ページ番号1000288 更新日 平成30年2月16日

インダクション検層いんだくしょんけんそう
英語表記
induction logging
略語
IL [ il ]
分野
その他

他の電気検層は電流を地層に流すことによって地層の比抵抗を測定するのに対し、電磁誘導に基づき地層の導電率(比抵抗の逆数)を測定する検層のこと。
一定の強度を持つ高周波交流により地層中に電流を誘導すると、この電流は反転する磁場を起こし、これにより受信コイルに電流を励起する。この電流の大きさは地層の導電率にほぼ比例しており、これにより地層の比抵抗を測定することができる。この原理による測定がインダクション検層の基になっている。インダクション検層器は、発振器と受信コイルの組み合わせを複数のペアとして装備することによって、高い焦点(測定深度が深い)を持つ測定ができ、坑井(泥水)、隣接する地層、インベージョン帯の影響を最小限に抑えることができる。この検層は掘削流体が導電的か否かに係わらず油系泥水あるいはガスの場合においても測定することができる。
実際のインダクション検層器の電極はいろいろな同軸のコイルを組み合わせた機構になっているが、測定原理は図Aのような発信コイル1個、受信コイル1個というシステムを考えることにより理解できる。一定の強さの高周波交流(20 kHz)を発信コイルに送ると、これにより発生する交流磁界により受信コイルに交流信号が誘起される。周囲の媒体が電気的に絶縁体でなく、導体若しくは半導体(例えば地層)である場合は、図Aに示されるような受信器と同軸のうず電流が誘起され、この電流が受信コイルに信号を励起し、この信号は地層の導電率に比例する。したがって、インダクション検層は地層の比抵抗を知るために、複雑な電気回路を使用し不必要な信号を取り除き、このうず電流による信号のみを取り出して地層の比抵抗を測定する。
1950年代に開発されたインダクション検層器はコイル数6個を持ち、主たるコイルの間隔が40インチ(1メートル)の6FF40検層器である。次に開発されたデュアルインダクション検層(Dual Induction Log:DIL*)は感応深度の異なるツールの組み合わせからなり、深い読み値の6FF40(ILd)、中程度の深度のILm、浅い読み値のLL8あるいはSFL*を装備している。その他にInduction-SFL(ISF)、DIL-SFL、Phasor* Induction SFL(図B)と呼ばれるインダクション検層器が使用されている。図CはDIL-SFL とPhasor* Induction SFL の検層記録の比較を示している。AIT*(Array Induction Imager Tool)が最新のインダクション検層器として使用されている。
*:Schlumberger社の商標

図A:インダクション検層器の測定原理
インダクション検層器の測定原理

図B:Phasor* Induction SFLと呼ばれるインダクション検層器
Phasor* Induction SFLと呼ばれるインダクション検層器
出所:Schlumberger(1989)


図C:DIL-SFL(DIT-D)とPhasor* Induction SFL(VR Phasor)の検層記録の比較
DIL-SFL(DIT-D)とPhasor* Induction SFL(VR Phasor)の検層記録の比較
出所:Schlumberger(1989)
VR Phasor検層が垂直分解能と測定値において改善されていることを示している。

(齋藤 克栄、2008 年 2月)