ページ番号1001406 更新日 平成30年2月16日
内弧盆地ないこぼんち
- 英語表記
- inner arc basin
- 分野
- その他
島弧の発達する地域で、その延びの方向に帯状配列した地形的・地質的特徴を基に分類した場合、外弧盆地の内側(海溝部から離れる側)に位置する堆積盆地{たいせきぼんち}をいう。
島弧は「外弧盆地」で紹介した説明図に示したように、火山列と海溝部の間に現在火山活動が見られない古い岩石・地層から構成される非火山性島列が分布する二重弧(doublearc:東北日本弧、小笠原弧南部、琉球弧など)と、非火山性島列が見られない一重弧(single arc:アリューシャン弧、小笠原弧北部、西南日本孤など)があるが、外孤盆地で説明したように、中軸部を火山列として区分した場合に、火山列の内側に発達する堆積盆地を内弧盆地といい、大陸側との間にオホーツク海、日本海、沖縄トラフなどの縁海を伴うことが多い。内弧盆地は外弧盆地に比べて、一般的に堆積物が厚く、地温勾配{ちおんこうばい}も高いことから、油・ガスの生成には有利な地域であり、油・ガス田が形成されることがある。わが国では、秋田、山形、新潟地域の陸域、海域の堆積盆地がその例である。また、二重弧においては外側の非火山性島列を外弧(outer arc)、火山列を内弧(inner arc)と呼んで、非火山性島列と海溝の間の堆積盆地を外弧盆地、非火山性島列と火山列の間の堆積盆を内弧盆地ということもある。石油地質学では前者の区分を用いることが多い。(→外弧盆地)