ページ番号1000932 更新日 平成30年2月16日

実勢(販売)価格じっせい(はんばい)かかく
英語表記
realized price / realized sales price
同義語
realized sales price リアライズド・プライス [ りあらいずど ぷらいす ]
分野
その他

実勢価格とは、字義どおりには実際の売買価格のことであるが、個々の売買における価格はそれぞれ差があり、実勢価格を的確な数値として把握することは必ずしも容易ではない。例えば原油売買において、国際石油会社が自己の子会社ないし系列会社へ売る場合の価格(移転価格=付替え価格)と系列外の独立系精製会社に対する販売価格とでは差があるのが普通である。実勢価格を問題にするときはこの後者の第三者向け価格のうち、特に代表的な、あるいは主導的な価格を取り上げて論じられる。国際石油資本が石油市場を支配していた1950年代には彼らが決めた公示価格が実際の販売価格であったが、1960 年に設立された OPEC が許可なく公示価格を変更することを禁じて以来、実際の販売価格は公示価格(課税標準価格)から離れて値下がりを続け、実勢価格という概念ができた。1970 年代初頭以来の OPEC による公示価格の引き上げに伴い、実勢価格も増勢に転じた。特に 1973 年 1 月 1 日から実施されるようになった事業参加方式による産油国可処分原油の出現やリビア、アルジェリア、イラクそしてイランなどの(準)国有化原油の出現により、産油国は公示価格のみならず実際販売価格そのものの価格水準に直接利害を持つようになり、その強気な販売態度から公示価格に近い売買が実現するようになり、これが実勢価格を引き上げていくことになった。1973 年に発生した石油危機の際もまた第二次石油危機の場合もスポット取引の価格が急騰し、 OPEC がこれに追随して公示価格を引き上げた。また最近のオイル・グラットに対してはスポット価格が公式販売価格を下回って下がり続け、OPEC も公式販売価格の値下げに追い込まれた。このように最近ではスポット価格が市況を表現しているものとみなされているが、長期契約の価格は依然公式価格に準拠しており、スポット価格がそのまま実勢価格とは必ずしもいえない。