ページ番号1006928 更新日 平成30年2月16日

縮小する投資機会に対応した技術トレンド

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レポートID 1006928
作成日 2008-10-16 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 セミナー・報告会資料
分野 技術非在来型
著者 伊原 賢
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年度 2008
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 縮小する投資機会に対応した技術トレンド2008年10月15日調査部伊原 賢縮小する投資機会に対応した技術トレンド縮小する投資機会に対応した技術トレンド1.1. 初めに初めに ①①0世界全体の原油の残存確認可採埋蔵量の支配可採埋蔵量と採算コスト・埋蔵量へのアクセスが縮小する投資機会に対応した石油開発の対象は、在来型から非在来型資源へシフト・その開発はどのような技術トレンド?1奄゚に ②②1.1. 初めに世界石油工学者協会 年次総会(SPE ATCE)への参加・デンバー、9月21日~24日・SPE:・石油工学: 石油・天然ガスの掘削、油層管理、生産に関する技術・石油工学なくして、地下の石油・天然ガス資源を地上に出すことは出来ず117ヶ国、会員数7万9千人・ATCEの概要、5つのトピックス(蛸足状のマルチラテラル/水平坑井からの石油生産技術の進歩; 非在来型資源と代替エネルギー源の開発見通し; 石油埋蔵量推定法の過去現在未来; 増進回収法の未来; 石油工学教育の行方)を紹介-> 可採埋蔵量の積み増しをコントロールする技術トレンドSPE ATCE: Society of Petroleum Engineers Annual Technical Conference and Exhibition2.2.2008年年SPE ATCE2008SPE ATCEの概要の概要 ①①・9,800名参加・発表論文・ポスター 370件・Connecting Members: Exchange Knowledge ・石油・天然ガスの需要拡大、技術者の中高年化 -> 人材の確保と浸透性の低い天然ガス(タイトガス、シェールガス)、重質油、大水深開発といった非在来型の資源開発に注力・CO2の地下貯留への貢献(技術ガイドラインの検討)・世界における石油天然ガス資源の一次エネルギーに占める割合はゆるぎなく、原油需要は2030年には日量1.2億バレルSPEには、石油・天然ガス資源の可採埋蔵量積み増しと環境面にも考慮した経済的開発に大きく貢献する責務発表論文・ポスターが格納されたCD23.2.2008年年SPE ATCE2008SPE ATCEの概要の概要 ②②・将来の技術開発の担い手の確保 -> 知見を若者と共有・伝授、若者が石油開発に夢や強い関心を持つ草の根の啓蒙活動・技術の全世界的広がり・日本人技術者がCedric K Furguson Medal受賞: 若手(35歳以下)の発表論文で最高の評価SPE会長主催の昼食会Cedric K Furguson Medalを受賞した平岩氏42.2.2008年年SPE ATCE2008SPE ATCEの概要の概要 ③③・展示会場 9,800m2、450社・大手サービス会社主体: 油田操業現場への技術提供・展示のビジュアル化・油層管理の意思決定時間短縮・人材リクルートの場2008年SPE会長William Cobbによる展示会場テープカット展示会場フラクチャリング用ポンプを搭載したトラクタ(屋外)5.3. 蛸足状のマルチラテラル蛸足状のマルチラテラル//水平坑井からの石油生産技術の進歩水平坑井からの石油生産技術の進歩・水平坑井とマルチラテラル坑井(蛸足状に配置された水平坑井)は、油層に沿って掘削。通常の垂直・傾斜井に比べ、油層との接触体積が多く取れるため、一坑当りの生産量を数倍に増やすことができ、80年代より広く、石油開発に使われるようになった技術。・油層障害、排油面積、坑井間距離、可採埋蔵量、定常および擬似定常状態での水平坑井内の流体・圧力分布、ケースヒストリー、水平坑井の生産性解析ケーシングを下げ、区間毎に油層へ穿孔した水平坑井の仕上げ部マルチラテラル坑井ガスや水の水平坑井部へのコーニングを和らげるInflow Control Valve4.4. 非在来型資源と代替エネルギー源の開発見通し非在来型資源と代替エネルギー源の開発見通し ①①非在来型天然ガス:・生産井は生産開始初年に60~80%の生産量減退、回収率50%程度。・2002年頃から坑井掘削、坑井の仕上げ・刺激、貯留層キャラクタリゼーションに係る技術進歩が、開発を加速化。・頁岩や浸透性の低い(浸透率0.1ミリダルシー未満)砂岩に含まれる天然ガスは、従来、緻密でコストのかさむ技術を要することから開発が見送られる非在来型資源と看做されてきたが、21世紀に入ってからの米国での天然ガス需要の補完と天然ガス価上昇に支えられ、かつ、フラクチャリングを中心とした坑井刺激技術の進展に伴い、米国の天然ガス日産量52.3Bcf/dの44%も占める。