ページ番号1000396 更新日 平成30年2月16日

音波検層おんぱけんそう
英語表記
sonic log
同義語
ソニック検層 [ そにっくけんそう ]
分野
その他

坑井内において音波を発信し、坑壁近傍の地層の一定区間を伝播する音波の走行時間を連続測定し、震探解析用のデータ、岩相、孔隙率の情報を取得する検層である。
音波検層は超音波を利用するもので、発信器(transmitter)と受信器(receiver)を備えた検層器を坑井内に降下して、地層中を一定区間(1ftまたは3ft)走行する音波の走行時間を測定する検層である。時間の単位は1ft当たりのマイクロ秒(μsec/ft)で表される(マイクロ秒は百万分の1秒)。この走行時間は岩石の種類によって異なるので、その変化を測定することによって岩相、孔隙率等の物理的性質を解明することができる。図Aに音波検層の測定原理を示す。円筒状の筐体中に磁気歪みトランスデューサの1個の発信器 (T1) と2個の受信器 (R1 及びR2) が配置され、発信器より毎秒15~20回の割合で音波(周波数20~30kHz)をパルス(pulse)として地層に向かって発信する。音波パルスを発信すると、その音波エネルギーは泥水を通ってある角度(音波伝播の臨界角度)で裸坑壁に入り、その壁に沿って地層を走行し、再び泥水を通って各受信器に到着する。二つの受信器に到達する音波パルスの走行経路はTBCR1とTBDR2でこの差がCD間の走行時間として表される。図Aの右に発信器からの音波発信形、受信器での受信波形をそれぞれ示してあり、図中のΔt(時間ABの差)が測定される走行時間である。いろいろな物質の音波走行時間を表Aに示す。音波検層が石油鉱業で使用される主な目的は、音波走行時間(又は音波速度)と孔隙率との間にある関係があり、これにより地層の孔隙率を算出することができるからである。圧密を受けた地層の場合、マトリックスの音波走行時間(Δtma)と流体の音波走行時間(Δtf)が知られていれば次式より孔隙率(Φ)を求めることができる。ここで、Δtlogは測定される音波走行時間である。
数式
最近使用されている音波検層器はBHC型(坑井補償型音波検層器、borehole compensated type)で、坑径の拡張によって生じる検層器の傾斜による測定値への誤差を取り除くように設計されている。図Aの初期の音波検層器に対し、このBHC型では、二つの発信器を上下に配置し、その間に対になった四つの受信器が取り付けてある(図B参照)。孔隙率は、地上の測定パネル内に組み込まれたコンピューターで計算し、孔隙率曲線として記録する。図Cに、記録されたBHC型音波検層柱状図(acoustic logあるいはsonic log)を示す。現在は、デジタル記録により音波の全波形、P波、S波、ストンリー波を記録する検層が使用され、この検層データから岩石物性(ポアソン比)、フラクチャー等の情報を得ることができるようになった。この検層として、Array Sonic Digital Tool (SDT)やDipole Shear Sonic Imager(DSI*)がある。
*:Schlumberger社の商標

図A:初期の音波検層器と測定原理
初期の音波検層器と測定原理

図B:BHC型
初BHC型
上下に発信器(Upper Transmitter及びLower Transmitter)を配置し、2対の受信器(R2-R4及びR3-R1)を持つBHC型音波検層器。この2対の受信器のデータから音波走行時間を求め、その平均値を取ることにより検層器の傾斜及び坑径の変化による誤差を除去することができる。
出所:Schlumberger (1989)


図C:BHC型音波検層柱状図
BHC型音波検層柱状図

表A:各種物質の代表的な音波走行時間と速度

物質名
音波走行時間
(μsec/ft)
速度
(ft/sec)
232
4,300
水(泥水)
200~189
5,000~5,300
頁岩
167~62.5
6,000~16,000
岩塩
66.7
15,000
砂岩
55.6
<18,000
硬石こう
55.0
20,000
炭酸塩
47.6~43.5
21,000~23,000
白雲石
42.0
24,000













(齋藤 克栄、2008 年 2月)