ページ番号1006711 更新日 平成30年2月16日

挑戦的な国外進出を続ける中国国有石油企業

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レポートID 1006711
作成日 2005-07-13 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 セミナー・報告会資料
分野 企業探鉱開発
著者 竹原 美佳
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年度 2005
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 挑戦的な国外進出を続ける挑戦的な国外進出を続ける中国国有石油企業中国国有石油企業2005/7/13調査部竹原 美佳ポイントポイント(cid:122)中国石油企業は、国際石油企業に比べ、想定油価を高く設定し、大胆な事業戦略を展開している模様(cid:122)政府が大株主である中国石油企業は、国際石油企業に比べ、資金調達が容易であり、低い期待収益率で投資を行うことが可能(cid:122)中国石油企業の進出を歓迎する産油国がある一方、政府の支援を受ける進出について、国際石油企業から不公正という声がある12.CNOOCは紆余曲折の末、Unocal買収を提案(1)Unocal買収の目的①生産量、埋蔵量の成長②アジアの油ガス田資産③沖合掘削技術1.CNOOCは紆余曲折の末、Unocal買収を提案表:CNOOC、Unocalの財務・操業指標CNOOC67201142552238売上当期利益総資産時価総額埋蔵量(億boe)生産量(万boe/日)主な提案内容:総額185億ドル(現金67ドル/株)、Unocalの負債16億ドル、Chevronへの違約金5億ドル、従業員の雇用確保などUnocal8212131179184134NOOCの企業戦略CNOOCの企業戦略(cid:132)生産量と埋蔵量の成長(cid:132)天然ガス事業の発展と拡張(cid:132)財務状態の維持Unocal買収は、CNOOCの企業戦略にほぼ合致する5(1)Unocal(1)Unocal買収の目的買収の目的①埋蔵量と生産量の成長原油(千バレル/日)生産量天然ガス(百万cf/日)油ガス(万boe/日)原油(百万バレル)埋蔵量天然ガス(10億cf)油ガス(億boe)CNOOCLtd.(現在)Unocal3191593641,51038411,4564,6476596,568CNOOCLtd.(買収後)出所:2004年年報 原油はリキッドを含む、天然ガスはドライベース2,115794781,87411,215注:CNOOCは北米の一部資産については売却する意向とも伝えられるが、今回試算した買収後の生産量・埋蔵量の数値は北米資産を含んでいる。買収により、生産量・埋蔵量は倍増する2218406i1)Unocal(1)Unocal買収の目的買収の目的②アジアの油ガス田資産図:Unocal地域別埋蔵量(2004年年報)その他非北米12%北米26%17億5,400万BOE(2004年)カナダ6%アジア56%Unocalは、インドネシア、タイ、ミャンマー、アゼルバイジャンなどで事業展開CNOOCは2002年にRepsol-YPFのインドネシア資産を買収、同国最大の原油生産者にインドネシア政府は、CNOOCのUnocal買収を歓迎7(1)Unocal(1)Unocal買収の目的買収の目的インドネシアのガス(LNG)CNOOCのインドネシア保有権益/Unocal東カリマンタン沖Unocal資産で中国にLNGを供給する可能性があるのはインドネシア・東カリマンタン沖のみ。しかし、ボンタン液化トレーン拡張計画は無期限に延期Unocal資産で中国に持ち込むことができるガス(LNG)は当面なさそうである。8i1)Unocal(1)Unocal買収の目的買収の目的③沖合掘削技術中国沖合い油ガス田の探鉱開発が中核事業であるCNOOCにとり、「スリムホール」掘削技術などの沖合開発技術は魅力的と言われている。(PIW2005/7/4他)米国内で、安全保障に関る技術が中国に移転することを懸念する声があるが、CNOOCはUnocalの地震探鉱ならびに掘削技術は公開可能なものであると反論している9Woodside株式取得に(2)本命の豪Woodside株式取得に(2)本命の豪失敗?!失敗?!CNOOCにはUnocal買収と同時期にWoodside株式取得の噂も・・・(cid:122)Unocal買収は185億ドル→多額の資金調達により財務悪化の懸念がある(cid:122)Woodside株式(Shell保有:34.27%)は35億ドル程度→財務悪化の懸念はない(cid:122)CNOOCは、Woodsideが保有する豪州NWSのLNG長期購買契約を締結、JV権益を取得している。株式取得により、ガス事業との相乗効果も期待できるこれらの状況から、Woodside株式取得が本命と思われた。しかしShellとの交渉は決裂した模様・・・10i33)米議会の反発)米議会の反発(CNOOCおよび中国政府は本買収を純粋なビジネスと位置付け純粋なビジネス米議会はこれに強く反発(cid:57)中国の存在感(cid:57)CNOOC株式の7割は政府保有(cid:57)安全保障にからむエネルギー企業の買収「安全保障」にかか米政府は本買収を「安全保障」にかかる問題る問題と見なし、財務省(CFIUS)が審査を実施する見通し11(44))Unocal(Unocal買収~今後の展開~買収~今後の展開~4月6月7月8月Chevron、Unocalと買収で合意米公正取引委員会(FTC)は買収案を承認Unocal臨時株主総会(8/10)CNOOCに決定承認米議会:財務省予算法案修正条項廃案株主の承認Chevronに決定CNOOC、Unocalに買収を提案米財務省CFIUSの審査CNOOC買収案差し止め12.2.