ページ番号1000333 更新日 平成30年2月16日
- 英語表記
- escalation clause / escalator clause
- 同義語
- escalator clause
- 分野
- その他
天然ガスまたは LNG 長期売買契約の価格調整規定で契約期間中に契約価格は一定の条件の下で引き上げられることが定めてある。
これには、いくつかのタイプがあるが、LNG のエスカレーション条項は、歴史的にも新しく、米国における天然ガスの売買契約のエスカレーションのあるタイプをモデルにしている。
(1) あるガス田ないしある産ガス地域の生産者 A からガスを購入するパイプライン会社が、将来同ガス田ないし同産ガス地域の生産者 B からもガスを A より高い価格で買う場合は、そのとき以降、A のガス価格は、B のガス価格と同価格とする、と定めるもの。
(2) あるガス田ないしある産ガス地域の生産者から購入するパイプライン会社は、将来、同ガス田ないし同産域のガスが他の買手によってより高く購入されるようになった場合は、そのとき以降その高い価格と同価格で購入する、と定めるもの。
(3) 2 年、3 年、4 年ないし 5 年といった一定期間経過後、売り手と買い手がその時点のガス市場価格をベースに契約ガス価格の見直しをするために交渉する、と定めるもの。
(4) 生産者に支払うガス価格は、その購入者であるパイプライン会社が配給会社に卸すガス価格の値上げが認められたときに、自動的に値上がりする、と定めるもの。
(5) 当初ガス価格(ベース・プライス)が一定期間経過ごとに単数ないし複数の変数と連動して変動するよう定めるもの。
変数の数も、内容も契約ごとに異なっている。LNG のエスカレーションのモデルにしばしばこのタイプが用いられる。一般に、代表的な変数はガス契約の場合、国内市場の燃料油の価格、国際的な LNG 取引の場合は、国際原油価格(通常複数の平均原油価格)で、これと他の変数を組み合わせた分数式とベース・プライスとの積の形で契約ガス価格が定められる。例えば、ベース・プライスを Po 、ベース・プライスを決めたときの変数値を a 、b 、c 、一定期間後の変数値を a'、b'、c'、各変数の価格に対するウェイト率 50 %、30 %、20 %とすると、契約ガス価格はとなる。