塩水泥水とは、塩分濃度が 10,000ppm 以上の水を使用した泥水をいう。
海水泥水（seawater mud）、飽和塩水泥水（saturated salt mud）なども塩水泥水に含まれ、次の場合に使用される。(1) 海洋掘削などで清水の入手が困難であるか、入手できても非常に高価となり、海水を使用した方が経済的な場合。（海水泥水）(2) 崩壊性頁（けつ）岩層などの水和、膨潤を防ぐために、その地層の塩分濃度より高い濃度が必要な場合。（塩水泥水）(3) 岩塩層を掘削する場合。（飽和塩水泥水）以前は清水をベースとした泥水に塩分を混入した泥水は、その維持が非常に面倒であったが、塩水中でも、比較的高い粘性や良好な泥壁形成性を示すベントナイト、少量で高い粘性、イールド・バリューを示すクリソタイル系アスベスト、塩類に強いポリマー類などの調泥剤が、現在は使用できるので塩水泥水の維持は容易となった。