その他中国企業の動きその他中国企業の動き(1)PetroChinaとSinopecはロシア~カナダ~イラン~西アフリカと縦横無尽の進出振りロシアなど、国内持ち込みを想定した近隣への進出だけではなく、西アフリカ深海やカナダオイルサンド事業など欧米石油企業が注目する地域・事業への進出を行っている。彼らの国外進出は、油ガスの国内への持ち込みだけではなく、“企業規模の拡大”など、欧米石油企業と同様の企業戦略にもとづき行われている?!132.2.その他中国企業の動きその他中国企業の動き(2)カザフスタンへの進出拡大か?!?Petrokazakhstanの買収・埋蔵量(2P):5億4,980万BOE・生産量:15万バレル/日中国企業が関心を示す理由Petrokazakhstanの保有する油田がカザフスタン~中国間石油パイプラインのルート沿いに位置するため?!14etroChina、、CNPCPetroChinaCNPCの国外資産取得の国外資産取得~国外事業強化へ~~国外事業強化へ~2005年6月:PetroChinaはCNPCに25億ドルを支払い、海外事業ジョイントベンチャー(50:50)設立で合意CNPCCNPC香港100%子会社CNODCカザフスタン、ベネズエラ、オマーン、カナダ他スーダン、イラン、ミャンマーなどはCNPCが留保上場子会社PetroChinaPetroChina Internationalインドネシア中油勘探開発CNPC50:50PetroChina15「中油勘探開発」設立「中油勘探開発」設立PetroChina国外資産(現在)埋蔵量:88.5百万boe生産量:1.19万boe/日PetroChina国外資産(「中油」設立後)埋蔵量:866百万boe生産量:14.92万boe/日〔今後の予定〕(cid:122)2005年末:「中油勘探開発」設立(契約完了)(cid:122)2006年2月:PetroChinaは100%子会社PetroChina Internationalに「中油」資産を譲渡~今後、新たにCNPCが保有する10以上の国外資産を「中油」に移す予定~16?総送L石油企業の主な国外進出の動き(2005年上半期)国名企業鉱区時期備考ロシアCNPC2005年1月ミャンマーCNOOCBlockM2、C1、C22005年1月Rosneftに原油購入代金60億ドル(2010年までに供給される4,840万トンの原油)を前払い。Rosneft株取得との関連が噂されている。PS契約(オペレーター)。パートナーはChina Huanqiu Constracting &Engineering CorpおよびシンガポールのGolden Aeron Pte.LtdモンゴルPetroChinaBlock19、21、22イランCNPCヤダバラン油田開発カナダCNOOC Ltd.カナダPetroChinaAthabasca地区Christina Lake(52リース鉱区)GatewayPipeline(建設)カナダSinopecCorp,Athabasca地区Northern Lightsナイジェリア/サントメJDZナイジェリア/サントメJDZPetroChinaBlock3SinopecBlock6モーリタニア CNPCBlock20ロシアSinopecロシアSinopecサハリンⅢ(Venin鉱区)2005年4月(MOU締結)2005年4月(MOU締結)2005年4月(MOU締結)2005年4月(MOU締結)2005年4月 英国Soco鉱区にファームイン(85%)LNG計1億8,000万tの長期購入およびYadavaran油田の権益20%取得についてMOU締結。カナダMEG株式16.69%を約1億2,100万ドルで取得。カナダ・マーティン首相訪中時(2005年1月)、両国はオイルサンド開発における包括協力について合PetroChinaはカナダEnbridgeとアルバータ~カナダ西岸の石油PL建設についてSynenco Energy株式40%を約8,400万ドルで取得。カナダ・マーティン首相訪中時(2005年1月)、両国はオイルサンド開発における包括協力について合意。2004年JDZ入札に参加、ナイジェリア企業と共同で事業参加(権益比率10%)2004年JDZ入札に参加、ナイジェリア企業との共同オペレーター(権益比率85%)豪Bakara Petroleumが保有する陸上Block20にファームイン(65%)Sinopec傘下の龍都石油有限公司はTNK-BPと西シベリアにおける油田開発、製油所建設について合意RosnefteとJV設立のためのプロトコールに調印。胡錦涛の訪露(2005年7月)に併せ調印。2005年6月(基本合意)2005年7月(基本合意)2005年5月2005年5月2005年6月
地域1 アジア
国1 中国
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国・地域 アジア,中国
2005/07/13 竹原 美佳
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