急変する GTL 投資
レポートID | 1006703 |
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作成日 | 2005-05-18 01:00:00 +0900 |
更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
公開フラグ | 1 |
媒体 | セミナー・報告会資料 4 |
分野 | 技術非在来型 |
著者 | |
著者直接入力 | 鈴木 信市 |
年度 | 2005 |
Vol | 0 |
No | 0 |
ページ数 | |
抽出データ | 急変するGTLGTL投資投資急変する平成17年5月18日調査部鈴木 信市要旨(その1)要旨(その1)(cid:122)2005年4月、GTLプロジェクトに関する3つの大きな動きがあった。(cid:122)カタールのアティアエネルギー大臣は、同国が進めていた3つのGTLプロジェクトを、より責任ある資源保護の観点から、最大3年遅延させると発表。対象プロジェクトは、ConocoPhillips, Marathon, 新規SasolChevronのGTLプロジェクト。(cid:122)本発表の背景には、同国においてLNGプロジェクトとGTLプロジェクトとを同時平行で進めることの困難さが認識され、よりプロフィットの大きいLNGプロジェクトを優先するというカタールの決断があったもの、と推定される。12v旨(その2)要旨(その2)(cid:122) ナイジェリアのEGTLのオーナー(Chevron Nigeria Ltd., NNPC)は、EPCコントラクターとして、JGC、KBR、Snamprogettiよりなるコンソーシアムを選定。実施が危ぶまれていたプロジェクトが動き出すこととなった。建設費は17億ドル。GTLの生産開始は、当初計画より2年遅延し、2009年初めの見込み。(cid:122) 常識的には採算性の乏しいGTLプロジェクトをChevronが進める決断をした理由は、油価が高いうちに原油生産を確保する目的があったもの、と推定される。すなわち、Chevronは、原油生産に伴い生産される随伴ガスを処理する装置の一つとしてGTLを選択し、原油生産と合わせて、ナイジェリアの事業全体として利益のマキシマイズを図っているもの、と考える。要旨(その3)要旨(その3)(cid:122)アルジェリアのSanatrachは、上流開発と統合したGTLプロジェクト計画のオープンビットを開始すると発表。事業者決定は、本年12月の予定。GTL生産量は、3.6万B/D。(cid:122)アルジェリアのガス価(生産コスト・輸送コスト)は高く、GTL生産規模もスケールメリットを追求できるほどの大きさではないことから、GTL事業そのものは魅力に乏しいと考えられる。上流事業の魅力が、有力な会社からのプロポーザルを引き出すためのポイントとなる。34.0.主要プロジェクトからの主要プロジェクトからのGTLGTL供給予想供給予想状況 現在 計画数量 (単位:千B/D) 南アSasol 南アPetroSA マレーシアShell カタールSasol 生産中 生産中 生産中 建設中 150 30 15 カタールShell ナイジェリアChevron カタールExxonMobil EPCコントラクター決定 FEED終了 間近 プレFS終了 FEED計画中 カタールConocoPhillips 意向表明 意向表明 カタールSasolChevron意向表明 カタールMarathon 提案者募集 アルジェリア Sonatrach 構想 (イラン)Shell 195 ・カタールの3つのプロジェクトは、最大3年の遅延が決定。・ナイジェリアChevronのGTLプロジェクトの生産時期は、2007年から2009年初めに変更・アルジェリアは、本年12月に事業者決定後、6年目にGTL生産開始の予定。当初 最終時期(年) 時期(年) 34 34 70 2006 第1Q2009 初め 2009154 20112012 2013 2011 2011 N.A.80 130 60 36 (70) 668 1002009 N.A. 2011 ← N.A. ← N.A. 2011 N.A. 10014015416013012036(140)1080 1. 1. カタールのカタールのGTLGTLプロジェクトプロジェクト2005年年44月月 アティアエネルギー大臣発表内容アティアエネルギー大臣発表内容2005(cid:122)2005年4月、カタールのアティアエネルギー大臣は、同国が進めていたGTLプロジェクトを、より責任ある天然ガス資源の管理の観点から、最大3年遅延させると発表(cid:122) 遅延させるとして、ノミネーションされたのは、次の3つのプロジェConocoPhillipsクト?? Marathon? 