ページ番号1007336 更新日 平成30年2月16日

ロシアの対OPEC協調と石油増産凍結の見通し(3/24)

レポート属性
レポートID 1007336
作成日 2016-03-25 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 セミナー・報告会資料
分野 エネルギー一般市場
著者 本村 真澄
著者直接入力
年度 2015
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ ロシアの対OPEC協調と石油増産凍結の見通し2016年3月24日調査部本村 眞澄12016年の産油国増産凍結の動き(1)・1月26日、イラク・マハディ石油相「サウジアラビアとロシアが過剰な世界石油供給の削減に取り組む可能性」→WTIは$1.11上げて$31.45へ・1月28日、露のノバク・エネ相は「サウジからOPECとして各国が石油生産を5%カットするという提案を受けた」と。→WTIは$0.92上げて$33.22、・2月16日、サウジアラビア、ロシア、カタール、ベネズエラの4カ国の担当相は、ドーハで会合を開き、原油の生産量を1月の水準に据え置く(「増産凍結」)で合意2月11日のWTIは$26.50で底値・露は1月は前年同月比1.5%増で影響なし・他の産油国(イラン、イラク)も同意することが条件→ WTIは$0.4下げて$29.04/bbl(減産合意でないことへの失望)2016年の産油国増産凍結の動き(2)・2月16日、サウジ「数か月状況を見て他の方策の必要性を決める・16日、イラク「価格安定化に向けた取り組みには基本的に賛成」・16日、UAE「正しい方向だ」・2月17日、イラン「市場の安定と価格回復への行動を支持」$30.66・2月20日、ロシア・ノバク・エネルギー大臣「イランに1月レベルでの増産凍結を求めるのはアンフェア」・2月23日、イラン「制裁で失ったシェアの回復は権利」・3月11日、IEA「原油価格底打ち」 →WTIは$38.50・3月13日、イラン「イランが日量400万バレルに達しない限り、原油の増産凍結に参加しない」・3月17日、4月17日にドーハで産油国会議開催表明→WTI$40.20→WTIは$36.70・アゼルバイジャン、カザフスタンも参加かBP統計によるBP統計によるOPECカルテルの時代メジャーカルテルの時代市場の時代11年18年 11年34エ油価格の推移(2003年~16年1月)年金ファンド流入背景にピークオイル論リーマンショック米シェールオイル増産QE終了サブプライム問題化で資金が原油へ流入QE、投機資金回帰リビア、イラン、シリア地政学リスク最高値:$147.27/bbl最安値:$26.05/bbl2008年7月11日2016年2月11日(2003年5月以来)21世紀に入っての世界の油価動向?1999年末発足のベネズエラ・チャベス政権がOPEC生産枠順守を宣言→石油市場の引締り?2000年代前半は年金ファンド等の参入と、「ピークオイル説」の喧伝で油価上昇基調?2008年、油価は最高値を付けたのちリーマンショックで暴落→経済低迷・需要減で油価下落?2009年から量的緩和(QE)→油価高騰56ナ近24年の石油生産量の推移千b/dBP統計によるアジア通貨危機ITバブル崩壊・9.11金融危機年率約0.8%(120万b/d)の需要増傾向続く主要産油国の石油生産量(2011年および2014年)千b/dBP統計による78精ソ下落の引き鉄は?【需給】米国は2011年からシェールオイル大増産?2011-2014年の4年間で日量380万バレルの増産?世界で日量200万バレル供給過剰状態?2014年に入り油価はいつでも下落する状況【資金】2009年から量的緩和(QE)で油価高値維持?2013年末から$100億/月でQE縮小開始?2014年に入り油価はいつでも下落する状況?2014年10月29日、QE終了。利上げ予測【地政学リスク】ISの予見不能性(unpredictable)?2014年6月、ISがモスル制圧、油価高値維持?7月、バクダッド攻略失敗→地政学リスク後退→油価↓9減産見送りの考え?2014年11月25日ロシアはOPEC協調を表明?ロシアは法的に石油会社に減産を命ずる権限なし?ロシアは技術的な理由で減産は不可能?西シベリアの原油はパラフィン分を2%~4%含み、生産停止すると地表設備内で原油が固化。油田の回復困難?圧力が低く、1坑当たりの石油生産量も少ない?石油会社は減産には常に猛反対?2014年11月27日OPEC総会での産油国の考え?油価下落局面で減産を見送り(生産カルテルを放棄)?油価の更なる下落によりシェールオイル追い落としへ?油価下がるも販売量確保で石油収入目減りを抑える10ト国の油価、石油生産量と掘削リグ数11米国でのシェールオイル生産の現状? 坑井当り掘削費:$600-1000万?稼働リグ数がピーク時から7割減⇒生産量は微減(50万b/d↓)?コスト削減(対前年比):掘削20%↓、水圧破砕30%↓? 小規模の事業展開が可能(大水深開発と対照的)?短いリードタイム(油価に敏感に対応)?油価$50でbreak even、油価上昇局面で直ちに生産回帰、待機井?高油価で生産増、低油価で生産減。価格は$60付近で「天井」か?シェールが新しい「スウィング・プロデューサー」?面的な開発。石油産業は騎馬民族的生業から農業的生業に? ヘッジ($60-$90)により油価下落でも耐性(’16年初終了)12Tウディアラビア:石油生産量推移現在は史上最高水準。輸出収入確保のためには生産増加が有効。単位:万b/dOPECによる生産量調整注:NGLを含む出典:BP統計、点線部分はJOGMEC推計13増産に向け意欲を燃やすイランイランの原油生産量(NGLを含まず)2007年:400万b/d2016b/d2016年1月:300万b/d30012月:322万b/d?市場シェアの回復に重点、他OPEC加盟国に対し減産を求める。?制裁解除後直ちに50万b/d増産、更に数カ月をかけて更に50万b/d増産したい構えだが、「更なる油価下落を招くことは避けたい」との発言も。14出所:IEA精ソ下落のロシアへの影響? ロシア石油企業への影響?