上流投資先としてどこが魅力的か? ―国際石油企業へのアンケート調査とその分析―
レポートID | 1006727 |
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作成日 | 2005-09-14 01:00:00 +0900 |
更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
公開フラグ | 1 |
媒体 | セミナー・報告会資料 4 |
分野 | 企業探鉱開発 |
著者 | |
著者直接入力 | 石田 聖 |
年度 | 2005 |
Vol | 0 |
No | 0 |
ページ数 | |
抽出データ | 上流投資先としてどこが魅力的か?上流投資先としてどこが魅力的か?上流投資先としてどこが魅力的か?―国際石油企業へのアンケート調査とその分析国際石油企業へのアンケート調査とその分析――――国際石油企業へのアンケート調査とその分析―2005年9月14日石田 聖0Fugro--RobertsonRobertsonののFugroFugro-Robertsonの国際石油企業に対するアンケート調査国際石油企業に対するアンケート調査国際石油企業に対するアンケート調査(cid:132)この調査は、Fugro-Robertson社によって、国際石油企業(IOC)に対して毎年定期的に行われている。(cid:132)アンケート方式によって、2005年は151ヵ国の産油国に対する関心度を調査した。(cid:132)判断基準は、鉱床サイズ、発見確率、契約条件、政治リスク、対象国への参入企業数など1Aンケート調査結果の特筆点アンケート調査結果の特筆点アンケート調査結果の特筆点(cid:132)北アフリカの産油国の順位が上昇した:(cid:122)リビアが2位から1位へ、アルジェリアが4位から2位へ、エジプトが5位から3位へ躍進した。(cid:132)旧知の産油国(オマーン、インドネシア)の順位が上昇(回復)した。(cid:132)政治・治安情勢からイラク、イランの順位が大幅に下落した。(cid:132)カザフスタンの順位が下落した。(cid:132)順位の上昇・下落原因の分析を試みる。2004年→年→20052005年の順位変動20042004年→2005年の順位変動年の順位変動2004年1 英国リビア23イラクトリニダード・トバゴ2005年リビアアルジェリアエジプト123アルジェリアオーストラリアエジプト456789 赤道ギニアブラジルカザフスタンオーストラリアモーリタニア4 英国56789 赤道ギニアオマーンインドネシアイラン10アンゴラモロッコ10ブラジルイラク23潟rアリビアリビア(cid:132)第2位から第1位へ躍進(cid:132)国際社会への復帰と新石油法(EPSAⅣ)による鉱区開放が要因(cid:132)2005年1月29日:第1次入札会が開催され、15鉱区の落札者が決定(cid:132)8つのコンソーシアムが落札(cid:122)Woodside/Oxy/Liwaのグループが海上鉱区の4/6を取得(cid:122)Oxy/Liwaのグループが陸上鉱区の5/9を取得(cid:132)26鉱区が開放される第2次入札会は10月2日に開催45潟rアの今後リビアの今後リビアの今後(cid:132)2回の入札(計41鉱区)は、EPSAⅣで開放予定の140鉱区から見れば、緒についたばかり(cid:132)高い石油地質ポテンシャルと低い探鉱熟成度を考えると、参入価値は依然高い(cid:132)IOCは、今後グリーン・ブラウンフィールドの開発、ガス探鉱・開発事業への参入チャンスを考えている。(cid:132)中・下流を含めた多様な技術的提案、技術者訓練等はリビア側にとってアトラクティブな内容となる可能性あり(cid:132)IOCにとっては、今後も高い関心をもたざるを得ない国6アルジェリアアルジェリアアルジェリア(cid:132)第4位から第2位へ(cid:132)新炭化水素法の成立が影響(?)(cid:122)Sonatrachの権益制限(cid:122)アルジェリア国営企業民営化の一環(cid:122)上流産業への外資参入で探鉱・開発の促進との政府思惑(cid:122)周辺の対外開放(リビア)と新規プロジェクト(エジプト)に危機感(?)(cid:132)社会経済の安定も背景に(cid:122)テロの沈静化(cid:122)好調な外貨収入(cid:139)石油・ガスの輸出好調:ガス・インフラの整備進展(cid:139)高油価が続く7?77次ラウンドに向けて次ラウンドに向けて第第7次ラウンドに向けて(cid:132)第6次ラウンド(2005年4月9日)では、10鉱区が4社(BP、Shell、BHP、Gulf Keystone)に(cid:132)Shell:再参入(2鉱区)(cid:122)アルジェリアのポテンシャルを高く評価(cid:122)リビア入札への不参加と対照的(LNG事業は志向)(cid:132)BP:3鉱区(cid:122)一連のガス事業の延長(cid:132)2005年末に新法律の適用による第7次ラウンド(cid:132)欧州向けガス・パイプラインのさらなる整備(cid:132)高い探鉱ポテンシャル(cid:132)第7次ラウンドへ向けてのこうした状況が順位の上昇に8エジプトエジプトエジプト(cid:132)第5位→第3位(cid:132)高い天然ガスポテンシャルとガス・インフラ整備が要因(cid:132)1980年3.0Tcf→90年13.4Tcf→2000年50.6Tcf→2004年65.5Tcf(20位)と急激に埋蔵量を増加。