ページ番号1000357 更新日 平成30年2月16日

オーバーライディング・ロイヤルティおーばーらいでぃんぐ ろいやるてぃ
英語表記
overriding royalty
分野
その他

通常は、地主(lessor)に支払われるロイヤルティとは別に借地者(lessee)の持つワーキング・インタレストの譲渡に当たって創出されるロイヤルティのことを指す場合が多い。
地主の受け取るロイヤルティと同様、探鉱・開発・生産コストを負担することなく地中の鉱物に対して有している権利であるが、借地者がそのワーキング・インタレストを権原として自分のために創出する点で異なっている。このためワーキング・インタレストがなくなればオーバーライディング・ロイヤルティも消失する。オーバーライディング・ロイヤルティにはワーキング・インタレストの所有者がそれを他者に譲渡するに際して、その一部を操業コスト負担なしで留保(retained)した形のものと、逆に操業のための資金を調達するなどの目的のためにワーキング・インタレストの一部を操業コスト負担なしの権益として他者に有償で譲渡するために切り離した(carved out)形のものとがある。オーバーライディング・ロイヤルティを留保してワーキング・インタレストを譲渡する場合には、譲受者がそのインタレストを放棄する前に譲渡者にその旨通知し、譲渡者に再譲渡するよう要求できることを定めている場合が多い。またファーム・アウト協定でこのインタレストが留保された場合、譲受人が投下コスト回収(pay out)を果たした時点でこのインタレストを元の譲渡人のワーキング・インタレストへ切り換える(convert、あるいはback-in)譲渡人(すなわち元のlessee)の選択権をあらかじめ織り込むことが多い。オーバーライディング・ロイヤルティにはしばしば前にネットあるいはグロスという言葉を付けて使われることがあるが、これは単にオーバーライディング・ロイヤルティ x %といった場合、地主に対するロイヤルティを含めた全生産の x %(グロス)なのか、これを除いたワーキング・インタレストのみの x %(ネット)なのかを明確にする必要があるからである。例えばネット・オーバーライディング・ロイヤルティ 5 %といえば、全生産量から地主のロイヤルティ(例えば 12.5 %)を差し引いた残りの生産量(87.5 %)の 5 %、すなわち全体の 4.375 %ということになる。オーバーライディング・ロイヤルティの大きさには特にきまりがあるわけではないが、1/8 以下の場合が普通で、1/16 、1/32 、あるいはさらに小さいケースが一般的である。また、オーバーライディング・ロイヤルティという言葉は以上のような意味のほかに、地主の設定する元来のロイヤルティが、伝統的な率である 1/8 以上である場合に、1/8 を超える部分をオーバーライディング・ロイヤルティと呼ぶことがある。