(Bcf/日)(Bcf/日)6060505040403030202010100019901990アラスカアラスカメキシコ湾沖合いメキシコ湾沖合い随伴ガス(48州)随伴ガス(48州)在来型ガス(48州)在来型ガス(48州)非在来型ガス(48州)非在来型ガス(48州)アラスカアラスカメキシコ湾沖合いメキシコ湾沖合い随伴ガス(48州)随伴ガス(48州)在来型ガス(48州)在来型ガス(48州)非在来型ガス非在来型ガス(48州)(48州)19951995200020002005200520102010(出所:米国エネルギー省「Annual Energy Outlook 2007」より)(出所:米国エネルギー省「Annual Energy Outlook 2007」より)米国の天然ガス生産量・北米を中心に天然ガス供給源として注目67.4. 非在来型資源と代替エネルギー源の開発見通し非在来型資源と代替エネルギー源の開発見通し ②②オイルシェール:・油ガス分抽出には300~5000Cの熱を加える必要があり、開発コストのレンジは30~70ドル/バレルと未だ定かでなく、補助金他のインセンティブがなければ開発はおぼつかない。昔の開発バブルで経験した心の傷。・米国ワイオミング州グリーンリバー盆地には2兆バレル。他国では、ブラジル520億バレル、オーストラリア310億バレル、ロシア2,710億バレル、中国3,280億バレルの原始埋蔵量が期待。・Shell, AMSO (American Shale Oil Co.), ExxonMobil, Chevronが開発プレイヤー。Schlumbergerやペトロブラスも仲間入りか? 米国において開発一時停止期間が解除された後の商業化基準ルール作りが注目。オイルサンド:・回収方法は熱を加えないCold Productionと粘度を下げる加熱EORの半々。回収率は、Cold Production(人工採油法、CHOPS/Cold Heavy Oil Production with Sand、水平坑井)で5-6%、加熱EORである水蒸気圧入法(水蒸気攻法、Cyclic Steam Stimulation、Steam Assisted Gravity Drainage)にしても20-25%と決して高くない。SAGD法では回収率60-70%の報告もあるが、開発コストは高く、技術適用ノウハウも必要。2030年の米国の電力需要の20%を風力でまかなうとすると、陸上で風力:250ギガワット、海上で50ギガワットの発電能力が必要。85.5. 石油埋蔵量推定法の過去現在未来石油埋蔵量推定法の過去現在未来・資源量および埋蔵量に関する新基準“Petroleum Resources Management System 2007”(PRMS)は、2007年3月末にSPE、WPC(世界石油会議)、AAPG(米国石油地質技術者協会)およびSPEE(石油評価技術協会)の4組織の協力によって策定。4組織は、2005年より2年間、現状の技術革新や経済的背景に沿う資源量と埋蔵量の世界基準を作成すべく、各石油会社や世界各国における埋蔵量の定義、分類に関する調査、基準について外部からの意見聴取を行い、多くの会社からの意見を反映した新基準を策定。・新基準PRMSの適用には、規制者、投資家、開発事業者の間で共通した認識が必要。規制者の一つである米証券取引委員会(SEC)も新基準の採用にかなり前向き。・埋蔵量を取り扱う単位の変化(油層毎―>プロジェクト毎)、非在来型資源の埋蔵量認定には回収率と処理施設の運転効率の評価が大事なパラメータ、埋蔵量算出に用いる決定論および確率論的手法について盛り込み。技術革新と経済的背景を反映させた埋蔵量と資源量の分類新基準PRMSの概念9.6. 増進回収法の未来増進回収法の未来 ①①・増進回収法(Enhanced Oil Recovery: EORまたはImproved Oil Recovery: IORともいう)とは、地下の岩石から原油や天然ガスを取り出す際に、各種の人工力を付与して原油採取を行う方法。人工力の付与には自然力を付与する方法と排油メカニズムを変化させる方法がある。・2004年以降の油ガス価の高値を背景に、可採埋蔵量積み増しや資源回収率の向上を目指して、80年代初めに下火になった増進回収法が再び見直されてきている。増進回収法の未来を明るく照らすべく、過去に培った技術がカムバック。・水攻法、熱攻法、化学攻法、ミシブルガス圧入攻法とも、油価が60ドル/バレルを下回らない限り、現場適用は進むとの意見。106.6. 増進回収法の未来増進回収法の未来 ②②未来を感じさせるミシブルガス圧入攻法論文「New Method of Incorporating Immobile and Non-vaporizing Residual Oil Saturation into Compositional Reservoir Simulation of Gasflooding」・平岩氏は、ガス圧入攻法のシミュレーションによる評価精度向上のための新理論を提案。・ミシブルガス圧入攻法では、ある圧力以上で油-ガス間の界面張力が消失する性質により、圧入されたガスと接した油の残油飽和率がゼロになるミシブル状態を利用して、飛躍的な回収増進が期待。・ガス圧入攻法の技術的評価には通常、成分系油層シミュレーションモデルを用いたスタディが実施されるが、現行のシミュレーション技術では、ミシブル状態達成の有無に関わらず、シミュレーションセルの残油飽和率がゼロになってしまい、回収率を現実より多く評価してしまう問題点がある。