ページ番号1001472 更新日 平成30年2月16日

灰分はいぶん
英語表記
ash
分野
その他

試料中に含まれる不燃焼性物質の総量をいう。
燃料油中に灰分が多ければ、ボイラーの加熱面に沈積して熱効率を低下させ、往復動エンジンのピストン・リングなどを摩耗し、また金属腐食の原因となる。灰分の試験方法は、日本工業規格(JIS)K2272(原油および石油製品の灰分並びに硫酸灰分試験方法)に規定されている。るつぼに試料を計り取って加熱点火し、試料が炭素質物質になるまで燃焼させた後、電気炉中で恒量になるまで 775 ℃に加熱する。放冷して質量を計り、灰分を算出する。ただし、添加剤を含む潤滑油や潤滑油添加剤は、炭素質物質にした段階で硫酸を加えて処理し、加熱酸化して完全に硫酸塩にしてから 775 ℃に加熱して仕上げ、放冷して灰分を求める。このようにして求めた灰分を硫酸灰分(sulfated ash)という。燃料油の灰分中にバナジウムやナトリウムが多いと、機関や装置が腐食する原因となるので、これらの含有量が問題になることがある。そのため試験方法は日本工業規格(JIS)にはないが、石油学会規格(JPI)の JPI-5S-11(バナジウム)および JPI-5S-3(ナトリウム)に規定がある。