新規SasolChevron(Oryx-3)(cid:122) その他の以下のGTLプロジェクトには、影響は無い、という。????Sasol Oryx (Oryx-1)SasolChevron Oryx拡張 (Oryx-2)PearlShellExxonMobil56 既存 新規・可能性 合計 81.1.カタールのカタールのGTLGTLプロジェクトプロジェクトShellののPearl GTL ProjectPearl GTL ProjectShell(Shell社パンフレット載)Pearl GTL Projectより転Shellは、本プロジェクトの最終投資判断時期を、鋼材費高騰の動向予測が困難なことを理由に、当初予定の2005年から、2006年に変更。しかしながら、2009年の生産開始予定は不変。プロジェクト遂行に何らかの工夫があるか?Shellの当初スケジュール-FEED2004年3月-2005年5月-EPC契約テンダー 2005年5月-2006年初EPC3年程度-生産開始2009年め-1.1.カタールのカタールのGTLGTLプロジェクトプロジェクト分析(その1)分析(その1)(cid:122) カタールがGTLプロジェクトを遅延させると決断した背景には、以下の事情があると推定。? カタールでは、現在、多くのLNGプロジェクト、GTLプロジェクトが提案されている。全て、North Field(可採埋蔵量900TCF)のガスを利用するプロジェクトである。? カタールは、25BCFDの生産を100年間継続したい意向があり、埋蔵量・生産量維持の観点から、ガス関係プロジェクトを整理・検討する必要が出てきた。? また、質の高いベンダー、コントラクター、サブコントラクターは数が限られ、プロジェクト間で取り合いになっている。この面からも、プロジェクトを絞る必要が出てきた。LNGプロジェクトとGTLプロジェクトを比較すると、カタールにより多くのプロフィットをもたらすのはLNGプロジェクトの方である。LNGプロジェクトのマーケットは、当面の間、心配なく確保できる見通し。LNGプロジェクトの遂行には、問題が少ない。??101.1.カタールのカタールのGTLGTLプロジェクトプロジェクト分析(その2)分析(その2)(cid:122) 今回のカタールの決断は、ガスをマネタイズする意欲の高い産ガス国における、LNGプロジェクトと比較した場合のGTLプロジェクトの評価・価値が正直に現れたものと考える。GTLプロジェクトの候補地として最も有望なカタールのGTLプロジェクトのいくつかが遅延することは、GTLの発展の短期的な絵姿の変更を迫るものである。すなわち、GTLプロジェクトは、よりスローペースで進展する。(cid:122)(cid:122) 今回のカタールの決定があるにもかかわらず、企業が認識するGTL候補地としてのカタールの重要性は変わらない。なぜならば、現在のGTL技術は、当面の間、極めて限られた地域にしか適用できない技術であるからである。現時点では、GTLを推進する企業にとって、GTLを適用する地域に関する選択の余地は少ない。(cid:122) 今後のGTLプロジェクトの発展は、ChevronとShellの2大メジャーのGTLプロジェクト実現に対する意欲に大きく依存する。2. 2. ナイジェリアのナイジェリアのGTLGTLプロジェクトプロジェクトGTL Project概要(その1)概要(その1)EscravosGTL ProjectEscravos今回のEPCコントラクターの決定により、長い間ペンディングとなっていたEGTLプロジェクトが稼動することとなった。 Escravos GTL プロジェクト プロジェクト名 天然ガスソース Escravos Gas Project Phase 3 事業者 NNPC 60%、 CNL 40% GTLプラントへのガス供給方プラント渡し 式 GTLプラントへのガス供給量300MMCFD NNPC:Nigerian National Petroleum CorporationCNL:Chevron Nigeria Ltd. (ChevronTexacoの子会社)上流事業 1122. 2. ナイジェリアのEscravosGTL ProjectEscravosナイジェリアのGTLGTLプロジェクトプロジェクト概要(その22))GTL Project概要(そのプラント場所 GTL事業者 GTLプロセス構成 生産規模 稼動時期 現在のプロジェクトの段階 Lagosの南東100km CNL75%/NNPC25% (SasolChevronはライセンサー) 合成ガス:ATR(Topsoe) FT合成:Co系触媒スラリー床反応器(Sasol) 水素化分解:Isocracking(Chevron) 34,000b/D(10年以内に100,000b/Dへの拡張計画あり)2009年初め EPCコントラクター決定 EPCコントラクター JGC、KBR、Snamprogetti (Lump sum Turn Key契約) GTL投資金額 1700百万ドル GTL事業 ファイナンス調達 製品 市場 ChevronTexaco(Sasolもファイナンスの一部負担) ディーゼル:22,100 b/d ナフサ:10,300 b/d LPG:1,600 b/d 主として、欧州を予定 2. 