ページ番号1007360 更新日 平成30年2月16日

OPEC減産合意を踏まえた米国シェール企業の動向

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レポートID 1007360
作成日 2016-12-26 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 セミナー・報告会資料
分野 企業基礎情報
著者 古藤 太平
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年度 2016
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ OPEC減産合意を踏まえた米国シェール企業の動向2016年12月22日調査部古藤 太平1{日の報告内容1. はじめに2. 主要地域のシェールオイル生産動向3. シェールオイル生産の担い手4. 今後の注目ポイント5. 結び2P.はじめに (1)? 米国の石油生産・消費?米国は原油輸入国(2015年輸入735万b/d、輸出49万b/d)、シェールオイルは生産量約450万b/d。?シェールオイルが輸出される可能性は(あるとしても)限定的。油価の上昇が米国の利益になるとは断定できず。? シェール企業はスイングプロデューサーか??需給調整の役割を担うスイングプロデューサーであれば価格支配力を行使して油価を安定させようとする筈。?スイングプロデューサーではなく、プライステイカーとして(価格を所与のものとして)利益を極大化するよう投資・生産を行うと考えられる。3P.はじめに (2)(百万バレル/日)6.0シェールオイル生産量と原油価格(WTI月次平均)推移(ドル/バレル)1205.04.03.02.01.00.0100806040200バッケンイーグルフォードパーミアンその他WTI(右軸)出所:EIAホームページよりJOGMEC作成4P.はじめに (3)?OPEC・非OPEC各国による減産合意を受けてシェール企業各社はリグを追加し増産の機会を窺っているという報道。?過去数年間の低油価に対応して技術革新により生産効率を改善し生産コストを削減してきたと言われる。? 生産効率改善やコスト削減によりバレル当り40ドルの油価でも採算が取れる??技術革新やコスト削減の状況は地域/個社毎に異なると考えられる。5P.はじめに(4)出所:EIAホームページ6Q.主要地域のシェールオイル生産動向(1)バッケンの生産動向?主要な企業はWhiting Petroleum、Continental Resources, Hess Corporationなど。イーグルフォードやパーミアンに生産を移しているものも多く、積極的に生産している企業数は30社程度と見られる。?早く(2008年ころ)から開発が進み既存井からの生産が多いため、減産のペースは比較的緩やか。出所:EIAホームページよりJOGMEC作成7Q.主要地域のシェールオイル生産動向(2)イーグルフォードの生産動向?Devon Energy、EOG Resources、Marathon Oil等が主要プレイヤー、40社程度がシェールオイルを生産している。?DUC(掘削済み未仕上げ坑井、Drilled but Uncompleted)からの生産により100万b/d近くの生産量を維持してきた。しかしながら、開発が本格化したのが2011年頃からということもあり減産のペースも速い。出所:EIAホームページよりJOGMEC作成8Q.主要地域のシェールオイル生産動向(3)パーミアンの生産動向?リグ稼動数は減少しても生産量は増加傾向を続けている(DUCSの数も増加している)。?デラウェアではCimarex Energy、Anadarko Petroleum、EOG バレル/日2,500,0002,000,0001,500,0001,000,000500,0000パーミアン生産量(右軸)リグ稼動数(左軸)DUC(左軸)出所:EIAホームページよりJOGMEC作成9Resources、ミッドランドではPioneer、Apache等が主要なプレイヤー。?200以上の企業が生産している。 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 -Q.主要地域のシェールオイル生産動向(4)主要地域別のシェールオイル開発コストバッケンイーグルフォードパーミアン(ミッドランド)パーミアン(デラウェア)資本的支出(Capital Expenditure)作井(油井数)掘削(Drilling)坑井仕上(Completion)小計(MM$)生産システム(Facilities)生産プラットフォーム(Platform)パイプライン設備(Pipelines)その他(Others)小計(MM$)土地取得費(Acreage Cost)資本的支出計(Capex)資源量(Mmboe)バレル当り資本的支出($/boe)操業費(Operating Expense)12.104.846.9412.264.666.9212.264.666.92技術革新・コスト削減の重点は掘削と坑井仕上げに。水平掘削の延伸、水圧破砕、プロパント等々。