ページ番号1000310 更新日 平成30年2月16日
海の境界画定うみのきょうかいかくてい
- 英語表記
- sea boundary delimitation
- 同義語
- 中間線の原則 [ ちゅうかんせんのげんそく ]
- 分野
- その他
向かい合っているかまたは隣接している海岸を有する国の間において、海の境界を画定するにあたり、いかなる規則を適用するかの問題がある。
(1) 領海の境界:いずれの国も別段の合意がないかぎり、両国の領海基線から等距離にある中間線を超えてその領海を拡張することができない。もっとも、この規則は、これと異なる方法で境界を定めることが歴史的権原その他特別の事情により必要であるときには適用しない。つまり、等距離・中間線の原則が適用されることになる。
(2) 排他的経済水域および大陸棚の境界:大陸棚条約では、大陸棚の境界は関係国の合意により決定される。合意がない場合には、特別の事情により他の境界線が正当とされないかぎり、領海基線から等距離の線とするとした。しかし、この等距離・中間線の原則は、その後の国際判例において慣習法を反映するものではないと批判され、境界画定には衡平の原則を適用すべきであるとする立場が強まった。この問題について、国連海洋法条約では、排他的経済水域と大陸棚の境界画定は、衡平な解決を達成するために、国際司法裁判所規程第 38 条に規定する国際法に基づき、合意により行うと規定するにとどまった(第 74 条、第 83 条)。しかも、締約国はこの種の紛争について、国際裁判所の管轄権の除外を宣言できるので、境界は関係国の合意によって画定されることが多くなるものと考えられる。