ページ番号1006728 更新日 平成30年2月16日

岐路に立つメキシコ石油開発

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レポートID 1006728
作成日 2005-09-14 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 セミナー・報告会資料
分野 探鉱開発
著者
著者直接入力 齊藤 晃
年度 2005
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 岐路に立つメキシコ石油開発岐路に立つメキシコ石油開発2005/9/14調査部齊藤 晃1ポイントポイント(cid:122)9月上旬、ここ数年のエネルギー改革の目玉とも言える、PEMEXに対する税制改革の動きは、大統領の拒否権発動で一旦頓挫した。開始時期が遅れ、PEMEXの探鉱開発投資へ影響する可能性あり。(cid:122)約6割の生産を占めるカンタレル油田が、当初予定より早く06年より減退する見込み。約540億バレルと言われる大水深域を中心とする未発見油田のポテンシャルの開発もポイント。メキシコ国外で外資との提携模索する動きも(PEMEX/シェル:Great Whiteの開発?)(cid:122)06年の大統領選で有力視されている左翼系ロペス・オブラドール氏のエネルギー政策であるが、現時点ではエネルギー改革は継続される見通し。ただし、仮に全権委任の状態にあっても、反対派の動きが強く、改革の実行には時間がかかる見通し。21)メキシコの石油状況(1)メキシコの石油状況(cid:122)世界第5位の石油生産国(04年:約338万b/d)(cid:122)PEMEX:世界第3位の石油生産者(cid:122)カンタレル油田:約6割を占めるが、06年より減退見込み(減退時期早まる)(2)メキシコの石油状況(2)メキシコの石油状況(cid:122)ポテンシャルは高い(cid:122)外資への資源所有権の移転禁止⇒ガス分野で、MSC(請負契約)の形でごく一部外資開放されているに過ぎない。憲法改正要。(cid:122)資金不足(PEMEXに対する高税率)(cid:122)技術不足(特に大水深域。外資の参入不可欠)①純輸入国に転じるか(2016年にも)②大産出国となるか(700万b/d)の岐路に立つ⇒外資への開放、資金、技術等がポイント34i参考)カンタレル油田(参考)カンタレル油田(cid:122) 現在約210万b/d。76年頃発見。可採埋蔵量(2P)約180億バレル。残存可採埋蔵量約60数億バレル。重質油。(cid:122)80年代~90年代、100万b/d前後。窒素注入等により、現在の200万b/d超へ。(cid:122)06年より減退予定。年率5%~14%減退との予測あり。年率8%減の場合、2014年頃約100万b/dへ。5(出所:PEMEX)(参考)メキシコの天然ガス事情(参考)メキシコの天然ガス事情ガスは輸入国。発電用等を中心に伸び。2009年:2003年の4倍以上となる約380億m3輸入予定(参考)天然ガス消費(2003年[BP統計])米国:6,289億m3/年(全世界の24%)、メキシコ:454億m3/年、日本:765億m3/年6EMEXに対する税制改革PEMEXに対する税制改革現状:PEMEXに対する高税率(61%)(cid:122)高収益企業であるが、赤字体質(cid:122)税制改革実行の場合、PEMEXに06年20億ドル、4年間で130億ドルの負担軽減とも⇒しかし、9月初旬、大統領が拒否権発動(所見付きで再度議会へ。議会の承認を得ていたが)⇒財務省・州知事の圧力も背景(財務状況悪化)⇒ここ数年で目玉のエネルギー改革と言われたが、一旦頓挫。開始時期が遅れ、探鉱開発投資へ影響も7(参考)EBITDA(参考)EBITDAの比較の比較PEMEX売上:687億ドル、EBITDA:450億ドル(メジャーと遜色なし)⇒しかし、税引き後利益▲22億ドルEBITDA比較図(出所:PEMEX)8「発見ポテンシャル(約(約538未発見ポテンシャル538億バレル)億バレル)<3P可採埋蔵量の内訳>(cid:122) ①proved:176億バレル(cid:122) ②probable:158億バレル(cid:122) ③possible:134億バレル(cid:122) 合計3P:469億バレル<ポテンシャル>(cid:122)約538億バレル(cid:122)約68%は大水深域9(出所:PEMEX)(参考)昨年88月末、(参考)昨年月末、PEMEXPEMEX発表発表■PEMEX(国有メキシコ石油公社)が、メキシコ湾での3年におよぶ探査の結果、約540億バレルを埋蔵する新たな大油田を発見■この結果、同国の推定原油埋蔵量は、約1,020億バレルとなり、イラクの確認埋蔵量に次ぐ規模になる(OPEC:2003年の確認原油埋蔵量→①サウジアラビア(2,627億バレル)、②イラン(約1,332億バレル)、③イラク(1,150億バレル)■PEMEXの探査担当責任者によると。