0.600.400.600.900.601.2012.185.147.32---0.692.8510.856 0.4325.5---7.939 0.5115.4---8.422 0.1945.5---8.722 0.6413.6シェールオイルと海底油田ではバレル当りの生産コストが同じくらいであっても資本的支出と操業費の割合が異なる(シェールの方が操業費のウェイトが大きい)。リース費用(Lease Operating Expense)集積・処理・輸送等(Gather, Process, Transport)一般管理費(General & Administration)バレル当り操業費($/boe)バレル当り生産コスト($/boe)8.5014.753.0026.2551.88.508.502.7519.7535.28.5011.003.7523.2568.78.5011.753.7524.0037.6EIA "Trends in U.S. Oil and Natural Gas Upstream Costs" March 201611Q.主要地域のシェールオイル生産動向(5)米国メキシコ湾海底油田開発コスト資本的支出(Capital Expenditure)シェブロン/Big Footアナダルコ/LuciusKodiak作井(油井数)掘削(Drilling)坑井仕上(Completion)小計(MM$)生産システム(Facilities)生産プラットフォーム(Platform)パイプライン設備(Pipelines)その他(Others)小計(MM$)土地取得費(Acreage Cost)資本的支出計(Capex)資源量(Mmboe)バレル当り資本的支出($/boe)6--13--81技術革新・コスト削減の重点は生産システムに。FPSO/FSO、TLP、Spar、Semi-Submersible等々。2--1112032,6702593183,247-4,300.00 19821.78586001791,637-2,300.00 2768.34650330795-1,200.00 6518.5シェブロン/Jack/St. Malo30--2401,5008002,5004,800-12,000.00 50024.0操業費(Operating Expense)リース費用(Lease Operating Expense)集積・処理・輸送等(Gather, Process, Transport)一般管理費(General & Administration)バレル当り操業費($/boe)バレル当り生産コスト($/boe)資本的支出の額が同じであってもシェールと海底油田では資本の回収期間が異なり、シェールの方がより変動費に近い性質を持っている。シェールオイルの方が海底油田よりも油価に敏感に生産を調整する一因と考えられる。---------11.0032.7-9.0017.3-8.0026.5-17.0041.0EIA "Trends in U.S. Oil and Natural Gas Upstream Costs" March 201612R.シェールオイル生産の担い手 (1)?EOGResources, Inc.?第3四半期も純損失を計上したが(▲190百万ドル)赤字幅は縮小しており、油価が上昇すれば増産のペースを加速する準備が整っている。単位:百万ドル2014年度2015年度第1四半期2016年度第2四半期第3四半期(財務)売上高当期利益上流設備投資総借入純資産(操業)石油生産(千b/d)うち米国天然ガス生産(百万cf/d)うち米国石油ガス計(千boe/d)うち米国16,6392,9157,9055,910 17,7133693621,3539205955158,656▲4,5254,9286,660 12,9433613601,2658865725081,328▲4725886,986 12,4051,813▲2936346,986 12,0571,988▲1906596,986 11,7983473451,2158295504833523501,1948205514863653581,144791555489出所:決算資料よりJOGMEC作成13R.シェールオイル生産の担い手 (2)?EOGResources, Inc.?足許の石油生産量は回復傾向にある(第1四半期:347、第2四半期:352、第3四半期:365千b/d)。?BillThomas CEOは、原油生産は油価が$50/bならば2020年まで年々15%、$60/bならば20%増加するとしている(第3四半期の原油生産量275千b/dから482~572千b/dに増加)。?9月末時点で行われていた原油価格ヘッジ取引は今年12月31日まで、70,000 b/d、フロア$45.00/b、シーリング$54.25/bのカラー取引のみ。?合わせて2016年の設備投資計画を2億ドル増額し坑井仕上げを増加する見通しを示している。14R.シェールオイル生産の担い手 (3)?ContinentalResources,Inc.?第3四半期も純損失を計上したが(▲110百万ドル)赤字幅は縮小している。