ページ番号1000555 更新日 平成30年2月16日

キルクーク油田きるくーくゆでん
英語表記
Kirkuk oilfield
分野
油・ガス田

イラク北部、ティグリス川中流部の北東側のザグロス山脈山中(標高 2,000m )に位置する同国最大の油田。
当時のトルコ石油会社(TPC 、1929 年にイラク石油会社 IPC と改称)により掘削されたババドーム 1 号井が 1927 年 10 月 15 日に大暴噴を起こしたのをもって本油田の発見とされる。生産開始は 1934 年。現在の操業会社は国営石油会社 NOC(North Oil Company)。原油は、「キルクーク~ジェイハン・ライン」と呼ばれる 2 本のパイプライン(口径 40 インチと 46 インチ、長さ 1,049km 、送油能力計 170 万バレル/日)でトルコ地中海岸ジェイハンの貯油・出荷基地へ輸送されるが、イラク戦争後、反政府勢力による度重なるテロ攻撃により、このパイプラインはほとんど機能していない。他に「キルクーク~ジェイハン・ライン」の途中からルマイラ油田をへてアラビア湾(ペルシャ湾)側のファオの貯油基地に達する「戦略ライン」(口径 42 インチ、長さ 760km 、送油能力 98 万バレル/日)があるが、湾岸戦争以来、このパイプラインは機能していない可能性が高い。
地質区としてはザグロス褶曲帯(前縁盆地)に属し、集油形態は背斜構造、集油面積は 300km2 以上。産油層は第三紀のメイン石灰岩(アスマリ層相当)、白亜紀のシラニシュ層およびカンチュカ層の石灰岩で、深さはそれぞれ 430m 、950m 、1,250m 。究極可採埋蔵量は約 170 億バレルと見積もられている。原油性状は、比重 36 ~ 44°API、イオウ分 1.95 ~ 2.34 %。
産油量は 1979 年に 142 万バレル/日台のピークを記録した。イラク戦争開始( 2003 年 3 月)後の産油量は、パイプラインの長期送油停止の影響で 50 万バレル/日を下回るレベルに落ち込んでいると見られる。

主文献『世界の大油田』(1984)、『石油地質・探鉱用語集』(1989)
(齊藤 隆、2006 年 3 月)