ページ番号1001432 更新日 令和2年4月6日

尿素合成にょうそごうせい
英語表記
urea synthesis
分野
その他

 尿素(化学式(NH22CO)を合成する方法。
 尿素は動物の尿中に含まれる有機化合物であり、たんぱく質や核酸の分解生成物中の窒素分を体外に排出する役割を受け持っている。
 近年、尿素は窒素肥料として、また尿素樹脂などの工業原料として、大量に消費されており、尿素の工業的合成がそれを可能にしている。
 一般的な合成法は、アンモニアと炭酸ガスを原料とし、120℃、150気圧前後に加熱加圧して化合させ、製造するものである。

2NH3 + CO2 → (NH2)2CO + H2O

 アンモニアの製造については、従来、空中の窒素を原料とするハーバー・ボッシュ法が主として用いられていた(アンモニア合成参照)。
 近年天然ガスの産出国などにおいて、天然ガスを原料とした尿素製造が増大している。これらの工場では、アンモニア合成プラントと尿素合成プラントが併設されることが多い。まず、 原料の天然ガスから水蒸気、空気との反応で水素、窒素、炭酸ガスをつくり、次にこのうち水素と窒素をアンモニアプラントへ送りアンモニアを製造し、最後にアンモニアと炭酸ガスを尿素プラントへ送り尿素を製造する。
 天然ガスの埋蔵量は豊富であり、水素の供給源として安定し、また経済的であることから、尿素、アンモニア、メタノールを含め、天然ガスを化学合成原料とする動きは増大しつつある。尿素合成は、天然ガスの開発手法としては既に確立しており、またより小規模のガス田にも適用可能な技術であり、肥料としての製品需要も世界的であるが、それだけに市場の競争も激しい。

中小天然ガス田マネタイゼーションの新展開~新しい開発手段の特徴と可能性について:試論~
(石油・天然ガスレビュー、2005.9 Vol.39 No.5)

(森島 宏、2010年9月)