ページ番号1000515 更新日 平成30年2月16日
岩塩ドームがんえんどーむ
- 英語表記
- salt dome
- 同義語
- ソルト・ドーム [ そると どーむ ]
- 分野
- その他
岩塩が、その上位に堆積{たいせき}した砕屑岩{さいせつがん}類との間の比重差によって、涙滴状または円柱状に上昇し形成した構造の総称。上昇した岩塩体を岩塩栓と呼ぶ。
岩塩は堆積時より比重がほぼ一定(ρ=2.168)で、堆積初期には上位の砕屑岩類より比重が大であるが、砕屑岩類の圧密が進行するに従い比重は逆転する。この比重差が起動力となり、強い可塑性と相まって、岩塩ドームが形成される。岩塩栓の水平断面積は、普通 2 ~ 3km2 以下であるが、まれに十数km2 。高さは 5km から 10km に達する。岩塩栓には、少量の硬石膏{こうせっこう}、ドロマイト、カルサイト、石英、黄鉄鉱などを含む。岩塩ドームには、図に示すようなさまざまな形のトラップが考えられる。岩塩ドームは単独では存在せず、米国のルイジアナ州・テキサス州の Gulf Coast salt dome 群は 300 以上のドームよりなる。そのほか、アラビア湾岸、西アフリカ沿岸海域が著名である。