ページ番号1000353 更新日 平成30年2月16日
- 英語表記
- entitlement program
- 分野
- その他
米国において 1974 年 11 月から 80 年 12 月まで実施されていた、製油所の原油調達コスト均等化のための制度。
1973 年から始まった国際原油価格の高騰に対して米国政府は、国産原油価格の規制を実施したが、その際、旧来の油井からのオールド・オイルと新しく掘削される井戸からのニュー・オイルとでは差をつけ、オールド・オイルは旧来の価格並に抑制した。またこの両価格とも高騰した輸入原油価格よりは低い価格であった。このため各製油所の原油調達コストに著しい格差を生じることになったため、これを回避し、独立系の中小精製業者を保護する目的でこの制度が導入された。(その後 1976 年 4 月に修正)。1976 年 4 月の修正後のプログラムによると、エンタイトルメントとは、精製業者に自己の精製する原油として一定量のオールド・オイルを入手する権利のことで、全国平均原油調達コスト以上の高コスト精製業者にはこの権利が付与され、この権利をその時々のエンタイトルメント価格で売却することによってコスト・ハンディキャップをカバーすることができる。また逆に低コスト精製業者にはこれを購入することが義務付けられ、オールド・オイルの精製業者への供給量を全国的に平均化することを目的とした。この制度のおかげでコスト競争力に差が出ないため、1970 年半ばから後半にかけて二次設備を伴わない中小業者の安易な新規参入が相次いだが、1981 年 1 月以降国産原油価格規制撤廃とともにエンタイトルメント・プログラムも消滅し、石油需要の低下、投入原油の重質化および製品の白油化傾向とも相まってこのような中小業者は過剰設備の廃棄か二次設備の導入・強化を強いられた。