ページ番号1001494 更新日 平成30年2月16日

半潜水型ターレット荷役はんせんすいがたたーれっとにやく
英語表記
submerged turret loading
略語
STL
分野
その他

オフショア(洋上)での気体・液体の荷役方法の一つ。
ガスの荷役方法には、ローディングアームを用いるものと、ローディングホースを用いるものがあるが、荷役時の揺動(相対変位)が大きい場合は、フレキシブルホース方式が有利であり、本方式は、フレキシブルなローディングホースを浮きブイ係留設備と兼用させたものである。CNG(圧縮天然ガス)船のシリンダータンクへのガスの格納、送出は、本船船首の船底部に、半潜水型ターレットノズル(submerged turret nozzle)と呼ばれるガス移送用のブイ(図 1 )を、接続して行われる。洋上での荷役が可能となるため、岸壁への接岸が不要となり港湾設備が簡素化できるメリットがあり、小規模の設備投資で環境への負担を抑えつつ、プロジェクト開発を行う必要のある CNG 技術に適する。浮きブイ係留設備とフレキシブルホースとの組み合わせであることから、気象海象が多少悪くても安全な荷役が可能であり(ブイを中心に船体は回転可能であり潮流の影響も受けにくい)、北海海域における重油タンカーの荷役システムや、最近では米国ルイジアナ州沖合でLNG船の船上で再ガス化したガスの揚げ荷で使用されるなど、既に実績のある荷役システムである。米国エナシー社が推進する CNG 船に採用される予定である(図 2 )(http://www.apl.no/)。
(参照:石油天然ガスレビュー 2004 年 9 月号「米国で活況を呈する洋上LNG受入基地プロジェクト」

(後藤 譲、2006 年 3 月)

図1 半潜水型ターレット荷役(ガス移送用のブイ)
図2