ページ番号1000313 更新日 平成30年2月16日
- 英語表記
- Urengoi Gas Field
- 分野
- 油・ガス田
西シベリア・チュメニ州北部で 1966 年に発見された世界最大のガス田で、1980 年 1 月 1 日現在の確認プラス推定埋蔵量は 7 兆 7,700 億 m3(274Tcf)以上といわれ、1978 年に生産が開始されている。鉱床は長さ 200km 以上、幅は 20~30km にわたる背斜褶曲構造{はいしゃしゅうきょくこうぞう}であり、深度 1,000 ~ 3,500m の範囲で 15 層のガス層が確認されている。鉱床の層厚は 3 ~ 150m であるが、それぞれの層は 0.4 ~ 21m の挟み(ガスを貯留していない層)をもっている。主貯留層は深度 1,100 ~ 1,250m の白亜紀後期のセノマニアン階にあり、貯留岩は砂岩、シルト岩である。セノマニアン貯留層の確認埋蔵量は 6 兆 1,800 億 m3(218Tcf)であり、長さ 180km 、幅 15 ~ 37km に広がる有効層高 37m 、孔隙率{こうげきりつ} 27 %の大貯留層である。この巨大ガス田のガスを西ヨーロッパへ供給する投資額 150 億ドルの大プロジェクトが 1980 年に具体化し、1984 年より一部の供給が開始された。このプロジェクトのためにウレンゴイからチェコスロバキア国境のウシュゴロドまで 4,451km 、さらにチェコスロバキア、東独領土内 1,000km を経由して西欧へ続く総延長約 5,500km 、口径 1,420mm のパイプラインが建設された。このパイプラインの輸送能力は 320 億 m3/年(LNG 約 20 百万トン/年相当)といわれており、西独、フランス、イタリア、オーストリア、スイスなどへこのガス田のガスが供給される。