ページ番号1000332 更新日 平成30年2月16日

エコフィスク油田えこふぃすくゆでん
英語表記
Ekofisk Oilfield
分野
油・ガス田

ノルウェー南部の港町スタバンゲルの南西方約 310km のノルウェー領北海(水深 60 ~ 70m )に位置する、北海で最初に本格生産がなされた油田。
近隣の油田を含めてエコフィスク油田群ということもある。米国のフィリップス社により 1968 年に発見され、1971 年に生産が開始された。本油田で生産された原油は海底パイプライン(口径34インチ、長さ 345km )で英国のティーサイドへ、天然ガスは海底パイプライン(口径36インチ、長さ 442km )でドイツのエムデンへ送られている。これまでに原油暴噴事故、メイン・プラットホーム沈下などのトラブルを起こしている。  
地質区としては北海盆地(リフト盆地)内のセントラル地溝に属し、集油形態は岩塩の貫入により形成されたドーム構造、集油面積は 48.5km2 。油層は白亜紀~第三紀暁新世のチョーク(石灰岩の一種)で、深さは約3,000m である。発見当時に発表された究極可採埋蔵量は、原油 15 ~ 17 億バレル、ガス 4 ~ 5 兆立方フィートであった。原油比重は 41.1°API 、イオウ分 0.2 %。また、油田群全体のブレンド油性状は、比重 43.4°API 、イオウ分 0.14%。  
生産量は、1998 年に原油 37 万バレル/日台を記録したが、それ以降は 25 万バレル/日台で推移している模様。これまでの生産トレンドから見て、累計生産量は上記の究極可採埋蔵量を超えて20億バレル前後に達しているものと推定される。

主文献『世界の大油田』(1984)、『石油地質・探鉱用語集』(1989)、“Structural Traps IV”(1990)、『北海油田 ―30年の軌跡― 』(2000)
(齊藤 隆、2006 年 3 月)