・本論文では、その問題を解決するため、成分系油層シミュレーションにおいて残油飽和率を正しく設定する画期的な新理論が提案され、検証事例も示した。Cedric K Furguson Medalを受賞した平岩氏11.6. 増進回収法の未来増進回収法の未来 ③③未来を感じさせる油田開発 (EORとインテリジェントウェル)・2008年7月にChevronはナイジェリア沖合のアグバミ/Agbami油田(可採埋蔵量10億バレル)の生産開始。・回収率向上のため最初から油層頂部にガス圧入を実施。・Chevronは、Halliburtonと共に、油田操業の半自動化を推進するデジタルオイルフィールド(Chevronはi-Fieldと呼ぶ)の概念をアグバミ油田開発に適用。・坑井内に流量計や圧力・温度センサーを装備し、生産挙動の遠隔操作を行うIntelligent Well Completionを採用。・油層や操業の管理にITを全面的に採用し、各種計算ソフトやデータベースを生産現場と陸上の管理基地とで共有化し、施設の信頼性評価や次の作業の意思決定をタイムリーに実施。ナイジェリア沖合アグバミ油田におけるデジタルオイルフィールド(PC画面)7.7. 石油工学教育の行方石油工学教育の行方 ①①・業界の好況を反映して石油工学を専攻する学生数は増加。例えば、タルサ大では、2008年秋学期に石油工学科へ履修届を提出した者は一学年70名(外国人と米国人は半々)で、2005年の2.5倍。大学院生も学部生ほどではないが増加(2007年57名 -> 2008年84名)。米国にて石油工学を履修する学生数は数年で2-3倍に膨れ上がったが、教育に十分な教員数の充足に各大学とも苦労。・一方、高油価に支えられ、石油開発事業の活発化が見られ、大学から会社への人材の流出も見られる。・業界活動は当面活発化が見られるだろうが、その活動を支える若年層の教育レベルの維持向上には、大学のみならず、SPEのような学会やコンサルタント会社による教育研修プログラム及び一般への啓蒙プログラムの充実も欠かせない。例えば、最大手サービス会社Schlumbergerは過去2年間、それぞれの年に80カ国から6,000名の技術者を採用。しかし、戦力となるべく行なう研修の労力も相当なものとのこと。1213.7. 石油工学教育の行方石油工学教育の行方 ②②・石油工学の発展は、油価や投資・政治環境に大きく左右されることは再認識されており、石油工学の専門知識のみならず、環境・政治・経済に係る一般教養教育も、若手技術者の育成に必要だとの米国の工学系大学認定協会(ABET)へのメッセージがSPEに評価(DeGolyer Distinguished Service Award)。DeGolyer Distinguished Service Awardを受賞したタルサ大ブリル名誉教授同受賞式縮小する投資機会に対応した技術トレンド縮小する投資機会に対応した技術トレンド8. 8. まとめまとめ上昇する探鉱開発コストにも関わらず、坑井当りの発見埋蔵量は減りつつけている。また、現在埋蔵量の80%弱が産油国のNOCに握られている環境下では、IOCや独立系石油会社(インデペンデント)は、新規油田開発よりも既発見油田からの生産促進に軸足を置かざるを得なく、投資機会は縮小していると考える。IOCやインデペンデントは、新規油田開発よりも既発見油田からの回収率向上や生産効率向上を目指した技術(水平坑井、坑井刺激、EOR/IOR、インテリジェントウェル)の適用や非在来型資源(タイトガス、オイルサンド、オイルシェール)の開発に軸足を移している。一般に油価の高い環境下では、技術の改良や開発が進む。油価の長期的な動きを十分意識しつつ、開発資材コストの高騰と、改良・開発された技術適用の兼ね合いが、当面の可採埋蔵量の積み増しをコントロールすることになりそうだ。今回のATCE において、SPE会長はWilliam Cobb氏からShellのLeo Roodhart氏に交代。新SPE会長のメッセージも”Building the bridges”から”Your SPE”に変わった。これは、石油開発技術のグローバル化を強く意識し、環境対策をとりつつ、可採埋蔵量の積み増しを着実に進め、石油需要の伸びに応える供給へ努力する技術者全員へのメッセージと捉えたい。1415
地域1 グローバル
国1
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地域3
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地域4
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地域7
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地域8
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地域9
国9
地域10
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国・地域 グローバル
2008/10/16 伊原 賢
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