ページ番号1000432 更新日 平成30年2月16日

海洋の科学的調査かいようのかがくてきちょうさ
英語表記
marine scientific research
分野
その他

海洋の科学的調査は、かつては公海自由の原則の一部を成し、沿岸国の領海に入らないかぎり自由であった。
大陸棚条約において初めて領海外でも大陸棚に関する現地調査は沿岸国の同意が必要となったが、純粋に科学的な調査を行う目的で資格のある機関が要請したとき、通常、同意を与えることを拒絶できないことになっている。
その代わり沿岸国はその調査に参加することができ、また調査結果はいかなる場合にも公開されなければならない。1970 年代に入り、200 海里漁業水域あるいは排他的経済水域を設定することが一般化してきたが、その場合、漁業に関する調査は沿岸国の許可が必要であり、わが国の漁業専管水域も例外ではない。しかし公海についての科学的調査は自由である。国連海洋法条約に至って初めて海洋の科学的調査全般が体系的に法制化された。すなわち、領海内の調査は沿岸国の明示の同意とその定める条件の下にのみ実施することができる。
群島水域は国際海峡に準じた取扱いで、調査・測量を行おうとする外国船舶は沿岸国の事前の許可を必要とする。排他的経済水域と大陸棚については、沿岸国は科学的調査を規制し、許可し、および実施する権利を有している。他の国または権限のある国際機関が科学的調査を実施するときは沿岸国の同意を必要とするが、この同意は黙示でもよいとする点領海の場合の同意よりも規制が弱く、実態上事前通告制に近い。沿岸国も通常の状況下では同意を与える義務があり、与えなくてもよい場合は生物・非生物資源の調査、爆発物を使用したり掘削を伴う調査などに限られている。なお、領海基線より 200 海里以遠の大陸棚の場合、上部水域は公海となる。公海および深海底に関する科学的調査は、公海下の大陸棚の部分を除き原則として自由が認められている。排他的経済水域内または大陸棚上で科学的調査を行ったときは沿岸国の要請により、すべての資・試料を沿岸国の利用に供したり、写しを提供したりすることを約束しなければならない。また一般的に科学的調査の計画、目的についての情報並びに結果の知識を公開・提供すべきであるとしている。しばしば科学的調査の結果は、資源開発の初期段階として重要な役割を果たすところから、“純粋”の科学的調査と“商業的”探査と区別が可能かという議論が生じる。しかし、国連海洋法条約の科学的調査に関する条項の文脈から判断すると、両者を識別する最も重要な点は国際協力と情報および知識の公表および普及いかんにかかっているように思われる。