ページ番号1001484 更新日 平成30年2月16日

ハッシルメル・ガス田はっしるめる がすでん
英語表記
Hassi R' Mel Gas Field
分野
油・ガス田

アルジェリアのアルジェの南約 600km のサハラ砂漠で 1956 年に発見されたガス田。
確認埋蔵量は約 85Tcf(約 2.4 兆m3)といわれており、世界有数の巨大ガス田である。鉱床は幅 40km 、長さ 80km に及ぶ背斜構造であり、貯留層は深度 2,000 ~ 2,500m の三畳紀の砂岩である。ガスの生産は 1961 年に開始され、パイプラインで約 500km 離れた地中海沿岸のアルズーの天然ガス液化基地に運ばれ LNG として輸出されている。1972 年には約 600km 離れたスキクダの天然ガス液化基地へもガス供給を開始した。1984 年末でアルズーは 2,400 MMscfd の処理能力を持つ世界最大の液化基地であり、スキクダも 980 MMscfd の処理能力を有している。1982 年末までの両基地からの LNG 輸出量累計は約 50 百万トンに達している。産出ガスは性状がウェット(重質分の多いガス)であるため、ガス田には多系列より成る大規模なコンデンセート回収プラントが設置されており、1984 年末では約 10,000 MMscfd のガスを処理し、年間約 2.6 百万トンの LPG と約 19 百万トンの天然ガソリンを生産する能力を持っている。産出ガスはヘリウム含有率が高く、埋蔵天然ガス中には約 100 Bcf のヘリウムが含有されており、世界有数のヘリウム含有鉱床でもある。1985 年現在ヘリウムは回収されていないが、SONATRACH は、回収を検討中である。また産出ガス中に 50 ~ 80μg / Nm3 の水銀を含有し、このためスキクダの天然ガス液化設備でアルミニウム合金製機器の水銀による腐食トラブルを起こし、その後は液化基地に水銀除去装置が設けられた。