ページ番号1000641 更新日 平成30年2月16日

減価償却げんかしょうきゃく
英語表記
depreciation
分野
その他

(1) 定義:減価償却は、米国公認会計士協会「用語集」によれば次のように定義されている。〈有形資本資産(tangible capital assets)の原価もしくはその他の基本的価額から残存価額(salvage value)(もしあれば)を控除した価額を組織的かつ合理的な方法で、その設備(資産のグループのこともある)の推定耐用年数(estimated useful life)にわたって配分することを目的とする会計方式である。その年度の減価償却費はこの方式によってその年度に配分された合計計上額の該当部分である。〉
(2) 減価償却の意義:わが国の企業会計審議会の意見書は、「減価償却の最も重要な目的は、適正な費用配分を行うことによって毎期の損益計算を正確ならしめることである」と述べている。減価償却を資金的な面からみれば、収益から控除されることによって固定資産に投下された資金が回収されること、すなわちそれだけ運転資本(working capital)が増えるところから、減価償却は利益留保とともに内部資金調達(internal financing)ないしは自己金融の手段ということができる。
(3) 減価償却費の計算基礎減価償却の計算の基礎となるのは次の三つである。(i) 取得原価(acquisition value またはoriginal cost):一般的にはその固定資産の購入代金に付帯費用(輸送費、保険料、金利など)を加えた額。(ii) 残存価額(salvage value):固定資産の耐用年数到来時において予想されるその資産の売却・処分または利用価額をいう。わが国では税法上、営業権、特許権などの無形固定資産についてはその性質上ゼロ、その他の減価償却資産については取得原価の 5 %としている。(iii) 耐用年数(useful life):その固定資産の使用可能の推定年数をいう。わが国では法定で詳細に定められているが、米国の連邦税法ではガイドライン(基準年数)を示すにとどまり、実際の適用年数は税務署長に認定をゆだねている。
(4) 減価償却費の計算方法:ある会計年度に経費として計上すべき減価償却費を算定するために、多く用いられているのは次のものである。(i) 定額法(straight-line method):毎期均等に一定額を減価償却費として費用化する方法で、一定額は次式で計算される。

定額法は計算が簡単であるうえ、損益の変動を少なくする。(ii) 算術級数法(sum-of-years'-digit method):わが国では行われないが、米国では 1954 年国税徴収法(Revenue Code of 1954)で認められている。この方法は耐用年数期間にわたって等差級数的に減少する分数を年々の減価償却率とするもので、定額法よりも初期に多く償却できる。例えば耐用年数が 10 年の場合、10/55、9/55、……、2/55、1/55、という具合である。(iii) 定率法(declining balance method):固定資産の年々の未償却残高に一定率を乗じた価額を減価償却費とする方法で、この一定率は次の算式で求められる。

この方法も耐用年数の初期のうちに多額の減価償却が行われるため、早期に固定資産への投下資本の過半額を回収することができる。(iv) 生産高比例法(unit-of-production method):資産の有用性(usefulness)が時間の経過よりも資産の生産ないし産出高によってより適切に測定できるような場合に用いられる。したがってこの方法を適用できる固定資産の範囲は、鉱業資産、航空機、自動車などに限られる。算式は次のとおりである。

生産高比例法は石油・ガス鉱業でも多く用いられるが、ある鉱業資産から生産されると期待される数量の推定値は年によって変化するので、ある鉱業資産上の減価償却費を算出するには一般に次の算式が使われている。

(5) 個別減価償却と総合(またはグループ)減価償却:石油・ガス生産のように資産項目が多い場合や資産の売買が頻繁な場合、また単一項目の除却、転用、売却その他の異動の場合、個々の資産ごとの償却は計算に余分な時間と金がかかり実際的でない。総合(グループ)償却は、似たような特性または同一の目的のために使用される資産項目をグループとしてまとめ、減価償却はそのグループの合計に対して行われる。グループ減価償却引当金はグループ内の各資産の期待耐用年数と残存価額を加重平均して算出する。