ページ番号1000478 更新日 平成30年2月16日
- 英語表記
- cased hole logging
- 分野
- その他
ケーシングによって保護された坑井内で実施する物理検層のこと。
その目的により、次の4種に大別される。
(1)ケーシング降下後に実施するセメンチングの良・不良の判定のためのセメント・ボンド検層(cement bond logging:CBL)及びバリアブル・デンシティ・ログ(variable density log:VDL)。CBLは音波検層の原理を応用してケーシングとその背後のセメントとの膠着度{こうちゃくど}の評価に使われ、VDLは地層とセメントとのこう着状態評価に使われる。
(2)採収井における油・ガスの産出状況、又は圧入井における流体の圧入状況を評価するためのプロダクション検層。
(3)油の産出に伴い油層部に浸入する水またはガスのモニターとして実施される検層。この型の検層種目としては、比較的に塩分濃度の高い地層水の水飽和率を測定するためのサーマル・ディケイ・タイム検層(thermal decay time log:TDT log)、塩分濃度の低い水飽和率を測定するための炭素-酸素検層(carbon-oxygen log)、油層部へのガスの浸入を測定するための中性子検層(neutron logging)などがある。このような検層種目をある生産期間を隔てて実施することにより、油・水界面や油・ガス界面の推移の評価が可能となる。
(4)坑井内における各種のトラブルの診断のための検層。この型には、ケーシングやチュービングのリーク箇所の調査に使われる高感度測温器 (high resolution thermometer) →温度検層、ケーシングやチュービングの内壁の腐食状況調査用として微小な変化を検知するキャリパー検層(caliper log)、ケーシング裏側の流体の流れを検知するためのノイズ・ログ(noise log)などがある。
このほか、地層から放出される天然のガンマ線の強度を測定して砂岩層と頁岩層との判別などに用いられるガンマ線検層(gamma ray logging)やケーシングの接続ねじ部を検知するケーシング・カラー・ロケーター(casing collar locator:CCL)は、裸坑で実施された検層(open hole logging)との対比や深度チェックのために、上記(1)~(4)の種目と同時に行われるのが普通である。
(注)上に述べた検層の種目名は一般に使われているものを挙げたが、検層サービス会社によっては異なる名称を用いていることがある。
(齋藤 克栄、2008 年 2月)