ページ番号1000305 更新日 平成30年2月16日
ウォーターカットうぉーたーかっと
- 英語表記
- water cut
- 分野
- その他
坑井から生産される液体に含まれる水分の比率をパーセントで表したもの。
油ガス田の地下から生産される流体は原油という液体、ガス、地層水という液体であるが、これらは販売、輸送など先立って、井戸元の生産施設において、需要家に渡せる形に処理される。まず、セパレーターによって、原油から随伴ガスと地層水が分離され、またガスからはコンデンセートと地層水が分離される。このとき計量される液体中の地層水の比率がウォーターカットである。天然ガスのパイプライン輸送においては、水分が残っていると圧力の低下に伴いガスハイドレートを生じてパイプ中に目詰まりを起こす恐れがあるので、ガスデハイドレーターによって水分を除去する。
ウォーターカットは通常、油ガス田の操業初期においては小さいが、生産の継続とともに、油と低層の地層水(あるいはガスと低層水)との界面の上昇や、ウォーターコーニング(原油やガスの一定以上の生産速度によって、低層水面が坑井に向かって円錐状に盛り上がってくる現象)によって、次第に、あるいは急激に増大する。ウォーターカットの監視や適切な制御は、原油の生産量に大きな影響を与えるため、油ガス田管理における重要な項目である。
(森島 宏、2010年5月)