ページ番号1006950 更新日 平成30年2月16日

「ナブッコvs.サウスストリーム」カスピ海周辺から欧州向けの天然ガスパイプラインを巡る最近の情勢

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レポートID 1006950
作成日 2009-02-23 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 セミナー・報告会資料
分野 探鉱開発
著者
著者直接入力 古幡 哲也
年度 2008
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 「ナブッコvs. サウスストリーム」カスピ海周辺から欧州向けの天然ガスパイプラインを巡る最近の情勢2009年2月20日調査部古幡哲也ポイント1. ナブッコサミット(1/26-27)2. ナブッコパイプラインの問題点3.4. まとめロシア・ガスプロムからの巻き返し?ナブッコパイプラインの先行き、サウスストリームの見通し、他の安定供給策12iブッコ・パイプラインナブッコパイプライン構想概要投資額:79億ユーロ距離:3,300km(トルコ国内→ウィーン郊外)輸送能力:31Bcm/年建設開始:2010年操業開始年:2014年に最近変更参加企業:OMV(オーストリア)、MOL(ハンガリー)、Transgaz(ルーマニア)、Bulgargaz(ブルガリア)、Botas(トルコ)、RWE(独)31.ナブッコ・パイプライン・サミット(cid:122)1/26~27@ブダペスト(ハンガリー)(cid:122)トルコ、ドイツ、オーストリア、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、EU政府、米国、アゼルバイジャン、カザフスタン、トルクメニスタン、イラク、エジプト、グルジアから関係者が出席(cid:122)EuropeanInvestmentBankやEuropean Bankfor Reconstruction and Developmentも参加(cid:122)2009年前半末までに政府間協定を締結する方針(のみ)に合意4Q.ナブッコパイプラインの問題点(1)① 輸送するガスの供給ソースが確保できない(cid:122)輸送能力31Bcm/yのうちアゼルバイジャン・シャーデニスガス田(8Bcm/y)との交渉にメドがついたのみガス輸送量にメドがつかなければガスの輸送料金も算定できず輸送料金が想定できなければ、ガス産出国に対する営業活動も困難 (悪循環)2008年11月以降、欧州政府等も本格的サポート体制の構築にようやく本腰を入れ始めたばかり(cid:122)(cid:122)(cid:122)???共同でのガス調達体制整備(Caspian Development Corporation, founded by EU)カスピ海横断ガス輸送を検討する会社設立(OMV、RWE)EUによるエネルギーインフラ整備予算成立(「SecondStrategic European Energy Review」に基づき2~3億ユーロがナブッコに充当される見通し)2.ナブッコパイプラインの問題点(2)② 建設費の資金調達が出来ない(cid:122)EIB:「建設費の25%程度まで融資可能、ただしパイプライン建設やガス輸送条件などを定めた契約書を吟味しなければ、判断できない」ガス供給源が確保できないため、事業化・返済のシナリオ立たず各種契約のメドも立たない資金力のある企業(スーパーメジャー)参加せず資金調達方法に温度差(cid:122)(cid:122)(cid:122)(cid:122)??事業者・通過国:「EU政府からの出資が必要」EU政府「採算が取れる事業であり、EUは出資せず、融資のサポートを行なう」(腰が引けている印象)56Q.ナブッコパイプラインの問題点(3)③ 足並みの揃わない各国のスタンス??(cid:122)(cid:122)(cid:122)(cid:122)トルコ:ガス通過によるアドバンテージを志向優先供給、再販売による利潤を狙うアゼルバイジャン:一貫して経済性が最も高いルートでの出荷を主張、輸送事業に参加する意図なし(採算リスク大)、ロシア向け販売も模索SOCARとシャーデニスガス田のオペレーターBPがロシア向けパイプライン・施設の検査を実施(1月末)通過国:サウスストリームやLNG等、他の代替案と天秤にかけている英・独・仏・伊:各国政府からの声は聞こえず2.ナブッコパイプラインの問題点(4)④ 探鉱・開発事業者とパイプライン事業者の相違(cid:122)シャーデニスガス田パートナーとナブッコパイプラインパートナーが完全に相違、利害調整難しいOMVやRWEはトルクメニスタン上流に触手、ただし上流権益確保は実現せず欧州向け出荷:アンバンダリングがネック?(cid:122)(cid:122)シャーデニス・ガス田開発パートナーナブッコパイプライン・パートナーBP(英)(技術オペレーター)Statoil(ノルウェー)(商業オペレーター)SOCAR(アゼルバイジャン)LukAgip(露・伊)Total(仏)NICO(イラン)TPAO(トルコ国営上流専業会社)25.5%25.5%10%10%10%10%9%OMV(オーストリア)MOL(ハンガリー)Transgaz(ルーマニア)、Bulgargaz(ブルガリア)Botas(トルコ)RWE(独)16.67%16.67%16.67%16.67%16.67%16.67%78i参考)BTC石油パイプラインの例(1)ACG油田パートナーBP(英・オペレーター)Chevron(米)国際石油開発帝石SOCAR(アゼルバイジャン)StatoilHydroExxonMobilTPAODevon伊藤忠商事Hess34.14%10.28%10.0%10.0%8.56%8.0%6.75%5.63%3.92%2.72%BTCパイプラインパートナー30.1BP(オペレーター)25.08.9%8.71%6.53%SOCARChevronStatoilHydroTPAOENITotal5%5%3.4%2.5%2.5%2.36%伊藤忠商事国際石油開発帝石ConocoPhillipsHess※ほとんどの参加者が双方に参加している92.