロセス・製品の広い分野にわたる開発プロセス? 名称:AGC-21(Advanced Gas Conversion Technology for 21stCentury)? プロセス構成(全てExxonMobil の独自技術)? 合成ガス製造:ATR?? 水素化分解FT合成:スラリー床反応器 Co系触媒Q.ExxonMobilのSyntroleumへのGTL特許使用権許諾(3/6)Syntroleumの技術・プロジェクト10??SyntroleumのGTL技術?酸素ではなく・空気を利用するGTLプロセス?比較的小規模(1万B/D程度)でメリットを発揮するプロセスSyntroleumのGTLに対する取り組み?パイロットプラント実験70B/D規模?? Marathon, DOEとともに実施?主要プロジェクト? ナイジェリア:2万B/Dバージ型GTL計画? PNG:Oil? ロシア:GazpromとともにGTL建設候補地12サイトを検討し・2サイトをSearchと共同でFS実施有望地として選定2.ExxonMobilのSyntroleumへのGTL特許使用権許諾(4/6)ExxonMobilのメリット11?ExxonMobilは、GTLのライセンス供与には、ExxonMobilにとっては次の3つの利点があると表明?特許侵害に対する訴訟の回避?ライセンスフィーによる利益?GTLプロジェクトの実施機会の拡大及びそれによる地球環境改善Q.ExxonMobilのSyntroleumへのGTL特許使用権許諾(5/6)12??分析(その1)ExxonMobilはかねてから、GTL研究・GTLプロジェクトを実施している企業・機関を特許侵害で訴えるとともに、このような企業・機関に、特許侵害訴訟を回避するためとして、ExxonMobilのGTL特許のライセンス契約を締結することを提案していた。今回は、ExxonMobilのこのようなGTL戦略が効を発したものといえる。Syntroleumは、自社の空気を用いるGTLプロセスの開発を放棄する意向はない。それにもかかわらずSyntroleumがExxonMobilのGTL特許の使用権を持つ契約を締結した最も大きな理由は、GTLの製品化の技術に関する技術開発戦略に関係する、と推定する。GTLを販売できる製品(ナフサ、灯油・ジェット燃料、軽油、潤滑油基油、ノルマルパラフィン等)にするには、天然ガスをGTL化した後に処理する技術を持たねばならない。ExxonMobilは、GTLの製品化に多くの特許を持つため、Syntroleumが今後GTL製品化技術を独自に開発していったとしても、ExxonMobilの特許を侵害する可能性が大きい。このようなリスクを犯すよりも、ExxonMobilのGTL特許のライセンスを受けた方が、Syntroleumとしてメリットが大きい、と判断したのではないか。2.ExxonMobilのSyntroleumへのGTL特許使用権許諾(6/6)分析(その2)13? かつては、SyntroleumやRentechのベンチャー企業の技術を除き、GTL技術のライセンスは不可能であるといわれていた。現在は、GTL関係企業の中で、BPは自社のGTL特許のライセンス供与にオープンであり、Sasolも自社のGTL特許のライセンスは絶対不可能とのかつての立場を和らげている。今回、ExxonMobilが自社のGTL特許の使用ライセンスをSyntroleumへ供与したことは、今後、GTL技術を持たない・あるいはより強固な技術にしたいと考える企業が、GTLビジネスに入るためのオプションをさらに広げるものといえる。GTLの特許侵害に対するExxonMobilの動きには、今後とも、十分注意を払う必要がある。?燉e3.アルジェリアのGTLプロジェクト計画(1/2)14? アルジェリアのSonatrachは、2004年12月、上流開発と統合したGTLプロジェクトの計画を発表? プロジェクト概要? ガス田:Tinrhertfieldのウェットなガス田(ガス埋蔵量4.24TCF)? GTL部分の計画:290MMCFDの天然ガスから3万B/DのGTLを生産? 統合プロジェクト全体の権利のうち、Sonatrachが30-35%のプロジェクトの権利を保有?Sonatrachはパイプラインインフラを提供2005年初めにテンダーにかける予定?? 今回の上流開発と統合したGTLプロジェクトという概念は、2004年12月2日、Repsol YPF、Gas Natural、Sonatrach間で合意した上流開発を統合したアルジェリアGassiTouilLNGプロジェクトを参考に提案されたもの3.アルジェリアのGTLプロジェクト計画(2/2)分析15? 計画内容にあるGTLプラントの規模は、SasolのカタールOryxプロジェクトより小さいプラントである。スケールメリットの追求は困難となっている。プロジェクト実現には、ウェットなガス田の副産物であるLPG・コンデンセートでの利益確保がポイントとなる。? 更に、完工リスクに大きな影響を及ぼすローカルコンテントや、採算性に影響を与える税制等の財務条件も、本プロジェクトの魅力を左右する。? アルジェリアは、大消費地である欧州に天然ガスをパイプライン・LNGで供給しており、したがって、ガス田は、既存のパイプラインにつなぎこむことができれば、Stranded gasとはならない。このように、アルジェリアには、生ガスで販売できるという選択肢が存在するため、カタールのように、大消費地から隔離され・大消費地に対してはLNGしか選択肢の無いカタールとは、GTLの価値・実現の動機・実現可能性に大きな違いがある。アルジェリアでのGTLというコンセプトは、自国の天然ガス利用のオプションを広げておくことにより、生ガス・LNGのバーゲニングパワーを強める価値を有する、と考える。
地域1 グローバル
国1
地域2
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地域3
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地域4
国4
地域5
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地域6
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地域7
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地域8
国8
地域9
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地域10
国10
国・地域 グローバル
2005/01/12 鈴木 信市
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