ケーシングや坑井仕上げ用の鋼管を坑井内の所定の位置に降下した後に、膨張・伸延させて管径を大きくする技術またはその鋼管そのもののこと。
現在、商業的に実用化されているエクスパンダブル・チューブラーには、ソリッドエクスパンダブル・チューブラーとエクスパンダブル・スクリーン2つの種類がある。ソリッドエクスパンダブル・チューブラーは、エクスパンダブル・ケーシングを予定深度まで降下した後、セメントを注入し、セメントの硬化が進む間に、内部を加圧しながらエクスパンションコーンを引き上げることによってケーシングを押し拡げ、既に設置されているケーシングとほぼ同径のケーシングをその下に設置できる。坑井のスリム化（究極には単一坑径の坑井）、腐食などの損傷したケーシングの補修、補修ケーシングによる水層の分離などに利用される。エクスパンダブル・スクリーンは、出砂対策仕上げのために使用されるサンドスクリーンにエクスパンダブル技術を適用したものである。エクスパンダブル・スクリーンを用いることによって、設置したスクリーンの径を拡げて坑井との隙間を小さくし、出砂防止効率を向上させたスクリーンを設置できる。


エクスパンダブルチューブラー

（出所：石油開発時報，2006）

（長縄　成実、2009年3月）