ページ番号1000912 更新日 平成30年2月16日
浸透率しんとうりつ
- 英語表記
- permeability
- 分野
- その他
岩石など多孔質物体の物理的性質の一つで多孔質物体内における流体の流れやすさを表現する語。断面積 A〔cm2〕、長さL〔cm〕の多孔質物体内を粘度がμ〔cp〕の一種類の流体が水平に流動している場合、両端の流体圧の差が△P〔気圧〕ならば、それらの値とその流量 Q〔cc / 秒〕との間には Q = K × A / μ × △P / L という関係がある(図参照)。この関係式はその法則性を発見したフランス人 Henry Darcy の名にちなみ、ダルシーの式(Darcy's equation)と呼ばれる。このダルシーの式中にある K を絶対浸透率と呼び、その多孔質物体固有のものでダルシー(darcy)またはその 1/1,000 であるミリダルシー(md)という単位で取り扱われる。通常、浸透率といえばこの絶対浸透率を指すが、浸透率にはほかに有効浸透率と相対浸透率と呼ばれるものがある。原油・天然ガス貯留岩の孔隙{こうげき}内は地層水、原油、ガスなど多相共存状態にあるが、このように多孔質物体内に2種類以上の流体が存在して流動しているときに、それぞれの流体に対する浸透率をその流体の有効浸透率といい、この有効浸透率と絶対浸透率の比を相対浸透率と呼ぶ。通常、コア試験では絶対浸透率測定には空気または水を、相対浸透率測定には水/油、水/ガス、油/ガスの組合せを測定用流体として用いる。Levorsen(1967)によると、石油・ガスの貯留岩となるための浸透率としては 1 ~ 10md では可、10 ~ 100md は良、100 ~ 1,000md は優である。