ページ番号1001327 更新日 平成30年2月16日

ディシジョン・ツリーでぃしじょん つりー
英語表記
decision tree
分野
その他

ディシジョン・ツリーは、確率的事象の積み重ねによって到達される結果を総合的に評価して意思決定に資するために用いられる手法で、投資問題の決定によく使われる。
1 本の井戸を掘るか、または計画を放棄するかのような、一つの分岐点しかない場合は、期待金額値の手法で十分である。しかし意思決定の分岐点が沢山ある場合もある。例えば、ある鉱区を取得しようという場合、今後生じるであろう一連の事象について考える必要がある。その企業では、現在分かっている地質情報を基にして掘るか、または掘る前にさらに精密な地震探査資料を購入するかなどの選択を迫られる。また、もしその地質情報を基にして掘った井戸がドライホールか、または少量しか油を産出しなかったとすれば、その鉱区を放棄する前にもう1本の井戸を掘るかどうかの分かれ道に直面する。このように、鉱区に応札する際の分析も非常に複雑である。ディシジョン・ツリーは、決定を迫られる時点が何回にもわたって存在するときに使われる技法で、この解析法は一連の事象について各事象の結果の起こり得る確率が与えられているときに使用できる。ディシジョン・ツリーは一連の事象と、その結果起こり得る可能性を樹形の図式に示したものである。
図に石油探鉱の意思決定のディシジョン・ツリーを例として示す。二つ以上の枝に分かれる点を node という。四角によって囲まれる点を decision node、円によって囲まれる点を chance node という。一つの node から枝分かれする数には制限がない。chance node から分かれる結果には、起こり得る確率と金額損益表が与えられる。図のディシジョン・ツリーにおいて、< >内の数字は意思決定に伴って決まる金額の出入りであり、chance node から分かれる枝にある小数は、起こり得る確率であり、()内はその結果の出入りである。このディシジョン・ツリーにおいて、地震探鉱を行い、構造が発見された場合のみ試掘する、という方策がとられるとすると、その結果の期待値は次のように計算される。EV =(-10)+ 0.7 ×(-30)+ 0.7 × 0.2 ×(400)=+25 一連の意思決定をするのにディシジョン・ツリーを使う利点は次のとおりである。
(1) 複雑な意思決定の仕組みを小さな部分に分割し、機会によって分岐する結果および意思決定による分岐を定義し、解析している。
(2) 一連の意思決定に対し、確率を計算して、ある特定の目的地を選ぶことができる。
(3) これによって複雑な意思決定システムの解析ができる。
(4) すべての一連の行動の過程が、最初の意思決定の前に示される。
(5) 各意思決定分岐点で、もし条件が最初に考えていたものと異なった場合でも、残りの分岐を再解析して、その時点から先の新しい戦略を考えることができる。
(6) ディシジョン・ツリーは、追加情報を購入する価値を解析するのに便利である。例えば、詳細な地震探査資料を購入することは、大きな構造を発見する確率が増加するために、正当化されることが多い。
一連の意思決定を要する事業においては、一段階の結果が出るたびに先行きの事象の確率が変わるので、一段階ごとにその先について新しいディシジョン・ツリーが描かれる。なお、金額のアウトプットは、時間的なずれによって価値が変わるので、割引法によってある共通時点に引き戻して考えるべきである。 

図 ディシジョン・ツリー