ページ番号1000600 更新日 平成30年2月16日

ケーシングけーしんぐ
英語表記
casing
分野
その他

掘削の進行に伴って、掘られたままで地層が露出している坑井(裸坑という)に内枠をつけることをケーシングといい、近代削井方法では、ケーシング材料として丈夫な鋼管(ケーシング・パイプ)が使用される。
井戸の内に入れられた一連の鋼管をケーシング・ストリングという。ケーシング・ストリングと坑井との間は通常セメントによって閉塞{へいそく}・固定される(セメンチング)。ケーシングはこのセメンチングと相まって以下のような役目を果たす。
(1) 坑壁の崩壊を防ぐ。
(2) 圧力の異なる地層の間を遮断し、圧力の高い地層の流体が圧力の低い地層に移動するのを防止する。
(3) 油やガスを生産する場合に、油とガスだけを採取できるように、水層と油・ガス層を隔離する。
(4) ケーシングの頂部にケーシング・ヘッド、防噴装置、クリスマス・ツリーなどの坑口装置を取り付け、地層圧力をコントロールできるようにする。
(5) ケーシングの内部にチュービングやパッカーなどの油・ガス採取用装置を取り付ける。
ケーシングに際しては、その強度、長さを決めるために、石油会社は地質専門家や掘削技術者の提案や地球物理学的情報をもとにして、ケーシング・プログラムを作成する。使用される情報で一番確かなのは近くに掘られた井戸の記録で、それがない場合には似たような地域での記録が使用されたり、物理探査で得られたデータなどが利用される。ケーシング・プログラムを大きく左右するものは、坑の直径、目的層の深さ、そしてその潜在産出能力などである。これらはケーシングのサイズ、タイプ、材質の選択に大きな影響を与える。井戸が深くなり、掘進に日数がかかると、上部の坑壁は長期間裸坑のままにされ崩壊の可能性が高くなる。このため坑井の掘進にあたっては、ある深度あるいは日数まで掘進した後にいったんそこまでケーシングおよびセメンチングを施して、その後そのなかを通る径のビットでさらに下部を掘り進み、第 2 段のケーシングをする、というように、ケーシングは大口径から次第に径を減ずる複数段となるのが通常である。この場合、各段階のケーシングを次のように呼ぶ(図参照)。
(1) コンダクター・パイプ、(2) サーフェス・ケーシング、(3) インターメディエイト・ケーシング(中間ケーシング)、(4) プロダクション・ケーシング。(3) は状況により複数段になる。

図 油井のケーシングの例