ナブッコパイプラインの問題点(5)⑤ 甘いスケジュール見通し(cid:122) 操業開始:2013年→2014年に先送り(cid:122)より容易なBTC石油パイプラインでも政府間合意後、操業開始まで6年弱??距離約2倍(BTC1,786km、ナブッコ3,300km)通過国数2倍以上(BTC3カ国、ナブッコ7カ国)(cid:122) 政府間合意は本当に6月末までに可能か?10i参考)BTC石油パイプラインの例(2)(1997年11月:ACG油田からの試験的な小規模生産開始)(cid:122)1999年11月:パイプライン事業者と各国政府との協定(cid:122)2000年10月:アゼルバイジャン・グルジア・トルコ各国政府間協定、パイプライン建設契約(2001年8月にACG油田の本格開発に移行)(cid:122)2002年8月:出資者間協定、原油輸送契約(cid:122)2002年9月:土地確保・建設開始(cid:122)2004年2月:ファイナンスのクロージング(2005年2月にアゼリ油田中央部から本格生産開始)(cid:122)2006年6月:BTCパイプライン操業開始※油田開発スケジュールとパイプライン建設スケジュールがシンクロ。コマーシャル面での契約関係が比較的容易な石油であっても、かなりの長期間を要している。113.ロシア・ガスプロムの巻き返し(1)(cid:122)メドベージェフ大統領がウズベキスタン訪問、ウズベキスタンからのガス買取価格設定を欧州価格に連動させたことを双方が評価、ロシア経由のガス輸送優先を取り付け(1/23)(cid:122)ガスプロム・メドベージェフ副社長がサウスストリームパイプラインの輸送能力の拡張の構想(31Bcm/年→47Bcm/年)を発表(1/28)(cid:122)アルマティにてロシア・カザフスタン・トルクメニスタン関係者が会談、カスピ海「沿岸」パイプラインCAC※-3 (20Bcm/年)新設の再確認、幹線ルートCACの増強(55Bcm/年→100Bcm/年)に合意(1/28)※CAC:CentralAsia Center Pipeline12R.ロシア・ガスプロムの巻き返し(2)(cid:122)ガスプロム・ミレル社長がキルギスタンを訪問、同国の、石油・ガス産業にガスプロムが出資してサポートすることで合意(2/3)(cid:122)トルクメニスタン・ベルディムハメドフ大統領が政府に、2009年の生産量増加を指示。(2/3)(cid:122)ブルガリア・パルバノフ大統領がメドベージェフ大統領と面談、サウスストリームの促進で合意(ただし、ナブッコのサポートも言明)(2/5)134.まとめ(1)① ナブッコパイプラインの行方(cid:122) 欧州政府のリアクション:EU議長国チェコ・トポラーネク首相がカザフスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン訪問、ガスの欧州向け供給を働きかけただし、明確な返答は得られず。カザフスタン・マシモフ首相は「ロシアとの建設的な調整必要」と。14S.まとめ(2)① ナブッコパイプラインの行方(続き)(cid:122)ロシア産原油(ブルーストリーム・パイプライン経由)をトルコで受け取って輸送する可能性を明言(2/6)EU委員会バローゾ委員長もモスクワ訪問、プーチン首相と面談。「ロシアも重要なパートナー、ナブッコは進めるがノルドストリーム・サウスストリームに反対しない」(同じく2/6)(cid:122)⇒ ガス供給源の確保に苦慮するナブッコ事業者・EU政府の大きな方針転換?⇒ 当面はロシアとEU政府(今後は米国も?)がガス供給源を競った駆け引きが続く?(5/8プラハで次回会議)154.まとめ(3)② サウスストリームパイプラインの行方(cid:122) ナブッコと同じく先は長い???全通過国を巻き込んだ政府間合意には程遠い(現状二国間合意のみ)ファイナンス不明通過ルート未確定、イタリア向け分岐ルートもあり通過国数も増加(cid:122) ガスプロムがナブッコにガスを供給する可能性は低い(cid:122) 両パイプライン構想が統合される可能性は?16S.まとめ(4)?他の対策は?(cid:122)欧州域内のパイプラインネットワークの整備?中欧、南欧の隣接国との間の接続(比較的短距離)(cid:122)ガス地下貯蔵施設の整備/他のパイプライン構想(cid:122)現行LNG基地での追加的受入れ?ウクライナ問題に際し、イタリア・ギリシャがLNG受入れ基地の余剰能力を生かしてLNG受入れ(cid:122)新規LNG基地建設の動き(クロアチア、ポーランド)国名ギリシャ基地名RevithoussaトルコトルコMarmara EreglisiAliaga, Izmir(参考)日本袖ヶ浦基地(参考)日本根岸工場受入能力385万トン/年(約5.2Bcm/年)460万トン/年(約6.2Bcm/年)440万トン/年(約5.9Bcm/年)950万トン/年(約12.8Bcm/年)350万トン/年(約4.7Bcm/年)貯蔵容量13万KL25.5万KL28万KL266万KL118万KL受入開始年参加事業者2000年1994年2006年1973年1969年国営ガス会社DEPA国営パイプライン会社BotasEdegazLNG東京ガス東京電力東京ガス東京電力17
地域1 欧州
国1
地域2 中東
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 欧州中東
2009/02/23 古幡 哲也
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