ページ番号1000752 更新日 平成30年2月16日

コンチネンタル・ライズこんちねんたる らいず
英語表記
continental rise
分野
その他

大陸斜面の基部と大洋底との間に広がる緩い傾斜(1:100 ~ 1:700)のすそ野状斜面をいう。
大陸縁辺部の構成員であるが、海溝(沈み込み帯)を巡らす太平洋型縁辺部では欠如する。ただしその背弧側の縁海には発達するところがある。コンチネンタル・ライズ(以下ライズと略称)の幅は 100 ~ 1,000km で、海底面の起伏に乏しいが(40m 以下)、上位の大陸斜面から引き続いて海底谷が刻まれたり、またその末端に深海扇状地がしばしば発達する。ライズの起源は陸上内陸部から運ばれた陸源堆積物{りくげんたいせきぶつ}、大陸棚や大陸斜面に由来する再堆積物の多量な供給であり、海底谷などはその運搬経路の跡と思われる。陸上の現象にたとえるならば、ライズは崖下{がいか}に形成される崖錐{がいすい}のようなものである。深海平原との境は精密測深記録や地震探鉱記録断面で傾斜や堆積構造の変化で認められるが、ときには不分明なこともある。世界の海底のライズ総面積は約 19×106km2(McKelveyら, 1969 ; Emery, 1970)とされるが、25×106km2(Drake and Burk, 1974)との数字もある。堆積層の厚さは数 km に達するが、石油探鉱上の評価は未知で、将来の試掘にまつほかはない。国連海洋法条約の大陸棚の定義では、その外縁は沿岸国の大陸縁辺部の外縁、つまりライズの外縁までとの基本的認識を示した。その背景には、ライズは陸源堆積物から成るとの考えがある。しかし、大陸と海洋の地殻構造上の境はほとんどの場合ライズ下にあり、また図に示すように中生代後期から古第三紀にかけての遠洋性~半遠洋性堆積岩が陸源堆積物の下に伏在していることも深海掘削の結果判明していることに注意を払うべきであろう。また、さらにその下には海洋基盤・海洋地殻が伏在することが普通なので、ライズを“海洋縁辺部(oceanic margins)”ということがある。

図 北米東岸沖合の大陸斜面とコンチネンタル・ライズ