(cid:122)中東地域のLNGで競合・やや先行するオマーン(35.1Tcf)、イエメン(16.9Tcf)を大きく上回る。(cid:132)Shell、BPなどによるナイルデルタ沖合ガス開発とLNGプロジェクトが進展(cid:132)輸出パイプライン:2003年、ヨルダン・アカバまで完成。2007年にシリア(トルコ国境)まで延長。将来は東欧向けを視野9Gジプトの天然ガス開発エジプトの天然ガス開発エジプトの天然ガス開発10モーリタニアモーリタニアモーリタニア(cid:132)圏外→第6位(cid:132)モーリタニア沖合でのWoodsideとDana Petroleum(英)の成功がIOCを北アフリカのフロンティア地域(モーリタニア沖合、内陸)への探鉱に駆り立てている。(cid:132)基礎的石油ポテンシャルが高いリビア、アルジェリアに隣接するモーリタニアに期待をよせるIOCは多い。(cid:132)モーリタニアはほとんど探鉱されてこなかった(とくに内陸)ことを考えると、新たな炭化水素鉱床発見の可能性は大きい。また、同様の理由で外資の参入条件は比較的良好。11Aフリカの石油生産アフリカの石油生産アフリカの石油生産12油田名Chinguetti水深(m)約800m可採埋蔵量約1億バレルBandaTiof約300m約5,000万バレル約1,000m約3億バレルPelican約1,700m評価中Tevet約500m評価中13出所:USGSIマーンオマーンオマーン(cid:132) 圏外→第7位(cid:132) PDOの独占排除とガス・インフラ(カルハットLNG)整備による参入チャンスの増大が要因(cid:132) オマーンの石油生産量は、この数年間漸減の状況。(cid:122)2004年には石油(コンデンセートを含む)生産量は、78万2,000b/dと、2003年の81万9,000b/dから4.5%減となった。(cid:132) 政府高官は、石油生産の85%を占めるPDO(Petroleum Development Oman:オマーン政府60%、Shell 34%、Total 4%、Partex(ポルトガル)2%)の独占・職務怠慢に不快感(cid:132) Mukhaizna油田のEOR事業に、Occidentalの参入を認めた。(cid:122)1975年にPDOによって発見、最近は1万b/dと生産は低位で推移。EOR事業(20億ドル、15万b/dまで増産)について、Occidentalはオペレータの座をShell(PDO)に打ち勝って獲得(cid:132) PDO自身もLNGソース、Dolphineパイプラインの逆送ガス用のガス生産を拡大オマーンの新しい動きオマーンの新しい動きオマーンの新しい動きオマーンオマーン1415IマーンPDOPDOの生産推移オマーンPDOの生産推移の生産推移オマーン16インドネシアインドネシアインドネシア(cid:132)圏外→第8位(cid:132)一連の上流投資環境の改善政策が、徐々に実行(cid:122)PS契約の経済条件改善:利益配分比率の変更(cid:122)マージナル油ガス田に対するインセンティブ(cid:132)ガスの国内利用推進→(石油資源の温存を狙う)(cid:132)原油増産計画(純輸出国の地位回復を狙う)(cid:132)危機感を持った政府がイニシアティブを取る(cid:132)今後、新石油法によりプルタミナからの返還鉱区の開放を予定(cid:132)基礎的石油地質ポテンシャルは高い17005年公開鉱区位置図20052005年公開鉱区位置図年公開鉱区位置図1819Cラクイラクイラク(cid:132)第3位→第10位(cid:132)治安と暫定政府の今後への不透明感が要因(cid:132)現状の不透明な治安・政治情勢のもとでは、年内の入札実施は困難との見方が濃厚。石油省内部でも、IOCとの交渉開始は早くても来年前半との見方が支配的。(cid:132)油田の集中する北部クルド人地域、南部シーア派地域の自治権拡大の趨勢、治安回復がIOCへの参入チャンスをもたらすか否かのカギ20年内入札実施は可能か?年内入札実施は可能か?年内入札実施は可能か?(cid:132)イラクの憲法草案起草後の政治スケジュール(cid:122)憲法承認の国民投票2005/10/15まで(cid:122)新憲法下で総選挙2005/12/15まで(cid:122)本格政府が発足2005/12/31まで(cid:132)未開発油田本格開発の入札は上記プロセスが全て完了し、炭化水素法の制定、開発契約方式が決定されていること、さらに、治安回復も絶対条件。したがって、入札実施時期は、早くても2006年前半とみるのが妥当。21Jザフスタンカザフスタンカザフスタン(cid:132)第8位→圏外(cid:132)人気急落の背景には、カザフスタン政府の強引ともとれる外資石油開発への介入がある。(cid:132)同国北カスピ海沖合のKashagan油田(cid:122)16.67%の権益を保有するBGは2003年3月、中国CNOOCおよびSinopecに1/2ずつ、6.15億ドルにて譲渡する契約を締結した。カザフスタン政府は、これに不当介入し、2005年5月政府は、この半分8.33%の権益を買い取った。(cid:122)BGが参加しているKarachaganakガス田に関して、生産ガスをロシアに不正輸出したと告発。こうした締め付けは、Kashaganプロジェクトへの参加と買い取り価格の減額を狙ったものと言われる。