石油はドル建て輸出、ルーブル安で油価下落の損失を相殺?「オランダ病」(資源輸出国の通貨高)を克服?油価の減少により石油関連税部分の縮小?ロシアは生産コスト、採算分岐点低く、低油価に耐性あり?大規模投資(含むインフラ)、回収困難鉱床の投資は延期?中期的には生産減へ(2020年に15%減か)? ロシア政府への影響?歳入減は顕著、2016年は緊縮財政(10%削減)で乗り切り?2016年国家予算の油価前提を$50へ、更には$40も用意?予備基金で不足分を補填するが2017年までに底を突く15ロシアの石油税の影響? 石油税制の改正?2015年1月1日の「ユーラシア経済同盟」の発足に伴い他国からの輸出に対抗、輸出税は’17年に向け低減化?一方で産出税(NRET)は’17年に向け引き上げで相殺? 輸出税=59%×(ウラル原油価格-$25)+$4/bbl?下線部を2015年42%、2016年36%(未実施)、2017年30%? 産出税=Rb493/t×埋蔵量枯渇係数×(平均Urals輸出価格[$/bbl]-$15)×対ドル為替レート(Rb/$)×1/261?下線部を2015年Rb775/t、2016年856(実施), 2017年91816精ソの変化に伴う石油諸税の変化2014年は油価の71%が輸出税+産出税(2015年:油価$53.6/b、為替$1=Rb62.55)2015年は油価の59%が輸出税+産出税2014年と比較して2015年において油価が50%減少しても、会社の取り分は30%の減少。国の税収は59%減少17ロシア主要石油企業の生産履歴100万t/年Rosneftは4年連続で対前年1%減(西シベリアで3.3%減退)。Lukoilも西シベリアで6.1%減退、カスピ海で成果。GazpromNeftで成果。Bashneft11%増、Tatneft2.7%増。2%増、北極圏開発18鴻Vアの2030年までの石油生産見込み(2010年策定)2010年代を通じて、ロシアで主力であった西シベリア(チュメニ)のシェアは65%から55%へと下落。これを補うものとして「より遠く」:東シベリア、北極海「より賢く」:西シベリア・バジェノフ層のシェールオイル開発が期待されていた。しかし、ウクライナ問題に端を発する対露経済制裁で、北極海、シェール開発は困難に。替わりに在来型油田への投資、及び「より深く」:コンデンセート層開発更にはガス田深部油層開発が活発化。策定された増産基調は困難であるが、着実な生産量維持・漸増基調へ。19サウジアラビアとロシアの関係?1932年:サウジ建国、最初の外交関係をソ連と?サウド皇太子(2代目国王)がモスクワ訪問?2003年9月:サウジアラビアのアブドラ皇太子(当時)がロシア訪問、生産抑制要請?ロシアは10%超の増産率(水平掘り,水圧破砕)?サウジは市場逼迫から1,100万b/dに向け投資増?ロシアは2004年6月、輸出税率引き上げで対応?2005年に増産ペースは9%から2.5%へ減少?税制による誘導(45%→59%)で緩やかに生産量調整?2008年リーマンショックではOPEC協調減産を宣言?辛うじて-0.7%を実現20鴻Vアの石油生産伸び率の推移2005年の伸び率の急ブレーキは、前年の輸出増税の効果単位\年石油百万t百万b/d伸び率(%)ガスBm319993056.18059120003236.54658420013487.06858120023807.70959520034218.541162020044599.19963420054709.412.564120064809.612.265620074919.832.365320084889.78-0.766320094949.921.2582201050510.22.2650201151110.31.3670201251810.41.3655201352310.51.0668201452710.60.7640ロシアは政策的減産は困難であり、「増産凍結」は最も現実的な対応まとめ? 市場は200万b/d供給過剰。一方、世界の石油需要は毎年120万b/dで上昇→「増産凍結」により2年以内に需給はバランスする? サウジは市場との対話意欲が殆どなく、油価水準を巡り石油市場の混乱継続、OPECの意義喪失? ロシアは技術的理由で減産は困難、現実的な「増産凍結」の方策でOPEC・非OPECの合意取り付けに動く→実効性不明、メッセージ効果を期待? 制裁解除後のイランの増産は22万bbl/dで急速に100万bbl/d増産は困難→ロシアはイランを凍結の枠外へ、他国を説得。4月17日ドーハでの合意を目指す。2122
地域1 旧ソ連
国1 ロシア
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,ロシア
2016/03/25 本村 真澄
Global Disclaimer(免責事項)

このウェブサイトに掲載されている情報はエネルギー・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、機構が作成した図表類等を引用・転載する場合は、機構資料である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。機構以外が作成した図表類等を引用・転載する場合は個別にお問い合わせください。

※Copyright (C) Japan Organization for Metals and Energy Security All Rights Reserved.

本レポートはPDFファイルでのご提供となります。

上記リンクより閲覧・ダウンロードができます。

アンケートにご協力ください
1.このレポートをどのような目的でご覧になりましたか?
2.このレポートは参考になりましたか?
3.ご意見・ご感想をお書きください。 (200文字程度)
下記にご同意ください
{{ message }}
  • {{ error.name }} {{ error.value }}
ご質問などはこちらから

アンケートの送信

送信しますか?
送信しています。
送信完了しました。
送信できませんでした、入力したデータを確認の上再度お試しください。