ページ番号1000687 更新日 平成30年2月16日

坑井試験こうせいしけん
英語表記
well test
同義語
プレッシャー・ビルドアップ試験 [ ぷれっしゃー びるどあっぷしけん ] プロダクション・テスト [ ぷろだくしょん てすと ]
分野
その他

坑井単位(生産井・圧入井)ごとまたは複数の坑井間で、定期的あるいは必要に応じて実施されるテストであり、坑井の生産・圧入能力、油・ガス層の性質(圧力、浸透率)の連続性、坑井近傍の生産性障害の程度、排油容積などの諸情報を得ることを目的とするもので、油・ガス田の開発生産計画の立案、適正管理並びに将来の挙動予測の基礎データを収集するうえで、極めて重要な作業である。
試・探掘井に対して実施されるドリル・ステム・テストも坑井試験の一つである。テストは、あらかじめ設定されたテスト・プログラムに基づき、生産レート (圧入レート)と坑底圧力変化を同時測定することにより実施されるが、上記油・ガス層の諸性状はこれらのデータに基づく圧力解析によって評価される。生産井に対する主要な坑井試験を以下に示すが、圧入井の場合も生産が圧入に変わるだけで、基本的には同様なテスト内容となる。
(1) 産出能力試験(production test, deliverability test):何段かの生産レートで産出テストを行い、同時に流動坑底圧を測定する試験で、これにより産出能力の指標となる産出指数が求められ、適正なドロー・ダウン並びに生産量の決定に役立てられる。ガス井の場合の産出能力試験はディリバラビリティ・テスト、またはバック・プレッシャー・テスト(back pressure test)と呼ばれ、試験法として、(i) フロー・アフター・フロー試験(flow-after-flow test)、(ii) アイソクロナル試験(isochronal test)、(iii) 改良アイソクロナル試験(modified isochronal test)などがある。これらの試験では、産出レートを 3 ~ 4 段に変化させて、それぞれの産出レートと坑底圧を測定し、その結果を用い、坑底圧を大気圧に解放したときの理論上の最大生産ガス・レートであるオープン・フロー・キャパシティ(open flow capacity)を算定する。(→試油試ガス)圧入井の場合は圧入能力試験となる。
(2) ドロー・ダウン試験(draw down test):坑井を密閉状態(静止坑底圧力の状態)より一定レートで生産開始し、その後の坑底圧力の変化を連続測定するテストで、この圧力データの解析により採収層の浸透率、および坑井周辺の生産性障害の指標であるスキン・ファクターが算定される。さらに生産による圧力変化の影響が油・ガス層の境界に達するまで長期の生産テストを行うことにより、その境界内の油・ガス層容積が推定できる。
(3) ビルドアップ試験(build-up test):生産中の坑井を密閉すると坑底圧力は時間とともに上昇し、いずれは静止坑底圧力まで回復する。この密閉時からの坑底圧力の時間的変化を測定解析することにより、ドロー・ダウン試験と同じく浸透率、スキン・ファクターが算定され、場合により断層の存在の検知も可能となる。圧入井の場合は特にフォール・オフ試験(fall off test)と呼ばれる。
(4) 干渉試験(interference test):一つの坑井で生産あるいは圧入を行った場合、その影響が採収層のなかを伝播{でんぱ}し、近隣の坑井で微小な圧力変化として観測される現象を坑井干渉と呼ぶが、干渉試験は、非常に高精度の坑底圧力計を用いてこの微弱な圧力応答を測定解析し、坑井間の連続性あるいは油・ガス層の性質を評価するためのテストである。