新油田発見により、原油生産量は、700万b/dへ増加する可能性あり■過去3年間の調査で、メキシコ湾中央部などの海底7ヶ所で巨大油田を発見したという⇒×通常の試探掘によって確認した埋蔵量○地震探査のデータを元にしたスタディ(油・ガスを含む可能性の構造を摘出したのみ)⇒油田発見と結論つけるのは、性急⇒但し、PEMEXがGulfで積極的に三次元探査を進めてきたことは事実将来、埋蔵量Booking出来ないとは言えない⇒今後、試掘・採掘作業や更なる三次元探査が必要10EMEXとシェル:米国PEMEXとシェル:米国GOMGOMででJ/VJ/V組成?(1)組成?(1)(cid:122)PEMEX:米国GOMでシェルと50億ドル規模のJ/V組成の報道(8月)(cid:122)場所は、メキシコにつながるPerdido褶曲帯上のGreat Whiteの可能性(cid:122)大水深域開発のノウハウ取得?大水深域開発の布石?(出所:石油公団スタディ結とシェル:米国GOMGOMででJ/VJ/V組成?PEMEXとシェル:米国PEMEX(cid:122)テキサス州にあるDeer Park製油所(34万b/d)で組成?((2)2)提携関係(cid:122)PEMEX:複数の会社と協議中とも(5月:エネルギー大臣、厳格なメキシコ法規制を避け、増産を図るには国外での投資機会も必要と語る)(cid:122)本年2月頃:PEMEXがPerdido褶曲帯の大水深域探鉱の開発入札行なうのではとの報道あり(但し、MSCと同じ枠組)(cid:122)しかし、メジャーは関心示さず(大水深域の開発、high risk・high cost。リスクと報酬、アンバランス⇔ブルゴス憲法改正による外資への開放ポイント1112ナ近の政治状況~来年の大統領選に向けた動き~最近の政治状況~来年の大統領選に向けた動き~(cid:122)7月、フォックス大統領5周年迎える(cid:122)フォックス大統領への国民の支持率低下。7月の次期大統領選の前哨戦とも言われたメキシコ州知事選でも敗北(cid:122)各党の党内予備選の動きも活発化(cid:122)国民的に人気の高い、前メキシコ市長(左翼系)のロペス・オブラドール氏が有力視現時点で発表されている、同氏のエネルギー政策の方向性は?13ロペス・オブラドール氏の現状認識ロペス・オブラドール氏の現状認識<50項目の基本方針の中で、エネルギー政策も記載>(cid:122)「長期的視点が欠如している」、(cid:122)「現政権下での確認埋蔵量の喪失(46%)、不十分なリプレースメント率」、(cid:122)「PEMEXの投資はE&P投資が大半である」、(cid:122)「1982年~95年の間、炭化水素部門は投資不足であった。96年から生産減退対策の投資が増加した」、(cid:122)「炭化水素部門での投資不足は、石油化学・精製の分野で顕著である」、(cid:122)「PEMEXの現在の財務状況では新規プロジェクトの資金供与は困難である」14軏{方針等基本方針等<基本方針>①石油部門や電力部門の現代化②3年間で天然ガス等の輸入依存解消③エネルギー価格の適正化等<企画立案・投資>①「エネルギー部門への戦略的投資の必要性」、②「全段階での大局的長期的な企画立案 の必要性」③「予算の優先配分(新規油ガスフィールドの探鉱、確認埋蔵量及び推定埋蔵量の開発、精製システムの拡充等)」15主な炭化水素部門政策主な炭化水素部門政策石油ガス資源①埋蔵量のリプレースメント率100%の達成②試探掘井を100以上に増加させる。対象地域:Tabasco、Veracruz沖合、Coatzacoalcos、Lankahuasa、GOM等③ ベラクルス、GOM等の新規エリアでの地震探査の実施、Cortes海での探鉱再開他石油生産・天然ガス生産重質油(カンタレルの回収率向上)他ブルゴス盆地とLankahuasaの開発促進他16i参考)ロペス・オブラドール氏の(参考)ロペス・オブラドール氏のエネルギーアドバイザーエネルギーアドバイザー(cid:122)独立系エコノミスト:Rogelio Ramirez de la O氏(Ecanalのプレジデント、ケンブリッジのPh.d)(cid:122)持論:PEMEXの不足する資金と技術を取り入れるため民間資本に開放すべき(cid:122)政府が石油収入への過度に依存していること、政治家がPEMEXに関する長期的ビジョンを持ち合わせていないことに批判(cid:122)ある機関の腐敗の根絶の必要性を強調コスト試算では、1年に10億ドル以上の関連コストあるとも。17エネルギー部門の方向性は?エネルギー部門の方向性は?(cid:122)現時点のエネルギー政策を見る限り、仮にロペス氏に政権交代しても改革は継続される見込み(cid:122)同氏のエネルギー政策コンサルタントは、PEMEX改革論者の独立系エコノミストのRogelio Ramirez de la O氏であり、ロペス氏の政策策定に深く係わっている。腐敗の根絶も進む?(cid:122)外資導入、大水深域の開発の詳細は、反対派への配慮から、意図的に触れず?控え目とも。(cid:122)改革の浸透には、大きな壁あり。時間かかるとの見方強し。ロペス氏の政策の骨子でもある、コスト削減を行なっても、エネルギー政策実行のための資金不足との見方も。ガス部門の改革は早く進む可能性も。18
地域1 中南米
国1 メキシコ
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中南米,メキシコ
2005/09/14 齊藤 晃
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