ページ番号1006705 更新日 平成30年2月16日

イラク:ウルーム氏が移行政府石油相に就任 当面の石油政策とその見通しは?

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レポートID 1006705
作成日 2005-06-16 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 セミナー・報告会資料
分野 探鉱開発
著者 猪原 渉
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年度 2005
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ イラク: ウルーム氏が移行政府石油相に就任当面の石油政策とその見通しは?2005/6/16調査部猪原 渉ウルーム氏が移行政府石油相に就任ウルーム氏が移行政府石油相に就任(cid:122)イブラヒム・バフルアル・ウルーム氏が石油相「再登板」?元暫定政府石油相(在任03/9~04/5)(cid:122)ウルーム氏選出までの経緯?国民議会選挙(2005年1月30日)実施後、閣僚ポストの配分を巡り、各派(シーア、スンニ、クルド)が3ヶ月に及ぶ協議?特に政治的価値の高い石油相ポストを巡り激しい攻防?第2党「クルド同盟」(クルド2大政党KDPとPUKの連合会派)が石油相ポストの割当を要求するも、第1党「統一イラク同盟」(シーア派連合会派)が拒否?4月28日に議会承認された移行政府閣僚リストでは石油相は空席。アハマド・チャラビ副首相が「石油相代行」兼任?5月8日、追加閣僚リストが議会に提出・承認され、ようやくウルーム氏の石油相就任決定12Eルーム氏のプロフィールと評価ウルーム氏のプロフィールと評価(cid:122) ウルーム氏プロフィル? 元亡命イラク人(1976~2003)。父がシーア派有力聖職者。チャラビ氏と近い関係(cid:122) 「政治的人選」との批判つきまとうが、前回在任時の評価は決して低くない? 石油関連キャリア豊富(ニューメキシコ大石油工学博士、クウェート石油省勤務、英国石油会社コンサルタント)? 前回は石油相テクノクラートと良好な関係維持に腐心。? 今回は首相、副首相が全面支援。政治的パワーのなかったガドバン前石油相よりも、スムーズな政策遂行が可能?(cid:122) ガドバン前石油相は皮肉にも政治的「色」がついたため再任されず?(アラウィ前首相派「イラクリスト」より当選も、野党に)? 統合国営石油会社(INOC)(年内設置?)初代トップへの就任取り沙汰3イラク国民議会選挙(2005イラク国民議会選挙(2005年年11月月3030日)開票結果日)開票結果名称<概要>統一イラク同盟<シスターニ師主導のシーア派連合>クルド同盟<2大クルド政党の連合会派>イラク・リスト<アラウィ首相率いる世俗的シーア派>イラク人のリスト<ヤワル大統領(スンニ派)率いる会派>その他(8会派)合計議席得票率(%)48.1914025.7375405主な当選者(順位)(役職は1月30日選挙時点のもの)ハキームSCIRI党首(1位)、ジャアファリ副大統領(ダアワ党党首)(2位)、チャラビINC党首(10位)、ウルーム前石油相(49位)タラバーニPUK党首(1位)、シャーウィース副大統領(KDP)(2位)、サレハ副首相(PUK )(7位)13.82アラウィ首相(INA党首)(1位)、ガドバン石油相25位)(1.78ヤワル大統領(1位)1527510.481004Cラク移行政府(2005イラク移行政府(2005年年55月正式発足)の主な顔ぶれ月正式発足)の主な顔ぶれ大統領ジャラール・タラバーニクルド同盟(PUK)副大統領アーディル・アブドゥルメフディ統一イラク同盟(SCIRI)副大統領ガージー・アル・ヤワルイラク人のリスト(前大統領)首相イブラヒム・アル・ジャアファリ統一イラク同盟(ダアワ党)副首相アハマド・チャラビ統一イラク同盟(INC)副首相ロウシュ・アル・シャーウイーズクルド同盟(KDP)石油相イブラヒム・バフル・アル・ウルーム統一イラク同盟56末ハの政治課題(憲法草案制定とクルド問題)①当面の政治課題(憲法草案制定とクルド問題)①(cid:122) イラクの今後の政治スケジュール? 議会が憲法草案起草? 憲法承認の国民投票? 新憲法下で総選挙? 本格政府が発足2005/8/15まで2005/10/15まで2005/12/15まで2005/12/31まで(cid:122) 当面、最大の政治課題は議会による憲法草案の策定。石油開発と密接に関連するクルドの要求(後述)を巡り、各派の早期合意形成は困難な情勢。上記スケジュールは延長(基本法規定上、最大6ヶ月まで)の可能性高い(→本格政府発足は2006年6月?)(cid:122) 「草案策定協議が決裂」「草案が国民投票で否決」とのケースも想定され、本格政府の実現が遠のく恐れも(cid:122)当面の政治課題(憲法草案制定とクルド問題)②当面の政治課題(憲法草案制定とクルド問題)②憲法草案の議論におけるクルド要求の取扱いは、今後の石油開発動向にも影響大①連邦制の実施(憲法への明記)②クルド域内石油資源がクルド地域政府に帰属③域内石油収入のクルド政府への適正配分の実施④キルクーク市及び同油田のクルド側への編入?