ページ番号1000311 更新日 平成30年2月16日

ウムアダルク油田うむあだるくゆでん
英語表記
Umm Al-Dhalk oilfield
分野
油・ガス田

アラブ首長国連邦の首都アブダビの西北西方約 25km のアラビア湾(ペルシャ湾)陸棚(水深 9 ~ 21m )に位置する油田。
ADMA 社により 1969 年に発見され、UDECO 社により開発されて 1985 年に生産が開始された。生産された原油は、海底パイプラインで上部ザクム油田(ザクム油田の項参照)に送られ、同油田の原油とブレンドしてジルク島から出荷されている。なお UDECO 社は、本油田の開発のために日本のジャパン石油開発(株) が主体となって編成した操業会社であったが、1988 年に現在の操業会社である ZADCO に統合された。ジャパン石油開発(株) が本油田の 12 %の権益を持つ。
地質区としてはアラビア卓状地に属し、集油形態はドーム構造と層位封塞の複合トラップ、集油面積は約 150km2 。油層は白亜紀ミシュリフ層の石灰岩で、深さは 2,300 ~ 2,550m 。究極可採埋蔵量は、油が約 5 億 bbl 、ガスが約 6.3TCF と見積もられている。原油性状は、比重 31.0°API 、イオウ分 1.9%。油層の圧力維持のため、油層への水圧入(水攻法)が実施されている。産油量、累計生産量はともに公表されていない。

主文献『世界の大油田』(1984)、ZADCO “Oil and People” (1993)、『石油・天然ガス資源の未来を拓く』(2004)
(齊藤 隆、2006 年 8 月)