ページ番号1000324 更新日 平成30年2月16日

液化天然ガスえきかてんねんがす
英語表記
liquefied natural gas
略語
LNG
分野
製品

 メタンを主成分とする天然ガスを、水分、硫黄化合物、二酸化炭素などの不純物を除去した後、超低温に冷却、液化したもの。LNG と略称する。
 天然ガスは約-160 ℃で液化するが、液化すると気体の約 600 分の 1 の体積となり、輸送・貯蔵に便利となる。したがって、天然ガスのピークシェービングの手段として LNG 化して一時貯蔵したり、遠方であったり供給地域が分散してパイプラインによる天然ガス輸送が困難な場合、LNG 化して輸送される。
 生産地で生産された天然ガスがベース・ロード用 LNG となって消費地に輸送されて消費されるプロセスは図のとおりである。すなわち、油田またはガス田で生産された天然ガスから、液化基地における脱水プロセス、酸性ガス除去プロセス、水銀除去プロセスで、水分、酸性ガス、水銀などが除去され、重質分が抽出される。精製された天然ガスは LNG 製造プロセスで冷却液化され、LNG タンクに一時貯蔵される。そこから LNG は LNG タンカーで海上輸送され、LNG 受入基地の LNG タンクに貯蔵された後、LNG 気化装置によって天然ガスに戻され、パイプラインによって消費者に供給される。
 ピークシェービングを目的とする LNG 貯蔵は、天然ガス供給が広域にわたって大規模に普及している地域を中心に世界各地で行われている。
 天然ガスを LNG として海上輸送する事業は、技術的には 1959 年に、貨物船を改造した LNG タンカーによって、ルイジアナで液化された LNG を大西洋を渡って英国まで輸送する試みに成功したことで道が開かれた。その後アルジェリアで大量に発見された天然ガスをヨーロッパに輸送して利用したいという課題を抱えていたフランス、英国と上記の試みを成功させた米国のコンチ社とが協力して、1964 年にアルジェリアに本格的な液化工場を建設し、新たに設計、建造した LNG タンカーによって、フランスと英国に LNG を輸出する事業を成功のうちに開始したのが事実上の端緒となった。
 これにより、産出地近辺では使い途がなかった天然ガスがガス需要のある先進国に輸出できることが実証され、その後、アルジェリアから欧米各国への輸出が次々と実現したほか、アラスカ、ブルネイ、インドネシアからわが国へ、リビアからイタリアとスペインへのLNG輸出が開始された。その後、天然ガスおよびLNG需要の増加を受けてLNG輸出入が拡大し、2009年末時点ではLNG輸出国が17、LNG輸入国が22となった。2008年の世界のLNG貿易量は約1.67億トン/年(2,260億m3/年)となっている。世界各地で天然ガス需要は増加していくことが予想され、天然ガス生産地域からのパイプライン敷設が困難、もしくは可能であっても供給多様化の目的から、今後も数多くのLNG出荷基地、LNG受入基地が計画されている。

図 LNGの生産から消費まで
(堀 和秀、2006年3月、2010年2月改訂)