ページ番号1000646 更新日 平成30年2月16日

減耗控除げんもうこうじょ
英語表記
depletion
分野
その他

石油、石炭、金属などの天然資源は生産によって減少し、また消滅あるいは枯渇する。これを減耗(depletion)という。
この減耗を補充するため、売り上げまたは利益の一定割合を、主として探鉱による新しい埋蔵量の発見のための費用に充てるために控除することを減耗控除という。
税法上これを認める国と認めない国がある。税法上、減耗控除が認められている場合、大別すると米国型とフランス型の二つがある。米国型は控除分の使途を探鉱に限定しておらず、また使用期間にも制限がない。これに対してフランス型は、使途を探鉱費用などに限定するとともに、使用期間も一定の限度を設けている。米国では、連邦所得税法上、石油・ガス生産者は、原価法(cost depletion)か定率法(percentage depletion)のいずれかの方法で減耗控除を計上することが認められている。納税者はそのときどきで減耗控除の計算方法を変えることはできないが、いずれかの方法で計算した最高額を申告してよいとされている。米国の石油鉱業の発展はこの減耗控除制、特に定率法に負うところが極めて大きいことは周知の事実であり、1930 年以来の控除率は売り上げの 27.5 %か純利益の 50 %のうちいずれか少ない方という大きな控除が認められていた。しかし、この制度は石油産業を過度に優遇しているとの批判が強くなり、1969 年、売り上げの 22 %か純利益の 50 %のいずれか少ない方と修正された。さらに 1973 年 ~ 74 年のいわゆる第一次石油危機を契機として、石油会社がもうけすぎているという非難の声が強まり、財政収入の増加もねらって、民主党のカーター政権は 1975 年の内国歳入法(Internal Revenue Code)の改正税法(Tax Reduction Act of 1975、1975 年 1 月 1 日発効)で、定率法減耗控除を以下のように原則として廃止した。(1) 海外に関しては定率法減耗控除を廃止。(2) 国内に関しても原則として廃止されるが、一部のガスと独立生産業者を廃止対象から除く。(3) 独立生産業者には次の生産量まで定率減耗控除を認める。1975 年、原油 2,000 b/d 、以後毎年 200 b/d ずつ減じ、1980 年以降は 1,000 b/d 。天然ガスは 6,000 立方フィートを原油 1 バーレルとして換算する。さらに総収入に対する減耗控除率を以下のとおり引き下げる(純収入の 50 %以下という制約は変わらない)。1975 年より 1980 年までは従来どおり 22 %、以後、1981 年 20 %、1982 年 18 %、1983 年 16 %、1984 年以降 15 %。したがって現在米国では、一部の例外を除き原価法による減耗控除を使わざるをえない状況にある。原価法による減耗控除は、次の算式で求められる。

現在減耗控除制度を実施しているのは米国のほかにも、フランス、カナダ、スペインなど先進国だけではなく、発展途上国でも多く採用されている。わが国では、租税特別措置法第 58 条の 2(探鉱準備金)、58 条の 3(新鉱床探鉱費の特別控除)の二つの条項によってこの制度を法制化しており、使途制限がある点ではフランス型である。準備金積立率は売り上げの 13 %または所得の 50 %のいずれか少ない額となっており、積立期間は 3 年であり、4 年目に一括取り崩し益金に算入することとなっているが、その期に新鉱床探鉱費を支出していれば、一定基準額を限度として特別控除が受けられ、免税が確定する、という仕組みになっている。なおわが国の制度は、時限立法であり、3 年間に限って適用され、現在までに数次にわたり更新されて、現在では、1986 年(昭和 61 年)3 月 31 日までとなっている。