クルド要求が認められた場合、石油開発の契約主体が中央政府から地方政府に移ることも予想され、特に北部開発に関心のある石油会社としては十分推移を注視する必要がある(cid:122)(cid:122)クルドは上記要求実現の「担保」として、石油相ポストを要求最近、クルドは、石油行政の意思決定への関与を強める。(Akram石油省次官(クルド人)の影響力大)?北部油田の技術協力契約締結時はクルド地方政府が優先的に交渉(その後に石油省が交渉・契約)するとの方針決定(Woodside、Western OilSand、DNOとの技術協力契約に適用)78末ハのイラク石油政策の課題①イラク石油政策の課題①当面の“Fight corruption and raise production capacity”(ウルーム新石油相が掲げる標語)(cid:122) 主要課題?パイプライン等石油関連設備の治安向上?石油省職員の汚職追放?原油生産・輸出の拡大?石油製品(ガソリン等)の安定供給確保?統合石油会社(INOC)の設立(cid:122) 上記課題は、新規開発油田への参入を狙う上流企業にとって、直接のビジネスチャンスにつながるものではないが、これらの短期的優先課題が解決しなければ、新規開発の開始は更に遠のくとみられ、動向を注視しておく必要がある9当面のイラク石油政策の課題②イラク石油政策の課題②当面の(cid:122) 石油省職員の汚職追放? ガソリン(輸入率57%)を職員がブラックマーケットに横流しするケースが横行→燃料不足にも拍車、国民の批判拡大(cid:122) 「石油収入拡大に向け輸出を175万b/dに引き上げ」? 最近の実績 生産量:180万b/d、輸入:140万b/d程度? 破壊活動のため北部ルート(トルコ向けP/L)からの輸出は依然ほぼゼロ? 最近、南部の生産・輸出も減少傾向メンテパーツ調達不足→生産減少→輸出減少(計画未達)→高額な滞船料の支払い→パーツ調達資金のショート、という悪循環。05下期ターム契約の数量減(cid:122) 石油製品の安定供給確保? 製油所の修理、新設を実施。バスラ~イランAbadan製油所間P/L構想も浮上(cid:122) 統合石油会社(INOC)の年内設立? 石油省とINOCの機能分担の明確化を図り、石油行政の効率化および外国石油企業との交渉体制の強化を目指す10ナ近のイラク上流関連の動き最近のイラク上流関連の動き(cid:122) フセイン政権時代の契約・交渉案件の契約内容精査のための閣僚委員会を設置? 西クルナ(Lukoil)、マジヌーン(Total)、ナシリヤ(Eni、Repsol)、アフダブ(CNPC)等の開発契約が対象? ジャアファリ首相直属の組織。調査結果は国民議会に報告、提案を行う? 法的有効性が認められれば、旧契約が先行実施される可能性があるが、現時点では早期結論は困難な見通し? 西クルナ開発契約の取扱いは(cid:122) 外国石油会社と締結した技術協力契約(イラク国外で実施する油田スタディ、イラク人技術者への教育・訓練の提供等)は30件以上に(cid:122) 近く、南部ハルファヤ(Halfaya)油田で入札実施との情報あるが、詳細不明11Cラクの主要未開発油田 油田名 発見年 可採埋蔵量生産状況 生産能力 マジヌーン 1977 121 億bbl未開発 60 万b/d1973 113 億bbl一部生産中 80 万b/d西クルナ (フェーズ2) ビンウマール 1949 63 億bbl一部生産中 45 万b/dハルファヤ 1976 46 億bbl未開発 25 万b/dラタウィ ナシリヤ スバ/ルハイス ツバ ガラフ ラフィダン 1950 1978 1969/ 1961 1976 1979 1976 31 億bbl未開発 25 万b/d26 億bbl未開発 30 万b/d18 億bbl生産休止中 25 万b/d15 億bbl未開発 20 万b/d11 億bbl 7 億bbl未開発 未開発 13 万b/d10 万b/d2005.6 JOGMEC 進捗(契約・交渉実績等)(*):フセイン政権下の動きTotal(旧Elf)と交渉実施(*) 1997/6 ロシア3社(Lukoil他)とPS契約締結。02/12イラク側が契約破棄(*) 04/9 ConocoPhillips がLukoilと提携合意し、本プロジェクトにも参加へ。 Total(旧Total)と交渉実施(*) BHP(豪)、CNPC(中)等と交渉(*) Shell、Petronas(マレーシア)等と交渉(*) Eni(伊)、Repsol-YPF(西)と交渉実施(*) フセイン時代、Slavneft(露)と交渉(*)。 現在は国営会社SCOPによる入札実施中 ONGC(印)、Sonatrach(アルジェリア)と交渉(*) TPAO(トルコ)等と交渉(*)03/2 Soyzneftegaz(露)と合意書締結(*) 出所:各種資料
地域1 中東
国1 イラク
地域2
国2
地域3
国3
地域4
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地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中東,イラク
2005/06/16 猪原 渉
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