英国：LNG 輸入大国へ変身？ ―カタールガスII、TPA の動向含む―

ページ番号1006674 更新日平成30年3月5日

英国：LNG 輸入大国へ変身？　―カタールガスII、TPA の動向含む―

レポート属性
レポートID	1006674
作成日	2005-01-12 01:00:00 +0900
更新日	2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ	1
媒体	セミナー・報告会資料 4
分野	天然ガス・LNG
著者
著者直接入力	齊藤　晃
年度	2004
Vol	0
No	0
ページ数
抽出データ	英国：LNG輸入大国へ変身？～カタールガスⅡ、TPAの動向含む～平成17年1月12日石油・天然ガス調査G齊藤晃報告内容■英国の天然ガス事情01-①2006年頃、ガス純輸入国へ（北海ガス田の成熟化）、LNG受入基地計画・パイプライン新設or拡張計画②2010年頃の不足量予測：350億ｍ3～650億ｍ3[ＬＮＧ換算：約2,500万ｔ～4,600万ｔ]■South Hook LNG受入基地の概要、懸案のTPA解決へ一歩前進■世界最大LNGプロジェクト・カタールガスⅡの動き■英国における天然ガス供給過剰の可能性について■英国でのLNG導入にあたっての主な課題■まとめp国の天然ガス事情■天然ガス純輸出国（2003年）約75億m3（輸出：約150億m3、輸入：約75億m3）（生産：約1,025億m3、消費：約950億m3）■世界第3位の天然ガス消費国（2003年）953億m3⇔日本：765億m3■北海ガス田の成熟化、需要の増加⇒2006年にも天然ガス純輸入国へ天然ガス需給GAP予測（2010年頃）需要量供給量①②：115～130bcm：65～80bcm23不足量①-②：35～65bcm[LNG換算：約2,500万t/年～4,600万t/年]（出所）BG等各種資料により筆者作成LNG受入基地計画、パイプライン新設or拡張計画、相次ぐ p国のLNG受入基地（計画）、ガスパイプライン（計画）（出所）JOGMEC作成資料South Hook LNG受入基地概要、TPA問題前進45<South Hook受入基地概要>構成場所稼動開始投資額受入能力契約予定販売先価格LNGタンカー 209,000m3～216,000m3（現在12万m3～13万m3台中心）ExxonMobil、Qatar Petroleum（QP）Milford Haven（ウェールズ南西部）2007年末11億米ドル第1フェーズ：780万ｔ/年（2007年末）、第2フェーズ：1,560万ｔ/年（2009年末）カタールガスⅡと、25年契約（2002年6月、HOA[意思確認書]締結）英国等（ExxonMobil Gas Marketing Europe[ExxonMobil 100%出資]を通して）NBP（英国ガス・スポット価格）リンク予定●TPA（サード・パーティ・アクセス）問題が前進 ⇒改正EUガス統一指令：LNG受入基地のTPA適用を規定 ⇒11月末：Ofgem（英国ガス電力規制局）、South Hook受入基地のTPA免除を正式決定 ⇒英国でのLNG基地建設へ前進　 ※米国：2002年12月に、FERC(連邦エネルギー規制委員会）はLNG受入基地に対するオープン　　アクセス政策を適用しない旨の決定を行なった。これによりLNG受入基地の投資が容易になった。7カタールガスⅡプロジェクト構成稼動開始予定生産規模ガス田埋蔵量総費用液化基地受入基地LNGタンカーExxonMobil、Qatar Petroleum2007-08年1,560万t/年(780万t/年×2）North Field約900TCF（対象は、26TCF）120億ドルRas Laffanコンビナート内英国：South Hook（Milford Haven）209,000m3～216,000m3（現在12万m3台～14万m3台中心）カタールのLNG事情●膨大な埋蔵量（North Fieldガス田：900TCF）－2010年、世界第1位のLNG輸出国を目指す（天然ガスのサウジアラビア、現在世界第4位）。