(財務)売上高当期利益上流設備投資総借入純資産(操業)石油生産(千b/d)うち米国天然ガス生産(百万cf/d)うち米国石油ガス計(千boe/d)うち米国2014年度2015年度単位:百万ドル第1四半期2016年度第2四半期第3四半期4,2429774,6535,929 4,9681221223133131741742,589▲3543,0437,118 4,669147147451451222222411▲1983597,206 4,475533▲1192667,151 4,367511▲1102546,832 4,261146146506506231231133133518518219219116116549549208208出所:決算資料よりJOGMEC作成15R.シェールオイル生産の担い手 (4)?ContinentalResources, Inc.?石油生産量は引き続き減少している(第1四半期:146、第2四半期:133、第3四半期:115千b/d)。【Continental社の主要生産地域】?Harold Hamm CEOは、従来の中核であるバッケン(ノースダコタ)に加えてSCOOP/STACK*等南部(オクラホマ)の油田の生産が有望であるとしている。* SCOOP : South Central Oklahoma Oil ProvinceSTACK : Sooner Trend Anadarko Basin Canadian and Kingfisher 出所:Continental社IR資料16R.シェールオイル生産の担い手 (5)?Pioneer Natural Resources?掘削・坑井仕上げの最適化やコスト削減努力により第3四半期は増収増益となった(22百万ドルの純利益を計上)。2014年度2015年度第1四半期2016年度第2四半期単位:百万ドル第3四半期(財務)売上高当期利益上流設備投資総借入純資産(操業)石油生産(千b/d)うち米国天然ガス生産(百万cf/d)うち米国石油ガス計(千boe/d)うち米国4,3259303,3682,6488,5811331333773771961963,142▲2732,1753,6558,368144144361361204204632▲2675493,6609,6881621623593592222221,008▲2684453,66410,3791761763413412332331,087228713,21110,424183183332332239239出所:決算資料よりJOGMEC作成17R.シェールオイル生産の担い手 (6)?Pioneer Natural Resources?パーミアンを中心とする生産は増加傾向(第1四半期:162、第2四半期:176、第3四半期:183千b/d)。?ScottSheffieldCEOは、原油生産は2020年まで油価$55/b程度で推移するとしても年15%増加するとしている(第3四半期の原油生産量134千b/dから234千b/dに100千b/d増加)。?9月末時点で行われていた原油価格ヘッジ取引は今年12月31日まで112,000 b/d、フロア$65.41/b、シーリング$75.94/b。2017年は104,973 b/d、フロア$49.07/b、シーリング$62.36/b。18R.シェールオイル生産の担い手 (7)?WhitingPetroleum (JamesVolkerCEO)「第3四半期にリグを2基追加した。油価が60ドルになれば更に増やす予定。」?OasisPetroleum (TaylorReid COO)「油価が45~50ドルに安定すれば需要の増加にはDUCからの生産で対応、更に油価が上昇すれば来年の後半にリグを追加することになる可能性が高い。」? シェブロン今年下半期にリグを8基追加、2020年までに生産量を現状の15万b/dから25~30万b/dに増やす計画。19T.今後の注目ポイント(1)? シェール企業がOPECの減産合意の意図をくつがえすほど大幅な増産を行うか??シェールオイル生産の担い手は多数の中堅・中小企業。個々の企業に価格支配力は無く、市場価格を所与のものとして利益が最大となるように生産を行うと考えられる。?OPEC減産合意により油価が上昇しシェール企業が増産すれば、人件費やリース料も上昇する。?一方的な増産が続くという訳ではない。20T.今後の注目ポイント(2)トランプ大統領のエネルギー政策?雇用創出力のある中堅中小企業にとっては追い風、インフラ整備、環境規制、税制面からの追い風が吹く可能性。? シェールガスの生産動向シェールガスの価格が上昇したらどうなるか?20U.まとめ? シェール企業の増産ペース?技術力・競争力は企業ごとに様々。地質学的知見の蓄積度合い、土地所有権の形態、サービス会社との関係、資本市場からの資金調達→ 新規参入は容易ではない。?油価が上昇すれば生産も一定程度増えるが、2012~14年頃のようにはならないのではないか?22
地域1 グローバル
国1
地域2 中東
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 グローバル中東
2016/12/26 古藤 太平
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