(cid:122)コンソーシアムは、商業生産開始時期の遅れにより、補償金として1.5億ドルを支払ったと報じられており、さらに今回、掘削装置“Sunker”を税の滞納を理由に拿捕し、600万ドルの滞納税と罰金を支払わされている。22カザフスタンカザフスタンカザフスタン(cid:132) 最近中国CNPCによって買収されることとなったPetroKazakhstan社は、利益に関して裁判所から払い戻し命令を受けた。2004年7月から鉄道タリフが20%、輸出向け石油・天然ガスについては28%引き上げられた。→内陸部でパイプラインのないKumkol油田を操業しているPetroKazakhstanに手痛い打撃1990年代に結ばれた諸契約は余りにIOC側に有利であったとのカザフ政府の認識が根底にあり、石油・天然ガス関連法案における国家の権限を強化する法改正が次々予定されている。(cid:132)(cid:132) このように 自国内で操業するIOCの権益を薄弱な根拠で奪取をもくろむカザフスタン政府の手法に対しては、IOCには嫌悪感が広がっており、これが今回の調査での人気度の下落に反映されたもの23Cランイランイラン(cid:132)第9位→圏外(cid:132)調査前の核(大量破壊兵器)開発疑惑(cid:132)調査後の新大統領誕生でIOCの関心はますます低く(cid:132)石油政策はどうなる?(cid:132)アフマディネジャド新大統領の人物像は、49歳。革命第2世代。信仰に厚く、革命原理を信奉。元軍人(革命防衛隊所属。対イラク戦従事)保守強硬派(護憲評議会事務局長等)と親密「清貧の人」「庶民の味方」との評判24予想される石油政策予想される石油政策予想される石油政策(cid:132) ガス輸出プロジェクトの優先順位低下(cid:122) ガスは国内消費(発電、石化等)向け及び石油生産維持のため(cid:122)のEOR(増進回収法)での使用を優先LNG、ガスP/L輸出プロジェクトが先送りされる可能性⇒Total、Shell及び中国、インドに影響(cid:132) 国内企業優先策の推進(cid:122) 国内企業との契約優先、外資出資比率の抑制、外資参加案件の利益率見直し等(cid:132) 特定国・企業の優先や敬遠(cid:122) 中国への親近感(元軍人、テヘラン地下鉄)(cid:122)Total、Shellへの慎重姿勢?(カタールでも活動)(cid:132) 何よりも核開発疑惑による米制裁をIOCは憂慮25ワとめまとめまとめ(cid:132)関心国の地質ポテンシャルのみに依拠するものではないし、また経済的な契約条件ばかりでもない。国際石油企業が自らのビジネスを進めるために、選択した国であり、当然各社の特徴、特にコア地域の考え方が反映されていない。(cid:132)しかしながら、人気の高い国は、高くなったなりの理由が考えられる。人気の理由は、単に石油地質ポテンシャルばかりでなく、経済性等にも配慮された納得のいく「相場感」であるといえる。(cid:132)政府の政策改定、ガス・インフラの整備状況が人気のカギ26国 別(cid:122)リビア(cid:122)アルジェリア(cid:122)エジプト(cid:122)モーリタニア(cid:122)オマーン(cid:122)インドネシア(cid:139)イラク(cid:139)カザフスタン(cid:139)イラン参 考考参参考資源情報http://oilresearch.jogmec.go.jp/enq/frame.php?lurl=/information/pdf/2004/0503_out_g_lb_firstround_epsa4.pdfhttp://oilresearch.jogmec.go.jp/enq/frame.php?lurl=/information/pdf/2005/0504_out_g_dz_newlaw_sonatrach.pdfhttp://oilresearch.jogmec.go.jp/enq/frame.php?lurl=/information/pdf/2005/0504_out_g_eg_lng_bg_unionfenosa_japan.pdfhttp://oilresearch.jogmec.go.jp/enq/frame.php?lurl=/briefing/pdf/2004/0412_takehara_subsahara.pdfhttp://oilresearch.jogmec.go.jp/enq/frame.php?lurl=/information/pdf/2005/0506_out_m_id_investment_oil.pdfhttp://oilresearch.jogmec.go.jp/enq/frame.php?lurl=/information/pdf/2005/0508_out_f_iq_tender_ulum.pdfhttp://oilresearch.jogmec.go.jp/enq/frame.php?lurl=/information/pdf/2005/0504_out_j_kz_kashagan_pre-emption.pdfhttp://oilresearch.jogmec.go.jp/enq/frame.php?lurl=/information/pdf/2005/0507_out_f_ir_new_president.pdf27 |
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