ページ番号1000319 更新日 平成30年2月16日
エアガンえあがん
- 英語表記
- air gun
- 分野
- その他
水中で圧縮空気を瞬間的に放出し、その衝撃波を震源とする。海上の反射法調査では最も一般的に使用される震源である。
一度放出された空気は、海上に達するまでに水の圧力で縮んだり膨れたりの振動を生じる。これはバブル振動と呼ばれ、震源としては不適切なもので、除去するためのさまざまな工夫が考案されてきた。
エアガンアレイは、複数の空気容量をもつエアガンを組み合わせ、バブル振動がうまく打ち消しあうように調整する。これは、バブル振動の周期が空気容量の大小で変わることをうまく利用したものである(Tuned Air Gun と呼ばれる)。トリガンと呼ばれるエアガンでは、3個の同じ容量のエアガンを近接して三角形状に配置し、その干渉作用を利用してバブル振動によるノイズ発生を抑える工夫がなされている。発生するエネルギーは、空気容量と圧力で規定される他、ガンの深度によりノッチ周波数やバブル周期が変化することに注意する必要がある。資源探査を目的とする海上3次元探査では、エアガンアレイを複数曳航することにより、ガン容量を増やしたり、交互に発震することで作業効率を向上させるなどの工夫がなされている。このように複数のガンをコントロールするため専用のエアガン制御装置が開発されている。エアガン制御装置は、実際の個々のエアガンの発震をモニターし、エラーを監視するとともに、発震の遅延時間などを細かく制御する装置である。
エアガンによる調査を精密に解析処理する場合、震源波形観測を実施する。これは、水深の深い海域で、100m程度にハイドロホンを曳航し、エアガン波形を計測する。
(黒田 徹、2008 年 3月)