ページ番号1000573 更新日 平成30年2月16日

掘削装置くっさくそうち
英語表記
drilling rig / drilling unit / rig
同義語
drilling unit ドリリング・リグ [ どりりんぐ りぐ ] リグ [ りぐ ]
分野
その他

石油、天然ガスを探したり、採取するために地球に穴を開ける装置をいう。
この装置は主に四つの要素から成り立っている。すなわち、(1) 動力の発生とその伝達機構、(2) ドリル・ストリング、ケーシング、チュービングなどの重量物をつり上げ、つり下げる機構、(3) 穴を掘るためにビットを回転させる機構、(4) 掘り屑{くず}を取り除いたり、坑内を安全に保つための循環機構である。
次にこれらの各機構を説明する。
(1) エンジンとトランスミッション:掘削装置(以後、単にリグと呼ぶ)の必要動力は、掘られる井戸の深さによるが、大抵のリグは 2 台、またはそれ以上のエンジンにより、 1,000 ~ 3,000HP の動力を作り出している。ディーゼル、またはガス・エンジンが動力源として一般に使用されている。その動力は機械的に、またはトルク・コンバーターなどを介して動力コンパウンドに伝達され、チェーンによって、次々とドローワークスに、さらにポンプにはベルトまたはチェーンで伝えられるのが普通である。またディーゼルで発電して、それぞれの機器ごとにモーターで駆動する方式もある。
(2) 巻き揚げ装置:井戸を掘り進むには下端に岩を砕いていくビットをつけたドリル・パイプを次々つないで坑井中に降ろしていく。その下部には肉が特別に厚いパイプであるドリル・カラーをつけて加重する。このようにドリル・パイプを長くつないだものをドリル・ストリングという。井戸を掘り終わると地層が崩れないように鉄管(ケーシング・パイプ)を降入して仕上げるが、このケーシング・パイプのつないだものをケーシング・ストリングという。井戸を掘るにはこれらの時として数百トンに達するパイプ・ストリングをつり、巻き揚げる装置がいる。それは櫓{やぐら}と巨大なウィンチであるドローワークスとが中心で、やぐらの頂上には定滑車であるクラウン・ブロックがあり、やぐらの中には動滑車トラベリング・ブロックがぶら下がり、このトラベリング・ブロックに荷重をつるフックがつられているが、両ブロック間を数回往復して荷重をつるワイヤー・ロープの一端はドローワークスのドラムに巻き付けられ、他の一端はやぐらの下部に固定されている。掘進にあたってはドローワークスのブレーキを作動しながら、ドリル・ストリングを下へ送り出していく。ビットの交換のときにはドローワークスを巻き揚げてドリル・ストリングを引き揚げる。地上に引き揚げられたストリングはパイプ数本ごとに切り離してやぐらに立てかける。
(3) ロータリー装置:坑井底の岩石を砕くためのビットを回転させる機構一式である。ビットはドリル・ストリングの下端につけられ、ビットを回すには坑口から坑底までつられているドリル・ストリングス全体が回転しており、その回転力は坑口のやぐらの床に据えられたロータリー・テーブルによって与えられる。ロータリー・テーブルはエンジン・コンパウンドから直接またはドローワークスのシャフトを仲介としてチェーンなどで駆動される。ドリル・ストリングの最上端には外断面が四角または六角のパイプであるケリーが接続されており、これがロータリー・テーブルにはめ込まれるケリー・ブッシングの内面を貫通した形で、回転させられながらストリング全体を上下することができる。ケリーの上端はロータリー・スイベルに接続されている。スイベルはフックにつられ、中にベアリングがあり、ケリー以下が回転してもスイベルの外枠は回転せず、またスイベルはロータリー・パイプにつながれ、循環泥水をケリー以下の回転しているドリル・ストリング内に送り込む。掘進につれてドリル・ストリングにドリル・パイプを 1 本ずつ継ぎ足していかなければならず、それらパイプの継ぎ離しの作業のときにはパイプとロータリー・テーブルの間にスリップをかませて、ストリングの重量をロータリー・テーブル上に支える。
(4) 循環装置:ビットで砕いた岩くず(カッティングス)を連続的に坑底から取り除き坑井外に持ち出すために、掘削泥水が地上と坑井内とを循環される。この泥水はマッド・ピットから泥水ポンプによって吸われ加圧されてスタンドパイプ、ロータリー・ホース、ロータリー・スイベルを経てドリル・ストリング内に送り込まれ、その中を坑井底まで下ってビットに至り、ビットのノズルから噴出される。坑井底で噴出された泥水は、カッティングスを伴って、ドリル・ストリングと坑壁との間のアニュラスを上昇して、地表で坑口から吐き出され、シェール・シェーカーを通してカッティングスを分離してマッド・ピットに貯留される。
循環系統の補助装置として、調泥のためピット内を撹拌{かくはん}するマッド・アジテーター、泥水中の砂分やシルト分を除去するデサンダー、デシルター、含有ガスを急速に除去するデガッサーおよび調泥材料の貯蔵、カッティングスや泥水廃棄のための泥だめなどがある。