●規模の経済性 ⇒ コスト競争力例）カタールガスⅡ：世界最大LNGプロジェクト－1,560万t/年（780万t/年×2）、20万m3超タンカー●地理的な優位性（LNGハブ）－欧米のみならずアジア太平洋LNG市場も（日本[袖ヶ浦]約6,600マイル ⇔ ベルギー[Zeebrugge]約6,300マイル、米国[Cove Point]約8,500マイル転売などのLNG取引の活発化により、アジア太平洋LNG市場にも影響する可能性あり　－LNGトレーディング（市場価格差を利用した裁定取引等）活発化　－取引活発化による価格フォーミュラへの影響 p国のLNG受入基地の概要8プラントサイト会社および参加者使用開始予定受入能力（百万t/年）備考① Isle of GrainNational Grid Transco20053.3②③South Hook（MilfordHaven）Qatar Petroleum（QP)ExxonMobilDragon LNG（MilfordHaven）BGPetronas（マレーシア）Petroplus（オランダ）20072007①7．8（第1フェーズ、07年末）②15．6（第1フェーズ、09年末）4.4・（使用権）BP、Sonatrach（アルジェリア）・ピークシェービング施設を改良・10.5百万t/年へ増強計画あり・供給元（予定）：アルジェリア他・両社が推進するカタールガスⅡより受入予定　（2002年6月、HOA[意思確認書]締結）・（使用権）BG、ペトロナス・Petroplusが自社の石油製油所への建設を計画・6．6百万t/年まで拡張可、第2フェーズ(2012）8.8百万t/年予定・供給元(予定）：エジプト他・ペトロナスとCentrica、約2.2百万t/年販売で合意（2007年から15年間）受入能力2007年末 1,550万t/年2009年末 2,330万t/年（注）Isle of Grain拡張計画、Dragon拡張計画除く供給過剰？9●2010年頃の英国ガス輸入受入能力（予測）LNGパイプラインIsle of Grain、South Hook、Dragon約① Langeled P/L② インターコネクター P/L 約③ BBLパイプライン約受入能力（LNG換算）備考2,330万t3計画基地合計1,400万ｔ1,650万ｔ700万ｔ～1,260万ｔ20bcm23.5bcm10～18bcm合計約,6080～6,640万ｔ⇒供給過剰？（米国LNGと同様？）英国の天然ガス必要量（2010年）不足量：LNG換算約2,500万ｔ/年～約4,600万ｔ/年 (35ｂｃｍ～65bcm)（注）パイプラインガスの数字[bcm]、英国の天然ガス必要量については、BG予測に基づき筆者作成NG導入にあたっての主な課題■パイプラインガスとの競合10■市場価格（NBP）リンクによるvolatilityの高さ■熱量管理問題■仕向地変更の柔軟性少（大型LNG船の場合）まとめ11●英国は、北海ガス田の成熟化、需要増大により、2006年にも天然ガス純輸入国となる見込み。今後、LNG輸入大国となる可能性がある。懸案となっているLNG受入基地のTPA（サード・パーティ・アクセス）の問題も目処が立ちそうである。●South Hook受入基地の供給元である、カタールガスⅡは世界最大のLNGプロジェクトであり、豊富な埋蔵量、規模の経済を生かしたコスト競争力を武器にしている。輸送に関しても、20万m3超のLNG船が使用される予定であり、強いコスト競争力を保有する。世界のLNG市場にとっても画期的な動きであり、LNGトレーディング、価格フォーミュラ等において、アジア太平洋LNG市場にも影響を及ぼす可能性がある。●英国において、いくつかのLNG受入基地・パイプラインの新設or拡張が計画されているが、2010年において供給過剰の可能性がある。また、今後英国でのLNGを推進するにあたっては、パイプラインガスとの競合の他、市場価格リンクによる価格volatilityの問題、熱量管理問題、次世代大型LNG船立ち上がりによる実質的な仕向地制限の問題等の課題が考えられる。
地域1	欧州
国1	英国
地域2	中東
国2	カタール
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域	欧州,英国中東,カタール

2005/01/12 齊藤　晃

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