ページ番号1000501 更新日 平成30年2月16日

ガス脱湿プロセスがすだっしつぷろせす
英語表記
dehydration of natural gas
分野
その他

ガス中の水分を除去するプロセス。
坑井から産出する天然ガス中に含まれる水分は、処理・輸送中に水蒸気の露点以下に冷えると遊離水となり、温度・圧力条件によってはガスハイドレートを生成する。これは固体であるので、配管の閉塞{へいそく}などのトラブルの原因となる。また遊離水が配管の低部にたまり、脈動流による振動などトラブル要因となる。これらを防止するために脱水処理をする必要がある。一般にパイプラインに送り込まれる天然ガス中の水分は、 6.5 ポンド/百万立方フィート( 0.11g / ノルマル立方メートル)以下に処理される。また天然ガス液化設備、コンデンセート低温回収設備など、0 ℃以下でガスを処理する設備では、ガス中に微量の水分が存在するだけでも長期間の運転では、蓄積した水によるトラブルが起きるため、前処理で原料ガスを通常 1ppm(百万分の 1 )以下までほぼ完全に脱湿する必要がある。脱湿プロセスとしては以下が用いられている。
(1) 溶液吸収法:大量のガスを通常の輸送用脱湿仕様まで処理する場合、経済的であるので一般に用いられるプロセスである。吸収液としては、モノエチレングリコール(MEG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)などが用いられているが、このうち蒸発損失が少ない TEG が最も広く用いられている。プロセスフロー例は以下のとおりである(図参照)。ガスは脱水塔(吸収塔)で吸収液と向流接触し脱水される。水分を吸収した吸収液は放散塔(再生塔)で減圧、加熱され、水分を放散した後、脱水塔へ循環される。最近では、加温に際し、タービンの廃熱を利用するなど省エネルギー化が図られている。
(2) 固体吸収法:少量のガスを処理する場合に用いられ、塩化カルシウムを吸収剤として用いる。
(3) 固体吸着法:少量のガスを処理する場合や、脱湿仕様が厳しい場合に用いられ、1ppm 以下まで脱湿可能である。吸着剤としては、モレキュラーシーブ、アルミナ、シリカゲル、シリカアルミナなどが用いられ、通常 2 基以上の吸着塔で交互に吸着、減圧・加熱による再生のサイクルを繰り返す。
(4) 冷却分離:高圧の原料ガスの断熱膨張による自己冷却や、プロパンなどの冷媒による冷却によりガス中の水分を凝縮分離する脱水プロセスである。低温部でのガスハイドレート生成を防止するため、グリコールやメタノールを注入するものや、薬品を注入せず生成したガスハイドレートを加熱分離するものがある。

図 ガス脱湿プロセス
(江波戸 邦彦、2006 年 3 月)