反射法地震探査データ処理における波形を変換して分解能を高める処理項目の一つ。
震源や記録系の特性のために、地下の一つの境界による反射波はパルスではなくウェーブレットと呼ばれる数回程度振動を繰り返す冗長した波形となる。この観測システムの特性によるウェーブレットを、パルスや、より繰り返しの少ない波形に変換する処理。Wavelet（signature） deconvolutionとも呼ばれる。ウェーブレット処理にはウェーブレットの抽出を必要し、これを推定するには、孤立する海底反射波を取得するなどウェーブレットを直接観測して求める方法とデータから統計的に求める方法とがある。同様な波形処理にデコンボリューション・フィルター（デコンボリューション）があるが、これは重複反射の除去や地層の吸収特性の補償を主目的とする。通常は、ウェーブレット処理を実施し、観測機器の特性を除去した後、デコンボリューションフィルターを適用し、多重反射を含む地層特性の除去を行う。

（川中　卓、2008 年 5月）