ページ番号1000743 更新日 平成30年2月16日

コレラティブ・ライツこれらてぃぶ らいつ
英語表記
correlative rights
分野
その他

コモン・ローに従って、地下の鉱物は土地の所有権に属するとしている米国において、地下の一つの石油・天然ガス層が複数の土地区割にまたがって広がっている場合、それぞれの土地区割の権利の保有者は、地下の共通の石油・ガスについて、それぞれが他者の権益を侵害しない範囲で自己の土地区割に対応する衡平な割合を生産する権利を持つという概念をコレラティブ・ライツ(相関的権利)と称している。コモン・ローによれば、地下の鉱物はその直上の土地の所有権に属するとして、1859年に米国東部において、井戸を掘って石油をくみ揚げることが始まって以来、この法理の下で、石油の採掘が行われてきたが、石油は流体鉱物であるために、隣接の土地所有者が自分の土地の地下にあった石油が隣地の井戸からくみ揚げられたと主張する余地があり、この種の係争に対して各地の法廷で種々の法理が適用されたが、その中で石油の採掘は地下水のくみ揚げと同様と見て、井戸でくみ揚げたときに取得権が発生するとして、野生動物の捕獲権に準じた、いわゆる「捕獲の法則(ルール・オブ・キャプチャー)」理論が最も有力となった。このために 1920 年代に米国南西部諸州で相次いで巨大油田が発見されるに及んで、一つの油層上の隣接土地所有者またはそのリース権者間で境界に接しての乱掘競争が大流行し、法廷は訴訟の氾濫{はんらん}に悩まされた一方、石油価格の暴落、資源の浪費(waste)という明らかな公共の損失が社会の関心の的となり、産油各州の政界・経済界による乱掘防止の努力が空しく重ねられた。こうしたなかで生まれてきたのが、一方ではコレラティブ・ライツの概念であり、他方ではコンサーベーション (資源保存)の理念の実現のための公権力による介入調整手段の創設、すなわち各州におけるペトロリアム・コンサーベーション・アクト(石油保存法)の制定である。コレラティブ・ライツの概念の内容は (1) 他の土地区割の所有者またはリース権者が自己の土地区割を侵害して石油・ガスを採取することを禁ずる権利、(2) 自己の土地区割上で合法的な作業により石油・ガスを採取する権利、(3) 不合理な採掘によって資源の浪費(ガスの放散など)をしないという義務、(4) 共通貯留層に障害を与えず、自己の正当かつ公平な取り分以上の不当な石油・ガスの採取をしないという他の土地区割所有者に対する義務、から成ると解説されている。これは成文法(statute)による権利義務ではなく、判例の積み重ねによるコモン・ロー上の権利義務であって、その実現は司法だけでは不完全であり、行政的介入が必要となり、先述のように各州でコンサーベーション立法が行われ、それにより法制的ユニタイゼーションができるようになっている。これにより、複数の土地区割の下に賦存する共通貯留層の合理的開発が図られ、したがって各土地区割所有者もしくはリース権者の当該貯留層に対する公正なシェアが確保されることになる。