ページ番号1000435 更新日 平成30年2月16日

会話型データ解釈システムかいわがたでーたかいしゃくしすてむ
英語表記
interactive interpretation system
分野
その他

地震探査データ解釈のためのソフトウェア、およびそのソフトが稼動するワークステーションあるいはパソコンなどのハードウェアを含めたシステム全体を指す。
地震探査データ解釈とは、反射法地震探査断面図に対して、既存の地質情報(坑井データなど)を参考にしながらいくつかの特徴ある反射面を追跡していき、地質構造解釈を行うものである。会話型データ解釈システムは1980年代に登場したが、それは3次元地震探査が一般的なデータ取得法として用いられるようになってきた時代である。会話型データ解釈システムが登場する以前は、紙に印刷された(あるいはプロッター出力された)反射記録断面図に色鉛筆(と消しゴム)で反射波を追跡するのが普通であったが、解釈作業は試行錯誤を伴う非常に面倒な作業であり、3次元地震探査のような大量のデータを扱う場合は膨大な作業時間がかかってしまい現実的ではなかった。会話型データ解釈システムにより、垂直断面図だけではなく、タイムスライスや任意の方向に切った断面図、あるいは3次元的な鳥瞰図{ちょうかんず}などいろいろな方向から構造解釈を検討することが可能になり、解釈の精度も大きく向上することとなった。ここ10年ほどはコンピューター及びグラフィックスの高速化により3次元可視化機能も充実し、反射記録断面や解釈ホライゾン、断層などの3次元的な表示により、実際に地下に潜って地層や断層を見ているようなバーチャル・リアリティ的な効果を得ることもできるようになった。また3次元地震探査データボリュームのオパシティー(Opacity:不透明度)を変えて表示することにより、例えば強振幅の反射波をもたらす構造を抽出することも可能となった。
ソフトウェアとしては地震探査データ解釈だけでなく、地震探鉱データや坑井データなどのデータベース機能、地質モデリング、アトリビュート解析、AVO処理、油層シミュレーションなどオプションにより物探、地質、開発技術者が統一して扱えるようなシステムになっているものが一般的になっている。

(西木 司、2008 年 3月)