2. ナイジェリアのナイジェリアのGTLGTLプロジェクトプロジェクトEscravosGTL Project EscravosGTL Project 場所場所GTLプラントサイト(現在)GTLプラントサイト(将来)砂による地盤改良がなされている(SasolChevronのHPより転載). 2. ナイジェリアのナイジェリアのGTLGTLプロジェクトプロジェクトEscravosGTL Project EscravosGTL Project 経緯経緯(cid:122)2001.7-2002.4 基本設計?Foster Wheeler(cid:122)EPCコントラクター ビット?入札者は以下の2社(cid:122)JGC,KBR,Snamprogetti連合(cid:122)Technip-Coflexip(cid:122)2005.1 ナイジェリアの大統領アドバイサーは、GTLプロジェクトのキャンセルの可能性を発表?理由:プロジェクト金額が19億ドルにもなっており、同程度のプロジェクトであるOryxプロジェクト(10億ドル)に比べて、高すぎる。132. 2. ナイジェリアのナイジェリアのGTLGTLプロジェクトプロジェクトEscravosGTL Project EscravosGTL Project 分析分析(cid:122)本GTLプロジェクトの投資金額は17億ドル(単位生産能力あたり投資金額5万ドル/b/D)であり、GTL単独プロジェクトとしては常識的には採算性に乏しい。(cid:122)ChevronがこのようなGTLプロジェクトの遂行を決断した理由は、以下と推定する。?当面、原油は高油価で推移する。?Chevronは、ナイジェリアでの原油生産を確保したいが、随伴ガスを処理する装置が少ない。?Chevronは、随伴ガスを処理する装置の一つとしてGTLプラントを建設して原油生産を確保した方が、ナイジェリア事業全体として、利益をマキシマイズできる。14. 3. アルジェリアのアルジェリアのGTLGTLプロジェクトプロジェクト概要概要(cid:122)本年4月、アルジェリア政府・Sonatrachは、Tinrhertフィールドの油ガス田開発を含む統合型GTLプロジェクトのオープンビットの開始を宣言(cid:122)落札者決定は、本年12月を予定(cid:122)プロジェクト概要?油ガス田開発:ウェットガス田・油田開発等?GTLプロジェクト:36,000b/D?予想合計コスト:30億ドル3. 3. アルジェリアのアルジェリアのGTLGTLプロジェクトプロジェクト上流開発対象油ガス田上流開発対象油ガス田(cid:122)Tinrhertフィールド?対象ガス田:17フィールド?対象新油田:7フィールド?既開発生産6油田からのフレアガス回収(cid:122)予想埋蔵量?ガス:5.3TCF?LPG:155m3/MMm3?コンデンセート:186m3/MMm3?原油:37MMm3(cid:122)探鉱の結果、埋蔵量が不充分の場合には、Tinrhertフィールドの未開発ガス田をプロジェクト対象として、追加する。1516. 3. アルジェリアのアルジェリアのGTLGTLプロジェクトプロジェクト陸上設備計画陸上設備計画(cid:122)ガス関係?集積システム?パイプライン?ガス処理プラント(cid:122)コンデンセート抽出プラント(cid:122)LPG抽出プラント?GTLプラント(36,000b/D)(cid:122)新規油田関係?パイプライン?原油処理設備(cid:122)成熟油田関係?随伴ガス回収装置173.3.アルジェリアのアルジェリアのGTLGTLプロジェクトプロジェクト(cid:122)アルジェリアのGTLプロジェクトに、誰がプロポーザ分析分析ルを出すか、注目される。(cid:122)GTLプロジェクトそのものとしては、魅力に乏しい。?アルジェリアのガス価は、カタール、ナイジェリアに比べて高い。(cid:122)生産コスト(cid:122)輸送コスト(ガス生産とGTLプラントの距離が大)?GTLプラントの規模は、スケールメリットを追求するには、比較的小さい。(cid:122)パッケージである上流事業がどの程度魅力的かが、有力企業からのプロポーザル提出の有無を左右する。(cid:122)GTLメジャーズとして、プロポーザル提出の可能性が18あるのは、Chevron(Sasol)か? |
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