エスクロー（escrow）は、条件付発効証書のこと。
もとは土地の供与または譲渡の場合に用いられたが、現在では広義に使われている。すなわち、当事者の一方がある目的物を第三者に預託し、ある条件が満たされたとき、もしくはある事由が発生したときに、その第三者から当事者に渡されるその目的物（なつ印証書、契約書、確定債務証書その他の証書類）をいう。これを信用状取引に導入したのがエスクロー信用状であり、主としてバーター取引のために用いられる。すなわち先に輸入した方が、その代金を為替銀行に積み立て、後から輸入する方はその勘定を取り崩して決済する。このとき開設される勘定がエスクロー勘定である。さらに、こうした方式はバーター取引に限らず、一般の投資プロジェクトにも使われることが多く、特にプロジェクト金融（project financing）ではプロジェクトの推進者（個人、法人など）の信用に基づかずプロジェクト自体の成果の信用に基づいて金融が行われるので、さまざまな局面でエスクロー勘定が用いられ、信用力の支援もしくは強化に使われている。